【レザー職人が指南】革財布の汚れ落としに便利なアイテムを紹介!それぞれの使い方も

【レザー職人が指南】革財布の汚れ落としに便利なアイテムを紹介!それぞれの使い方も

LIFESTYLE

Mar 25, 2024

革財布を日常的に使用していると、黒ずみなどの汚れが気になってくることがあります。革は繊細な素材なので、セルフケアでのメンテナンスには注意が必要。しかし、専用アイテムをうまく活用したり、正しい手順でケアしたりすれば永く愛用できます。本記事では、革財布が汚れる原因や汚れ落としの方法、必要なアイテムなどを解説します。

PROFILE

監修者:メゾンレクシア アトリエ革職人

国内にあるメゾンレクシア(MITTACA)専用アトリエにてレザー職人として勤務(革職人歴20年以上)。すべての工程において手間暇を惜しまない丁寧なモノづくりを行っている。手がけたバッグや小物がお客様の手元に届くことを、我が子を育て送り出す気持ちで日々制作に携わっている。趣味はサッカー。社会人チームで汗を流している。

監修者:メゾンレクシア アトリエ革職人

革財布が汚れる主な原因3つ

革財布の汚れは、黒ずみやシミなどが多く見られます。まずは、革財布が汚れる原因をチェックしていきましょう。

1.手垢・油分

財布は手に触れる機会が多いアイテムです。最初は目に見えていなくても、徐々に手垢や油分が革の繊維に蓄積されていくため次第に汚れが濃くなり、黒ずみなどが現れます。手垢や油分の付着は、革財布の汚れの原因として最も多いと言えます。

2.水濡れ

革は雨など、水に濡れると油分が抜ける性質を持っています。財布の一部に水分が付着し、部分的に油分が抜けるとシミになってしまいます。また、水濡れは革の硬化などの劣化にもつながるため、注意が必要です。

3.乾燥

水濡れや皮脂による汚れは、革が乾燥している状態だとさらに起こりやすくなってしまいます。なぜならば、革は乾燥していると水分や皮脂を吸収しやすくなってしまうためです。革の油分不足はさまざまなトラブルの元。そのため、定期的に油分の補給をしてあげる必要があります。

革財布に使える汚れ落としアイテム

ここからは、革財布の汚れ落としに必要なアイテムを紹介していきます。革財布を傷めないアイテムの選び方についても解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

やわらかい布

革財布を拭くための布は、お手入れの必須アイテム。革製品用のクロスを用意できない場合は、家にある綿製品でも問題ありません。革を傷つけない、やわらかなものを選ぶようにしてください。

専用クロスではなく家にある布で代用する時は、目の粗さに注目して使い分けましょう。目が粗いものは汚れ落とし用、目の細かいものは仕上げ、艶出し用と分けるのがおすすめです。

ブラシ

ブラシは、革財布表面の汚れを落とすのに使用します。革靴や革バッグのお手入れにも使用されている、馬の毛でできたやわらかいブラシが一般的。ブラッシングは優しく、革財布を傷つけないように行うのが重要です。

革専用クリーナー

革財布の汚れが目立つ時は、専用のクリーナーがあると便利です。革専用クリーナーは量販店などで手に入るので、ぜひ探してみてください。ただし、クリーナーやクリームは革の種類によって合う・合わないがあるため、使い分ける必要があります。使いやすいものを選ぶより、財布に使われている革とクリーナーが合っているかに注目して選びましょう。

また、革はとてもデリケートな素材です。劣化を招く恐れがあるので、クリーナーの代わりに酢やアルコールを用いるのは厳禁です。

革専用クリーム

革財布のお手入れの仕上げには、艶出し用のクリームを使用します。使うことで革に油分が戻り、新品のような輝きに。仕上げ用のクリームは、アルコールやシンナーなどの有機溶剤が入っていないものを選ぶのがポイントです。

革専用消しゴム

革に付いた汚れを落としてくれる、革用の消しゴムもあると便利です。消しゴムは黒ずみや、硬貨が擦れて付いた汚れなどに効果的。消しゴムは革製品専用のものを選ぶようにしてください。メラミンスポンジは革を傷つけてしまうため、絶対に使用しないようにしましょう。

