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監修者:Bella Beauty CLINIC理事長 石川 佳奈先生
毎日スキンケアしているはずなのに、気になる小鼻や頬の黒ずみ毛穴。そのスキンケア、実は間違っているかも知れません。黒ずみ毛穴の原因は一つではないため、原因に合ったスキンケアをしなければ、黒ずみが改善されない上、悪化させてしまう可能性もあります。皮膚科医の石川佳奈先生が、黒ずみ毛穴の原因や正しいケア方法を解説します。
毎日きちんとケアしているはずなのに、鏡を見ると気になる毛穴の黒ずみ。実はそのスキンケア方法が、間違っているからかも知れません。毛穴が黒ずむ原因には、紫外線によるタイプと角栓によるタイプがあります。黒ずみの改善には原因に合ったケアが重要です。まずは、肌が黒ずむ原因をみていきましょう。
紫外線が原因となるのが「メラニン毛穴」と呼ばれるタイプ。毛穴の周りは紫外線の影響を受けやすい場所でもあります。UVケアを怠って日焼けをすると、メラニン色素が作られシミやそばかすだけでなく、黒ずみ毛穴の原因となる場合もあるでしょう。
また、間違ったスキンケアは肌に負担をかけ、皮膚の炎症をひき起こしメラニンを増加させます。メラニン色素が毛穴の周りに沈着すると黒ずみの原因となるため、メラニンの増加は黒ずみを悪化させる一因となり得るのです。
肌はターンオーバーによって新しい肌へと生まれ変わります。しかし、ストレスやホルモンバランスの乱れ、加齢などによって肌のターンオーバーが乱れてしまうと、毛穴の周りにメラニン色素が蓄積されて黒ずみを引き起こしてしまいます。
メラニン毛穴は毛穴の周りがドーナツのように黒い輪になっているのが特徴です。毛穴に詰まりは無く、触った感触はツルツルしています。しかし、メラニン毛穴と角栓による黒ずみが同時におこっている場合もあるので注意しましょう。
洗顔では落としきれなかった古い角質や余分な皮脂が混ざり合い、毛穴を詰まらせる白い角栓となります。角栓は皮脂と混ざり合ってできるため、Tゾーンなど皮脂分泌の多い場所にできやすく、女性の肌トラブルとして悩まされている方も多いようです。
はじめは白い角栓ですが、正しくケアできずにいると、さらに落としきれなかったメイク汚れなども混ざり毛穴を広げ、酸化して黒い角栓に変化していきます。これは、角栓に混ざった皮脂は空気に触れると酸化して黒く変色するためです。
鼻や眉間、顎など特に皮脂の分泌が多い場所に黒くポツポツと見られる黒ずみ毛穴。角栓の詰まりが原因となっているため触るとザラザラとした感触が特徴です。
毛穴の詰まりや黒ずみを改善するためには、原因に合った適切なスキンケアが重要です。間違ったスキンケアは逆に黒ずみを悪化させる原因となってしまうので注意しましょう。ここでは、ついやってしまいがちな毛穴ケアのNG例を紹介します。
古い角質を落としてくれるピーリングは、肌の新陳代謝を促しターンオーバーを正常なサイクルに戻してくれます。適度なピーリングは、黒ずみの改善に効果がありますが、やり過ぎは肌に必要な皮脂や角質まで落としてしまうことにもなります。肌を守るために皮脂の分泌が増え、メラニンの生成を促進するだけではなく、角栓の原因となる可能性もあるため注意しましょう。
はがすタイプの毛穴パックは、角栓がごっそりと取れるため効果が見えてすっきとした気分になります。ですが、はがす刺激が強すぎるため、必要な角質まで一緒にはがしてしまうことに。
角栓が溜まらないようにと、頻繁に使用するのは肌に負担をかけて逆効果となってしまいます。説明書に書かれている使用方法や頻度を守り、使用後はしっかり保湿ケアをすることが大切です。
クレンジングや洗顔は、角栓を落とすためではなく、メイクや汚れを落とすためのものなので、力を入れて洗っても角栓は落ちません。ゴシゴシ洗いは肌にダメージを与え、必要な皮脂まで落としてしまうため乾燥肌の原因となってしまいます。乾燥肌は皮脂の過剰分泌へとつながり、肌への刺激はメラニン増加の原因となり得ます。
