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監修者:メゾンレクシア フレグランスプランナー(英国国際アロマセラピスト資格保有)
2~3種類の香水を付けて香りの組み合わせを楽しむことを、香水の重ね付けと呼びます。香りの纏い方次第で、なりたいイメージを演出したり、気分を変えたりすることができます。香水の重ね付けとはどのようなものか、付け方や選び方などを紹介します。
目次
監修者:メゾンレクシア フレグランスプランナー(英国国際アロマセラピスト資格保有)
1種類だけではなく複数の香水を使って香りを楽しむことを、香水の「重ね付け」や「フレグランスペアリング」と呼びます。重ね付けすることで、単体使いよりも奥深く個性的な香りを楽しめるでしょう。香水の重ね付けの意味とメリットを紹介します。
香水の重ね付けとは、2〜3種類の香水を使用して複数の香りを纏うこと。香りの世界では「フレグランスペアリング」「レイヤー使い」「レイヤリング」とも呼ばれています。体の異なる部位に違った香りを付けることで、立ち上った香りが混じり合い、奥行きのある印象的な香りを生み出せます。
まるでオーダーメイドしたかのように、自分だけの新しい香りを生み出せるのが重ね付けの大きなメリット。甘さの後にスパイシーさをプラスしたり、爽やかさとセクシーさを共存させたり……。
ファッションを楽しむように、気分やなりたいイメージに合わせて香りをコーディネートすることも可能です。いつもと違った香りを楽しみたい人や、自分らしさを表現したい人は、香水の重ね付けに挑戦してみてはいかがでしょうか。
香水の重ね付けをする時は、同じブランドのものや似た香りなど、調和性・親和性の高いものを合わせるのはもちろんですが、系統の違う香りを補い合うように組み合わせるのもおすすめです。重ね付けをする際の香水の選び方を見ていきましょう。
同じブランドの香水なら、異なる香りでも調香の組み立て方やコンセプトに何らかの共通点がある場合が多く、調和しやすい傾向があります。とくに重ね付けを推奨しているブランドのものは挑戦しやすいでしょう。
また、調香師によって使う香料や組み合わせ方に特徴があるので、同じ調香師がつくったものから選ぶのもおすすめです。
同じ香料を使っている香水同士は、なじみが良いので香りがまとまりやすいでしょう。ベースの香料が同じものを選ぶのがポイントです。
シトラス系のオレンジやベルガモット、ウッディ系のシダーウッドとサンダルウッドのように、同じ系統の香料が使われている香水も重ね付けに向いています。
重ね付けに慣れてきたら、シトラス系とウッディ系、フローラル系とスパイシー系など、あえて異なる系統の香りの組み合わせに挑戦してみては。異なる系統の香りを組み合わせることで、斬新で印象的な香りを生み出せます。
ただし難易度が上がるので、いくつか試して香りの相性をしっかりと確かめましょう。
重ね付けのやり方の基本は、異なる部位に付けること。さらに、香りの重さで付ける部位を決めるのもポイントです。自然に香る付け方を紹介するので、ぜひ挑戦してみてください。
香水の重ね付けは体の同じ場所ではなく、それぞれ異なる部位に付けるのがおすすめ。同じ部位に重ねると、片方の香りが打ち消されてしまう場合があるためです。とくに下半身と上半身に分けて付けると、動くたびに下からふわりと立ち上るような香りのマリアージュが楽しめます。
香りの重さで付ける部位を決めてみましょう。浅くライトな香りは上半身に、深く重厚感のある香りは下半身に付けるようにするとバランスがとりやすいです。
香水は体温が高いほど広がりやすいので、浅めの香りをうなじや手首などの上半身に付けることで、しっかりと香りを引き出せます。反対に、体温の低い足首や膝裏などの下半身に深い香りを付けると、主張しすぎることなく調和のとれた香りの層を生み出せます。
付ける順番は、深い香りが先で、浅い香りが後です。浅い香りから付けると、後から付ける深い香りに負けてしまうことがあるので注意しましょう。
香水の付け方は、直接肌に吹きかけるのではなく、自分の周りに吹きかけてさっとくぐり抜けて纏ったり、スカートの中にふわっと香らせたりするといった方法も。また、ベースの香りを肌に付けた後に他の香水を吹きかけたコットンを胸元や洋服の内ポケットに忍ばせると、自身だけで香りのマリアージュを楽しめます。
香りの持続時間が、オードパルファムやオードトワレといった種類によって異なる特性を活かし、時間差で重ね付けするテクニックもあります。種類ごとの香りの持続時間は下記の通りです。
種類 | 持続時間 |
---|---|
パルファム | 5〜7時間 |
オードパルファム | 5時間前後 |
オードトワレ | 3~4時間 |
オーデコロン | 1~2時間 |
