いま話題の希少植物ヤチヤナギとは?そのすごい美容効果を、研究者に聞いた

いま話題の希少植物ヤチヤナギとは?そのすごい美容効果を、研究者に聞いた

BEAUTY

Oct 27, 2023

ヤチヤナギは、日本では主に国立公園やラムサール条約湿地にしか自生していない、非常に希少な植物です。ビールの原料に使われることもありますが、実は優れた美容効果があるとして注目を集めています。ヤチヤナギの植物としての特徴や、スキンケアで期待できる美容効果について紹介します。

目次

  1. ヤチヤナギとは?植物の特徴・分布・用途
    1. 特徴:ヤマモモ科の落葉小低木
    2. 分布:湿地や湿原で育つ
    3. 用途:香り豊かで抗菌力に優れたハーブとして珍重
  2. 高い抗酸化力&リラックス効果!ヤチヤナギが秘める美容パワー
    1. ヤチヤナギに豊富に含まれるポリフェノールとは?
    2. ポリフェノールの美容効果① 美肌
    3. ポリフェノールの美容効果② 美白
    4. ヤチヤナギはポリフェノールが豊富
    5. ヤチヤナギは抗酸化力に優れた植物
  3. ヤチヤナギを主役に続く、メゾンレクシアの研究
    1. 約20年前にヤチヤナギの育成・研究をスタート
    2. 自社農園でヤチヤナギを育成、守り続ける
    3. 日本初(※1)、メゾンレクシアだけの化粧品原料
  4. いまだ未知なるパワーを秘める、ヤチヤナギ

PROFILE

加島 英嗣

‘13年メゾンレクシア(株)入社。各種化粧品を製造する部門を担当後、豊富な製造知識を生かし研究開発へ異動。現在は研究開発部門のリーダーとして活躍中。自身が幼少期から敏感肌だったこともあり、学生時代からスキンケアや日焼け対策を欠かさなかったという美容男子の一面も。

加島 英嗣

ヤチヤナギとは?植物の特徴・分布・用途

イキイキとしたヤチヤナギ

まずは見た目や香り、分布地など、ヤチヤナギの植物としての特徴を紹介します。

特徴:ヤマモモ科の落葉小低木

ヤチヤナギはヤマモモ科の落葉小低木で、樹高は30~60センチほど。黒褐色の枝の先にある葉は2~7センチで、葉先が広がったレインドロップのような形をしています。花は茶色であまり目立ちません。実はビールに使用するホップに似た形状です。

なお、ヤチヤナギには“ヤナギ”という名前が付いていますが、柳の仲間ではありません。葉が柳に似ていて、湿地を表す谷地(やち)に自生することから“ヤチヤナギ”と名付けられました。

分布:湿地や湿原で育つ

ヤチヤナギは、寒冷地域の湿地に多く自生しています。主にヨーロッパ、北東アジア、北米の寒冷湿地、東シベリア、朝鮮半島、カムチャツカなどの高層湿原に分布していて、日本では北海道や本州などに自生しています。自生地の多くは主に国立公園やラムサール条約湿地など、保護区に指定されている場所です。ただし、近年は湿地帯が減少しているため、ヤチヤナギは絶滅の危機に瀕しています。

用途:香り豊かで抗菌力に優れたハーブとして珍重

ヤチヤナギの枝や葉にはウッディで薬草のような豊かな香りがあり、優れたリラックス効果があるとされています。また、高い抗菌力や抗酸化力に優れたハーブとして珍重されてきた歴史を持ち、中世ヨーロッパ時代から料理やお酒の香りづけ、肉の臭み消しなどに使われてきました。

現在でも、デンマークやオランダなどではヤチヤナギをビールやリキュール、スピリッツなどの香りづけに使用しており、日本においても、ヤチヤナギを使ったビールの製造・販売に用いられているようです。

<参考文献>
『新訂 原色牧野和漢薬草大図鑑』(岡田稔 新訂監修・三橋博 旧版監修/北野館)
『ヤチヤナギの芳香成分に関する研究』(中田真悠子/東京農業大学 博士論文)

