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本革のバッグは乾燥やカビが大敵です。本革バッグの品質を維持して長く愛用するには、日々のお手入れ方法やトラブルの対処法を知っておくことが必要不可欠。こちらの記事では、本革バッグが傷む原因や正しい保管方法とお手入れ方法、カビ・型崩れ・乾燥といった状態別の対処法を紹介します。
目次
本革バッグは、長く使うほど美しい色合いに変化するところが魅力です。耐久力が高いので、20年ほど愛用できる可能性もあります。ただし、お手入れや保管方法にこだわらないと革が傷み、寿命が短くなる恐れも。まずは、本革バッグの寿命を縮める原因の例を確認していきましょう。
最初に覚えておきたいのは、本革は乾燥が大敵ということ。人間の肌が乾燥で荒れてしまうのと同じように、革製品は乾燥するとひび割れてしまいます。乾燥した状態で水や汚れが付着すると、劣化はさらに進行。
ひび割れが発生した部分は基本的には元の状態に戻せないため、乾燥の早期発見が大切です。定期的なチェックと乾燥対策を行えば、本革バッグを長く愛用できます。
本革は耐久性に優れている素材ではありますが、雨や湿気は苦手です。カビの原因となるのが、一番の理由と言えるでしょう。カビは湿気や汚れを好物とします。そのため、汚れや水が付着したままバッグをクローゼットなどで放置していると、カビが発生してしまうのです。
湿気のあるじめじめとした場所に長時間保管するのは、カビを育てているようなもの。使用後のお手入れや保管場所にこだわって、本革バッグを湿気や汚れから守りましょう。
どんなに高級な本革バッグであっても、永遠に形状を記憶してくれるわけではありません。型崩れの原因となるのは、荷物の入れ方や保管方法。乾燥や湿気と同様に、型崩れもバッグの寿命を左右する大きなトラブルの1つです。型崩れが起こると見栄えも悪くなってしまうので、正しい保管方法はもちろんのこと、日々の扱い方にも気を配りましょう。
革製品のお手入れと聞くと、オイルを思い浮かべる方もいるのではないでしょうか。オイルは革製品に有効なケアアイテムではありますが、実は毒にも薬にもなるのです。よくある例として見られるのが、オイルの塗り過ぎ。あまりにたくさん塗ってしまうと、革本来の風合いを損なってしまう恐れがあります。
オイルは、塗れば塗るほど味が出るというわけではありません。そのため、使用する際は定められた量を守ることが大切です。
本革バッグを長く愛用するためには、日々のお手入れや保管方法にこだわることが大切です。少しの意識が美しい状態の維持につながります。こちらでは、本革バッグを長持ちさせるお手入れ方法と保管方法を紹介します。
本革バッグのお手入れの基本は乾拭きです。バッグを使用した後にはなるべく乾拭きをして、汚れや水分を落としてあげましょう。乾拭きする布は固いものではなく、やわらかく傷がつきにくいものを選んでください。
細かいデザインが施されているバッグは、乾拭きだけでは汚れが落ちない場合もあります。そんな時は、革専用ブラシによるお手入れを検討しましょう。使用後の乾拭きといった日々のお手入れに加えて、定期的にオイルやクリームを使ったメンテナンスをするのもおすすめ。2ヵ月に1回程度のペースで行うだけで、バッグの品質を保ちやすくなります。
日常使いしているバッグが軽い場合は、壁に吊るして保管すると湿気対策と便利さを両立できます。長期間保管する場合は、型崩れを防ぐためにお手入れをしてから中に新聞紙を詰めます。バッグを傷やホコリなどから守るため、不織布の袋に入れるのが理想的です。保管する際は、縦置きにすると型崩れを防げます。
本革は湿気に弱いですが、だからといって乾燥剤や防虫剤を同じところに入れるのは避けてください。革の変質や硬化につながり、結果的に劣化を招く恐れがあります。
