動物由来の成分を使わずに作られるヴィーガンコスメは、肌への負担や刺激が少ないのが特徴です。比較されることの多いヴィーガンコスメとオーガニックコスメの定義の違いを始め、ヴィーガンコスメを使うメリット、植物由来成分を使用したおすすめのアイテムを紹介します。
強い紫外線が降り注ぐ夏を終えた秋の肌は、さまざまな刺激や乾燥で疲れ気味。丁寧なケアでいたわってあげることが必要となります。そこで、地球にも優しいオーガニックな力を使って、身体が持つ強みを生かした肌の乾燥対策をご紹介。 「ヴィーガンビューティ」を提唱する人気サロン「whyte」のスタイリスト・中島潮里さんに秋の美肌美人の秘訣をお聞きしました。
目次
「ヴィーガン・ビューティー」をコンセプトに掲げる人気美容院『whyte』のトップスタイリスト。サロンワーク以外にもサスティナブルアンバサダーとして地球に優しく美しいライフスタイルが多くの女性から好評を得る存在。Instagram:whyte_shiori
紫外線が強い夏。寒く乾燥した冬。この2つの季節に比べて、比較的安定している春や秋は、肌が安心できる季節である。そう思っている方が多いことでしょう。
しかし、秋だからこそ丁寧なケアが必要なのだと中島さんは訴えます。その原因は、一体どこにあるのでしょうか。
「秋は季節の変わり目。そして、最も激しく気温が変わる季節でもあります。秋から冬にかけてはフェードアウトしていくように寒くなっていきますが、夏から秋にかけては急に寒くなるように感じる人も多いことでしょう。
こうした急激な温度変化は、肌に一層のストレスをかけてしまうのです」
「さらに今年は、事情が特殊です。コロナ禍の影響で外出時はもちろん、会社の中で、買い物中に、さらに幼い子どもや高齢者がいるお宅では家の中でも、マスクをしなければいけない状況にある方もいらっしゃいます。マスクがこすれることで、肌には相当なストレスがかかっていることを、忘れてはいけません」
「あと、秋に飛ぶ花粉も肌を荒らす原因になるんです。
イネ科のハルガヤ、カモガヤ、オオアワガエリ、ギョウギシバ。キク科・クワ科のブタクサ、ヨモギ、カナムグラ。
また、一般にあまり知られていませんが、スギ花粉は10月頃から飛散を始めます。秋になると肌がチクチク・ヒリヒリしやすい、という人は植物アレルギーの可能性がありますね」
私たちが思っている以上に、数多くの“敵”にあふれる秋。この時期、どのようなお手入れをすることが大切なのでしょうか。
「紫外線をたっぷりと浴びてしまったお肌へのアプローチとして最適なのは、肌の奥の奥まで水分を補給してあげることです。保湿に特化した化粧水を付け、フェイスマスクを頻繁に行って水分補給を行うといいでしょう。
もちろん、普段の生活の中での紫外線ケアも忘れずに。くもりの日や室内にいるだけだとしても、紫外線ケアを怠ってはいけません。私自身もSPF50の日焼け止めを塗って、肌のケアを行うようにしています」
「ビタミンサプリを飲んだり、野菜中心の食生活で内臓を整えたり。こうしたインナーケアを行うことも、秋に大切なケアとなります。
温かい飲み物を選んで飲むようにし、体内の温度を高めるよう心掛けることも大切。私は基本的にチークをつけていないのですが、自然と赤みのある頬になるよう、身体を冷やさないようにしています。食事、飲み物、そして適度な運動。こうした“温活”が、肌にすべて影響するんです」
撮影をして驚いたのは、中島さんの肌の透明感。薄付きのメイクを施しているだけなのに、薄く美しい磁器のような、クリアな質感が際立っています。中島さんは、どのようなケアを行っているのでしょうか。
「私の普段のスキンケアは、皆さんとそこまで大きく変わることはないと思います。顔を洗ったら、ブースターオイルをつけてフェイスパック。
その後、乳液を付けて筋肉のもみほぐします。マッサージが終わったら、保湿クリームと、目元の周りにアイクリームを塗れば、肌ケアは終了。そこまで変わったことはしていません」
ここで、中島さん流のケアテクニックをご紹介。私たちの毎日のケアに取り込むために、秘訣を学んでみましょう。
基本ケア①ブースター
「ブースターを3滴ほど手に取り、手の平によくなじませてから、顔全体に優しく伸ばします。手に残ったオイルを使い、デコルテのケアも行いましょう」
基本ケア②化粧水
「化粧水を5~6プッシュ分を手に取り、ハンドプレスで顔全体に押し込むように塗布していきます。化粧水はたっぷりと使うのが効果的。肌の奥の奥まで届かせるようイメージしながら塗ってみてください」
基本ケア③乳液
「乳液は2プッシュ程度を手に取り、肌をこすらないよう上から軽く押さえ、肌に優しく馴染ませるようなイメージで顔に塗っていきます」
基本ケア④クリーム
「仕上げはクリームで。サクランボ大くらいを手に取り、こちらも顔全体に優しくまんべんなく行き届かせます」
マッサージ①目の周り
「基本ケアが終わったら今度はマッサージ。
まずは、目元から。目の周りの骨に沿って指を滑らせるようにして、優しくほぐしていきます」
「その後、眉毛の下側もマッサージ。眉頭から眉尻に向かって指を滑らせるように行いましょう」
マッサージ②頬
「続いて頬骨の周りをほぐします。まずは内側から外側に向かって、人差し指の関節を滑らせるようなイメージで行います」
「続いて、頬骨の下からギュッギュッと筋肉を引き上げるようなイメージで揉みほぐします」
マッサージ③アゴ周りその1