高い抗酸化力&リラックス効果!ヤチヤナギが秘める美容パワー

鏡を見る女性

植物の力を贅沢に活かした独自処方の化粧品を展開するメゾンレクシアは、20年以上も前からヤチヤナギの美容効果に着目。大学や専門機関とともに、自社ファームでの育成・研究を重ね、ヤチヤナギには抗酸化力に優れたポリフェノールなどの美容成分が豊富に含まれていることを明らかにしました。ここでは、ヤチヤナギに含まれるポリフェノールなどの美容成分に期待できる効果を紹介します。

ヤチヤナギに豊富に含まれるポリフェノールとは?

ポリフェノールは、植物の葉や皮、実などに含まれる苦みや色素の成分です。植物が紫外線や虫などの外部攻撃から身を守るために存在していて、ヤチヤナギを始めとする多くの植物がポリフェノールを含んでいます。

ポリフェノールには構造の違いから多様な種類があり、自然界に5,000~8,000種類あると言われています。有名なのは緑茶に含まれるカテキン、大豆に含まれるイソフラボン、ブルーベリーに含まれるアントシアニンなどです。ポリフェノールの代表的な効果は抗酸化作用で、エイジングケア効果があるとされています。

ポリフェノールの美容効果① 美肌

ポリフェノールには、肌のキメを整える効果が期待できます。加齢や紫外線によって活性酸素が増えると肌は酸化します。肌の酸化は肌の弾力を保つコラーゲンやエラスチンを減少・変性させ、シワやたるみを引き起こすやっかいなもの。抗酸化作用によって肌の酸化を防ぐポリフェノールは、美しい肌の保持に欠かせない重要な成分です。

ポリフェノールの美容効果② 美白

ポリフェノールは美白効果も期待できる成分です。色素沈着やシミの発生はメラニン色素が原因で、メラニンの生成にはチロシナーゼという酵素が関わっています。

ポリフェノールの一種であるエラグ酸は、ポリフェノールの中でも特に強い抗酸化力を持っており、チロシナーゼの活性化を抑制する働きがあります。エラグ酸がメラニン色素の発生を抑えるため、日焼けによる色素沈着やシミを予防する効果が期待できるというわけです。1996年、エラグ酸は美白に有効な成分だと国に承認され、医薬部外品の化粧品に表示することが許可されました。

ヤチヤナギはポリフェノールが豊富

メゾンレクシアの研究結果

メゾンレクシアの研究結果では、ヤチヤナギ全草に含まれるポリフェノールの量はレーズンの約30倍もあることが判明しています。さらに葉の部分だけで、美白効果のあるエラグ酸は緑茶葉の約20倍、抗炎症作用のあるミリセチンも緑茶葉の約20倍含まれていることが判明しました。ミリセチンはフラボノイド系ポリフェノールの一種で、エラグ酸と同じように抗酸化作用を持つ成分です。

※日本食品分析センターにて測定した定量値を、メゾンレクシアにて比較(ポリフェノール、エラグ酸、ミリセチン)

ヤチヤナギは抗酸化力に優れた植物

メゾンレクシアはヤチヤナギをエキス化することで、どの程度の抗酸化能力が期待できるかも調査しています。ポリフェノールが多く含まれていることで有名な赤ワイン(一般市販品)と比較して、抗酸化試験(SOD様活性、過酸化脂質生成抑制)を実施しました。

メゾンレクシアの研究結果

その結果、SOD様活性は赤ワインの2.9倍、過酸化脂質生成抑制は赤ワインの約4.7倍と、ヤチヤナギエキスにはそれらの何倍もの抗酸化力があることが確認できたのです。

※(株)きれいテストラボにて実施した抗酸化試験(SOD様活性、過酸化脂質生成抑制)の結果を、メゾンレクシアにて比較検証

ヤチヤナギを主役に続く、メゾンレクシアの研究

ヤチヤナギを使った化粧品原料は、2003年にメゾンレクシアが日本で初めて開発しました。ヤチヤナギとともに20年以上続く、業界の常識にとらわれないメゾンレクシアだけのサイエンスを紹介します。