日本で販売されている香水の多くはオードパルファムかオードトワレなので、時間差を利用する場合は、最初に付けてから5時間程度空けると良いでしょう。例えば朝は仕事向きの爽やかな香り、仕事終わりは華やかな香りなど、シーンに合わせた時間差の重ね付けを楽しんでみてはいかがでしょうか。
香水の種類にもよりますが、重ね付けする際の量は1ヵ所に付き1プッシュが基本です。オーデコロンの場合は香りが控えめな場合が多いので、様子を見ながら2~3プッシュしても問題ないでしょう。
なお、香水は自分が思っているよりも強く香ることがあるので、付けすぎにはくれぐれも注意を。ほのかに感じる程度に留めると上品な印象を与えられます。
2024年3月、メゾンレクシアのフレグランスがリニューアル新発売。繊細で複雑な香りの魅力を感じていただけるよう調香を再構築し、ボトルデザインも一新。新作「セレンディピティ レイ」を含む、個性豊かなオードパルファムが誕生しました。
メゾンレクシアのフレグランスは、花や草木、果実などから得られる稀少な天然香料に、パフューマーの智恵と技術を調和させた、柔らかく奥深い“心を美しくする”香りが魅力です。
日本では、欧米のように幼いころから香りに親しむ文化がないので、香水の重ね付けをどう楽しめば良いのかよくわからない人も多いでしょう。
メゾンレクシアのフレグランスは重ね付け用に調香されたものではなく、1品で香りをしっかりと構築させています。しかし「香水を、より自由に楽しんでほしい」という想いから、今回、フレグランスプランナーおすすめの組み合わせをご紹介。持ち運びにぴったりの10mLサイズもあるので、より自由に自分らしく、シーンや気分に合わせて、香りのレイヤリングを楽しんでみてはいかがでしょう。
新登場の可憐な「セレンディピティ レイ」と爽やかな「ジンズ ウインド」の組み合わせ。共通するサンダルウッドとピンクペッパーの香りが華やかに調和し、可愛らしくなりすぎず、より上品な甘さを楽しめます。
セレンディピティ レイ
「セレンディピティ レイ」は、心ときめく出会いや偶然に訪れる幸運など、人生の喜びを色とりどりの果実と花々で鮮やかに描き出すオードパルファム。ピンクペッパーを利かせたシトラスに甘酸っぱいベリーとプラム、可憐なフリージアが調和する、希望に満ちた香りです。
ジンズ ウインド
「ジンズ ウインド」は、普遍的な愛を意味する、儒教の「仁」に由来するオードパルファム。爽やかな風を運ぶフレッシュな柑橘にローズが美しく調和し、針葉樹のグリーンと神聖な香木が香りに奥行きを与えます。
初夏にぴったりの爽やかな組み合わせ。「ヴァーダント」のグリーンフローラルに、柑橘系のフレッシュな「ビガラディエ」がみずみずしく調和し、より軽やかな印象に。やわらかな余韻が心地よく広がります。
ヴァーダント
「ヴァーダント」は、光を浴びて力強く芽吹く、生命の輝きを思わせるオードパルファム。軽快なシトラスにミュゲ、ハニーサックルが甘さを添え、いきいきとした爽やかさの奥でやわらかな余韻が漂います。
ビガラディエ
「ビガラディエ」は、南仏の旅で出会った絵画のような情景を香りで描いた清々しいオードパルファムです。ビターオレンジの木から採れる多彩な香料を調香し、爽やかで甘美な表情の中にフローラルの余韻が広がります。
甘くパウダリーな「パス トゥ エレガンス」に、「エッセンス オブ ザ サン」の柑橘とローズが調和。ローズのフレッシュさとフローラル感が際立ち、より華やかなフローラルブーケに。
パス トゥ エレガンス
「パス トゥ エレガンス」は、フェミニンでありながらも天真爛漫で、芯の強さと陽気さに溢れつつも慎ましい、多面的な女性の魅力を感じさせるオードパルファム。弾けるシトラスに華やかなフレッシュローズ、甘くパウダリーなスウィートムスクがやわらかく溶け合います。
エッセンス オブ ザ サン
「エッセンス オブ ザ サン」は、降り注ぐ陽光、しなやかな花をイメージさせるオードパルファム。ネロリなどのフレッシュなシトラスノートに繊細な甘さのローズやジャスミンが重なり、気品ある印象に。ラストはアンバーな香りが温かく包み込み、やわらかな個性を描きます。
香水の重ね付けは、他の人と被らない奥深く立体的な香りを生み出せるのが魅力。難しそうに感じますが、香りの相性や付け方のポイントを押さえれば誰でも楽しめます。ファッションやヘアスタイルのように、香りでイメージチェンジをしてみてはいかがでしょうか。
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某航空会社の地上係員として、国内・国際担当15年。部下のメンタルヘルスケアをする中で、ストレスコントロールとしてアロマ・ハーブの大切さを実感。アロマ&オーガニックスキンケアの店舗、アロマレッスンを通して、5,000人以上の肌と心のカウンセリングを実施してきた。人生において欠かせないのは、花と植物、そして香り。