【原因別】革財布の汚れ落とし方法

付いてすぐの軽い汚れなら、正しいセルフケアで落とせる可能性があります。しかし、自分では扱いにくい革の種類であったり、汚れてから時間が経っていたりする場合には、セルフケアによって逆に製品をダメにしてしまうことも。

そのため、革の種類や状態によっては、早めにプロに任せるのをおすすめします。また、クリーニングの前には、財布の中の物をすべて取り出しておきましょう。ここからは、セルフでできる革財布の汚れ落とし方法を紹介します。

黒ずみの汚れ落とし

手垢などの軽い黒ずみ汚れは、革用クリーナーやクリームを使用すると落ちやすくなります。まずは、布で財布表面のホコリや汚れなどを落としましょう。続いてクリーナーを布に適量とり、均一に塗り拡げていきます。クリーナーが完全に乾いたら、仕上げ用のクリームを均一に塗り拡げて乾けば完了です。クリームがベタつく場合は、布で乾拭きをしてみてください。

ボールペンなどのインク汚れ落とし

インク汚れは軽いものや、付いてすぐであればセルフケアで落とせる可能性があります。カードの色移りや、ボールペンのインク汚れなどには革用消しゴムが効果的です。布で大まかな汚れを拭き取った後、消しゴムでインク汚れの部分を優しく擦ってみましょう。消しゴムのカスを綺麗に払い、クリーナーとクリームでお手入れして完了です。消しゴムで汚れがすべて取れた場合は、クリーナーを省いても問題ありません。

ただし、インク汚れは時間が経っている場合や、白い革など革の種類によっては、プロでも落とすのが難しい場合があります。判断に迷った時は、早めにプロに見てもらうのがおすすめです。

シミの汚れ落とし

雨などの水濡れによるシミ汚れは、革に油分を補給してあげると解決することが多いです。クリーナーや消しゴムは使用せず、布で汚れを拭き取った後にクリームでうるおいを補給してみましょう。

シミをどうにかしようと水で濡らすと、逆にシミを広げてしまい危険です。インク汚れなどと同様に、シミを発見した時は早めにプロにお任せするのが安心です。

革財布の汚れを予防する方法

革財布は汚れを防止しておけば、より永く愛用できます。汚れてしまった後の対処法を知っておくことは大切ですが、汚れを付けない方法を知っておくことで、製品の汚れを最小限にできるのです。ここからは、手軽にできる汚れの予防方法を解説します。

物を入れすぎない

小銭やカードなどを詰め込みすぎていると、擦れによる汚れや型崩れが起こりやすくなります。変形や革の劣化を防ぐためにも、革財布がパンパンになるまで物を詰め込まないように注意しましょう。小銭やカードが多い場合は、コインケースやカードケースに分けて持っておくのがおすすめです。

使用後に軽く拭き取る

日常的に使用する財布は、毎日お手入れしてあげるのが理想的。使用後にやわらかい布でサッと乾拭きするだけでも、汚れの蓄積が抑えられます。1分程度で簡単に終わるお手入れなので、帰宅後の習慣にしてみてはいかがでしょうか。財布置き場のスペースをつくり、お手入れ用の布を一緒に置いておくと手間と感じにくくなります。

防水スプレーを使用する

革の大敵は、水濡れと言っても過言ではありません。シミや水ぶくれ、カビの原因となるので、革財布は水に濡れないように注意して扱うのが基本です。万が一濡れてしまった時はすぐに水気を拭きとり、形を整えます。

また、革財布を水濡れから守るには、防水スプレーの使用がおすすめです。防水スプレーは、アルコールが入っていない、粒子が細かいフッ素タイプのものを選ぶのがポイント。革の繊維をコーティングして、水濡れから守ってくれます。

ただし、革の種類によっては防水スプレーが使えない、またはクリームなどとの使い分けが必要なものもあるので、選ぶ時はスプレーの表記や革の種類をしっかりと確認しておきましょう。

革財布は汚れ落としをすることでより永く愛用できる

革財布の汚れ落としは、必要なアイテムなどを揃えておけば、気になった時にすぐに取りかかれます。とはいえ、間違ったセルフケアは、革財布にトラブルを起こしかねません。迷った時はなるべく早くプロにお任せするのも、革財布のケアと言えるでしょう。お気に入りの革製品を永く愛用して、革のエイジングも楽しんでみてくださいね。