※ヤチヤナギエキス、ヤチヤナギ葉水を日本で初めて表示名称に登録

約20年前にヤチヤナギの育成・研究をスタート

メゾンレクシアが目指したのは、肌表面への一時的な効果ではなく、肌本来のすこやかさと美しさを育むスキンケア開発です。そのために植物を専門とするコンポーザー(成分・処方開発者)が、約20年前に着目したのが、絶滅危惧種のヤチヤナギでした。

しかし、当時ヤチヤナギは日本では全くなじみのない植物で、国立公園やラムサール条約湿地など限られた場所にひっそりと自生するだけでした。メゾンレクシアのコンポーザーが半年以上かけ、やっとの思いで入手できたのがヤチヤナギの「小枝1本」。そこからヤチヤナギの育成と研究、そして処方開発が始まりました。

自社農園でヤチヤナギを育成、守り続ける

ヤチヤナギを育てる栽培士

メゾンレクシアは、北海道旭川に自社農園「ルナ・ファーム」を約20年前に開設。ヤチヤナギやヒマワリ、自生するシラカバ、クマザサなど、化粧品に使用する濃密なエキスの原料となる多種多様な植物を育てています。

とくにヤチヤナギは、最初に手に入れた小枝1本をもとに、自社農園での栽培をスタート。温暖化による乾燥や根腐れ、動物被害など、生育は困難を極めましたが、栽培士の手によって育成に成功します。

365日愛情を注ぎ、収穫までに7年かけて大切に育てるヤチヤナギ。今では1万5千株を優に超え、農園には広大なヤチヤナギ畑が広がっています。高いリラクゼーション効果があるとされるヤチヤナギの芳香に誘われ、野生のシカが畑の小道でねそべっていることも。絶滅危惧種であるヤチヤナギのここまで広大な畑を持つのは、メゾンレクシアだけです。

大切に育てて数を増やし、植物エキスを抽出した後のヤチヤナギの搾りかすは、畑の肥料にして循環させています。「SDGs」「サステナブル」という言葉が身近になるずっと前から、メゾンレクシアは自然と共存してきました。

日本初(※1)、メゾンレクシアだけの化粧品原料

ヤチヤナギの育成と研究、原料化を進めてきたメゾンレクシア。2003年、ヤチヤナギを使った化粧品原料を日本で初めて※1開発しました。ヤチヤナギから「ヤチヤナギエキス※2」「ヤチヤナギ葉水※2」「ヤチヤナギオイル※3」を抽出し、最初のスキンケアラインである「オラクル」に配合。2013年に誕生したスキンケアライン「アルケミー」の主成分、酵母発酵エキスVEGAL[ベガル®]*にも、ヤチヤナギのパワーが活かされています。

メゾンレクシアは約20年の間、肌本来の美しさを引き出す最上級の品質、原料開発を追求し、大学やさまざまな専門機関と共同開発を続けてきました。今までの経験や知識と、進化したテクノロジーの融合による、“メゾンレクシアだけのサイエンス”はこれからも続きます。

※1 ヤチヤナギエキス、ヤチヤナギ葉水を日本で初めて表示名称に登録
※2 整肌成分
※3 整肌成分(ヤチヤナギエキス、ヒマワリ種子油)
*整肌保湿成分

いまだ未知なるパワーを秘める、ヤチヤナギ

メゾンレクシアの農園で育てられたヤチヤナギ

世界的に、香り豊かなハーブとして珍重されてきたヤチヤナギ。現在は日本でもわずかに自生していますが、絶滅の危機にあり、大切にしていくべき存在と言えます。メゾンレクシアの研究データも示すヤチヤナギの持つ美肌効果と、さらなる可能性に、今高い注目が集まっています。理想的なエイジングケアを叶えるために、ヤチヤナギ配合のスキンケアアイテムをチェックしてみてはいかがでしょうか。

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