毛穴の黒ずみは「角栓」と「紫外線」が原因となり、それぞれ肌の状態も異なります。例えば、メラニン毛穴に角栓対策のケアをしても黒ずみは改善されません。黒ずみの原因や肌の状況に合わせた改善方法をおこなうことが大切です。
メラニン毛穴の黒ずみには、毎日の紫外線対策が重要です。紫外線というと「夏の暑い日差し」を思われるかも知れません。しかし、紫外線の量に違いはありますが、曇りや冬の紫外線も侮れないでしょう。毎日の紫外線対策として、日焼け止めを利用してみてください。テクスチャーやUVカットの効果などさまざまなタイプがあるため、使いやすい日焼け止めで一年中紫外線対策をするのがおすすめです。
メラニンの沈着が原因となるメラニン毛穴は、紫外線による肌のシミと同じなので美白ケアが効果的。美白ケアには、過剰なメラニンの生成を抑えて、シミを予防する効果がるため、これから黒ずみができるのを防ぐ効果が期待できます。できてしまった黒ずみは肌のターンオーバーで排出し、黒ずみができないように美白ケアで予防しましょう。
古い角質や残ったメイク汚れは角栓の原因となるため、毛穴の角栓が目立つ人は、クレンジングでメイク汚れをしっかり落とすことが大切です。クレンジングの量が少ないと、メイク汚れを落としきれないだけでなく、摩擦で肌に負担をかけてしまうことに。適量を守りしっかり汚れを落としましょう。
また、クレンジングの後に洗顔料を使う時は、きめ細かい弾力のある泡を作るのがポイントです。泡が汚れを包み込み、浮かせて落としてくれます。泡を肌の上で転がすようなイメージで洗いましょう。ゴシゴシ洗いは禁物です。
週に1〜2回程度のスクラブや、グリコール酸など軽いピーリング作用のあるものが入った洗顔料や化粧水をとりいれることも、毛穴の角栓除去や予防に効果的です。また、お肌のコラーゲン生成を促し毛穴を引き締めたり、抗酸化作用による黒ずみ予防のために、ビタミンCを取り入れるのも良いでしょう。
汚れや古い角質を落としたら、化粧水や美容液でしっかり保湿してあげましょう。配合されている成分や肌への浸透性など、使用する化粧水選びも重要です。毛穴の黒ずみやたるみ、開いた毛穴にはビタミンC誘導体やセラミド、コラーゲンなど、黒ずみ予防や肌にハリを与えてくれる成分が配合された化粧水がおすすめです。
化粧水で保湿をしても、時間とともに水分は蒸発して乾燥肌へと逆戻りしてしまいます。しっかり保湿をした後は、クリームなどの油分を使って水分が蒸発するのを防いであげましょう。
「乳液のベタつきが苦手」という人は、サラッとしたテクスチャーを選ぶなど、肌の状態や好みに合わせてテクスチャーを選ぶと良いでしょう。
紫外線は毛穴の黒ずみだけでなく、シミやそばかすなど多くの肌トラブルにもつながります。紫外線を防ぎながら、しっかりと保湿してくれるおすすめのデイクリームを紹介します。
メゾンレクシア オラクル フィクス プロテクター
濃密な植物エッセンスの力で、肌本来の秘められた力を引き出すオラクルシリーズのデイクリームです。伸びがよくベタつかないので、顔だけではなく首筋や腕にも使いやすいのが魅力。なめらかな仕上がりで化粧下地としてもおすすめです。
メゾンレクシア アルケミー シルキー ヴェール
エネルギー溢れる植物と発酵の力を掛け合わせた「酵母発酵エキスVEGAL※」が、高い保湿力で角層すみずみまで潤してくれるアルケミーシリーズのデイクリーム。みずみずしいテクスチャーで心地よくなじみ、日中の紫外線から肌を守ります。さらりとした使用感なので、暑い季節も気持ちよく使えます。
※整肌保湿成分
気になる毛穴の黒ずみを改善・予防するためには、きちんと原因を知り、それに適したスキンケア方法を実践することが必要です。
黒ずみの原因や肌質も人それぞれなので、自分に合ったスキンケア方法で黒ずみのないクリアな肌を手に入れましょう。
日本美容外科学会、日本美容皮膚科学会、日本化粧品学会所属 藤田保健衛生大学卒業。市民病院にて勤務後、大手美容クリニックにて美容外科、美容皮膚科の経験を積む。 現在はBella Beauty CLINIC理事長兼心斎橋院の院長として美容医療に携わる傍ら、美容医療に関する記事の監修も多数行っています。