「2本の指先を使い、アゴ先から耳の下まで、骨に沿って流すようなイメージで軽く圧をかけながら滑らせます」
「耳下まで行ったら、アゴから流してきた老廃物を首筋に沿って流していきます」
マッサージ④アゴ周りその2
「さらにアゴ周りをマッサージしていきます。
今度は2本の指先を使い、耳下からアゴに向かうように。アゴの骨に対してジグザグに動かすようにして、筋肉をゆるめるようほぐします」
「続いて、両手を使い老廃物を全体的に首から下に流します」
マッサージ⑤仕上げ
「最後に鎖骨をなぞるようにして老廃物を流せばOK。時間にして5分ほどのマッサージですが、顔のハリが変わりますよ!」
「仕事柄、普段から口角を上げていることが多く、また食いしばりが強いので、私は顔がこりやすいんです。顔の筋肉も肩こりや腰のこりと同じで、こったまま放置してしまうと固くなってしまい、ほうれい線ができたり、ひどいときには痛みが出てしまうことも。
なので、毎日のフェイスケアに合わせて、優しくほぐしてあげることが大切です」
「クレンジングでメイクを落とした後、週2~3回の頻度でクレイパックをしています。角質ケアをすると、化粧水や美容液の沁み込み方が違ってくるんです。
ただし、角質ケアはやりすぎてしまうと肌の乾燥につながってしまうので、週2~3回でOK。私は鼻周りとおでこ周りにテカリが出やすいので、とくに念入りに行っています」
「ケアって…はっきりいって面倒くさいですよね(笑)。でも、一日でも怠ってしまうとその後やらなくなってしまいそうなので、毎日必ず行うよう心掛けています」
菜食主義に目覚めたキッカケとは、どのようなことだったのでしょうか。
「菜食主義に切り替えてから、約2年が経ちました。以前の私は、暴食とまではいかないにしても、かなり乱れた食生活だったんです。時間がなくて、コンビニエンスストアのおにぎりをつまむだけだったり、食事の代わりにお菓子を食べてしまったり。
5年前に体調を崩してしまったのですが、原因を考えた結果が食生活と睡眠だったんです。菜食主義に改善したおかげか、今は身体が軽くなったように感じますし、睡眠の質が上がり、疲れにくくなりました。ニキビなどの肌荒れも、ほとんど起きなくなりましたね」
「菜食主義になると使用する化粧品やコスメ、そしてお店で使うシャンプーやトリートメントといったものまで、オーガニックに変わりました。
なぜオーガニックなのか、どうしてオーガニックであることが大切なのか、そうしたことを調べていくうちに、工場排水や個包装によるゴミ問題など、私たちがこれまで何気なく使っていたひとつひとつのものが、すべて環境に直結していることを知ったんです。そこから、私自身の意識が大きく変わりました」
「仕事の合間を見て、海岸のごみ拾いやお店の周辺の清掃などもやっています。1時間ほどの間に、驚くくらいの量のごみが集まるんですよ。
それほどのものを、このままにしていいわけがありませんよね。海が汚れるのはもちろん、鳥や魚、その他の生き物が食べてしまい、死んでしまうこともある。そうした小さな生物たちが死んでしまうと、それらを糧にしている大きな生物にも影響が出てしまいます。ゴミを放置することは、悪循環につながってしまうんです」
「我が家には2匹の愛犬がいるんですが、朝と晩に散歩を兼ねてドッグランに行きます。往復で1時間ほどかかるけど、自分自身の運動にもなるので毎日欠かさずに出掛けるようにしているんですよ。
不思議なことに、笑顔でいられる時間が増えたように思います。愛犬に向かって話しかけたりして(笑)。でも、こうした時間のすべてが私を元気にしてくれています」
「人それぞれが持つ、自然体な個性。それがいちばん美しいと、私は考えています。
だから、自然体を引き出せるようなヘアスタイルやライフスタイルを提案したい、常日ごろからそう考えています。考え方とか性格とか、そうしたものはすべて表に出てくるもの。服やメイク、アクセサリーで飾り立てるのではなく、内面を美しく保つことが、外面の美しさを導くカギになると思うんです。
私自身も出来る限りイライラしないように、他の人に対して嫉妬したり、悪口を言ったりしないよう心掛けています。こう考えるようになったためか、パートナーともまったくケンカをしていません。誰かのことを気にして期待してしまうから、ガッカリしてストレスを感じてしまうもの。
人はすべてがつながっているもの。柔軟な思考で他人を受け入れ、ストレスを受けることなく生活するようにすれば、誰もが自然と美しくなれると信じています」
国産オーガニックブランド「メゾンレクシア」の オラクルシリーズは、濃密な植物成分を独自に処方。肌を「補う」のではなく、肌の中に秘められた力を「引き出す」スキンケアを追求し、独自に開発した処方と、濃密に配合した植物エッセンスの力で、“強く、美しい肌”へと導きます。
(写真左から)
天然クレイ配合ですっきり洗う洗顔料[エッセンシャル クレンザー]
美容液のような贅沢処方のミルククレンジング[メイクアップ リムーバー ミルク]
ピンとしたハリ肌を叶える美容液[パワー モイスチャー]
ダマスクローズウォーターで濃密にうるおう化粧水[クラリファイング トナー]
肌の恒常性を高めるパワフルなナイトクリーム[クリーム ルネサンス]
Photo_Yui Fujii(Roaster) Interview & Text_Megumi Waguri Edit_Yasushi Shinohara