本革バッグが乾燥してしまった時には、人間の肌と同じように栄養や潤いが必要です。乾燥の見分け方と、乾燥してしまった時の対処法をチェックしていきましょう。
指でバッグを触ってみて、カサカサしていると感じた時は乾燥している証拠です。また、色味で見分けられる場合もあります。革の色によっては乾燥すると色味が薄くなるものもあるので、しっかりとバッグをチェックしてみてください。
ひび割れは乾燥が進行している危険信号。進めば進むほど元に戻すのが難しくなるので、乾燥に気がついたらすぐにケアすることが大切です。
乾燥してしまった時は、オイルやクリームで油分を与えるケアを行いましょう。まずは、基本のお手入れの乾拭きかブラッシングで、バッグの汚れやホコリを落としておきます。その後、やわらかい布にオイルをとって、バッグに塗り広げてください。
この時のポイントは、オイルの量と塗り広げ方。オイルは1円玉の大きさ程度の量が目安。多過ぎるとシミの原因になるので注意が必要です。また、塗り広げる際には薄く均一にオイルが行き渡るように、手早く行いましょう。
オイルがバッグ全体に塗れたら、30分~1時間程度かけて陰干しで乾燥させます。最後にもう一度やわらかい布で乾拭きをして、余分なオイルを落としたら完了です。オイルケアはバッグの色落ちを招く恐れがあるため、底などの目立たない部分から始めて様子を見るやり方がおすすめです。
乾燥が進み、ひび割れした本革バッグを元に戻すのは非常に困難です。ですが、何もしないで放置してしまうと乾燥はさらに進行し、ひび割れも悪化してしまうでしょう。オイルやクリームで革をやわらかくできれば、ひび割れが目立ちにくくなります。また、栄養が抜けてしまったとき専用の革用のクリームなど、専用のアイテムによるメンテナンスも効果が期待できます。
ひび割れするほど乾燥が進んでしまったバッグは、何度かに分けて栄養を与えるのが基本。とはいえ、連日行うのではなく、3日程度の間隔を開けてケアを行いましょう。もし自分でメンテナンスをするのが不安な場合は、プロに依頼する方法もあります。
本革バッグに起こりやすいトラブルは、乾燥だけではありません。ここでは、乾燥と並んで起こりがちなカビと型崩れの対処法を紹介していきます。
表面にカビが発生している本革バッグは、繊維の中にもカビが生えている可能性が高い状態です。そのため、表面を綺麗にケアしても再びカビが現れる恐れがあります。
まずは天日干しをして、繊維の中のカビを撃退しましょう。天日干しが終わったらメンテナンスを行います。ブラッシングで汚れを落とす他、消毒液や重曹水で拭き取るといった方法もありますが、最も効果的なのは革専用のクリーナーを使ったメンテナンスです。
ブラッシングしたら、クリーナーをやわらかい布にとって汚れを拭き取っていきます。この時、カビを拭いた部分の布は、他の場所に触れないように注意しましょう。汚れが落ちたら、乾燥対策と同様に保湿ケアを行い、1時間ほど乾かして乾拭きをすれば完了です。
型崩れしてしまったバッグは、一度使用を中断してメンテナンスを行いましょう。まずは、中身を空にしてから新聞紙などを詰め、バッグの形を整えます。
それでも型崩れが改善しない場合は、オイルやクリームで革をやわらかくして対処します。革がやわらかくなったら、変形した部分を引っ張ったり、内側から押し出したり、揉み解すなどして手で形を整えます。最後に新聞紙などで作った詰め物を入れて、1~2日ほど日陰に吊るしておけば改善することでしょう。
空気が乾燥する冬は本革バッグも乾燥しやすい季節なので、クリームやオイルで潤いや栄養をしっかり与えましょう。バッグの状態をこまめに確認することも重要です。大切なバッグをいつまでも綺麗に使用できるように、お手入れや保管方法にこだわって、乾燥やカビから守ってくださいね。