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監修者:メゾンレクシア 調香師
スパイシー系香水は少し刺激的で、大人っぽさやエキゾチックな魅力を演出してくれる香りです。原料は香辛料や生薬として使われることが多い点も特徴的。本記事では、スパイシー系香水の特徴や代表的な香料の他、上手な付け方や香水以外で香りを楽しめるおすすめアイテムを紹介します。
目次
監修者:メゾンレクシア 調香師
スパイシー系の香水は、料理に使われる香辛料のような刺激的な香りが魅力。まずは、スパイシー系の香りとはどのようなものか、特徴や印象を紹介します。
香水の原料となる香料には、フローラルやグリーンなど複数の種類があります。類似した香りを持つ香料は分類され、フローラルノート、グリーンノートといったように、「種類+ノート」で呼ばれます。スパイシーノートもそのうちの一つ。その名の通り、ブラックペッパーやコリアンダーなど、香辛料のような刺激的な香りのものが分類されています。
スパイシーノートからは、ピリリとした刺激がある強めの香りを感じられます。香りは「料理にも使われる香辛料のよう」と例えると、どんな匂いかイメージしやすいでしょう。
スパイシーノートはアクセントにも適しており、フローラルノートやウッディノートなど、定番の香りと組み合わせられることも多いです。香りに奥深さを加えてくれるため、正にスパイシーという言葉がふさわしいと言えます。
スパイシーノートは、メンズ、レディースどちらの香水にも使用されています。メンズ香水の場合は力強さやキレ、野性的な印象を与えます。レディース香水の場合は強く凛とした大人っぽさや、エキゾチックな魅力を演出してくれます。
スパイシーノートの香料には、さまざまなものがあります。ここからは、代表的な香料の特徴をチェックしていきましょう。
ブラックペッパーは香辛料の定番とも言える存在で、原産地はインドです。歴史は非常に長く、3,000年以上も昔のインドの医学書にも、ブラックペッパーを用いていた記述が見られます。
精油はペッパーの果実を粉砕し、水蒸気蒸留することで得られます。香りの強さは中~強。ピリッとした刺激のある香りを感じられます。なお、ブラックペッパーの精油は皮膚刺激があるため、肌への直接塗布は避けましょう。
コリアンダーはセリ科に属し、主に中国や東南アジア、中南米で食用にされている植物です。タイではパクチー、中国では香菜(チャンツァイ)と呼ばれています。
コリアンダーの精油は種子から抽出されます。スパイシーさの中に、香草のようなスッキリとした印象を持った香りが特徴です。
カルダモンはショウガ科の植物で、和名は「ショウズク」です。果皮が丸みをおびた「マイソール」、果皮が長い「マラバル」、スリランカ土着の「セイロン」の3タイプに大別されます。
カルダモンの原産地はインドとスリランカです。紀元前2世紀頃には既にインドからヨーロッパへ運ばれ、スパイスとして用いられていました。また、古代ギリシア・エジプトの時代から、消化器系の薬として重宝されてきた歴史も。
精油は草実から抽出され、シトラスのようなフレッシュ感の後にウッディー、スパイシー、そして柔らかな甘さを感じる香りを楽しめます。
クローブはフトモモ科の植物です。感染症予防などに使われた歴史を持ち、中世ヨーロッパでは非常に高価な植物でした。
名前の由来は「釘」を意味するラテン語の言葉から来ています。釘が由来しているのは、クローブの花蕾が釘のような形をしているから。中国では釘を意味する「丁香」や「丁字」の文字があてられており、ヨーロッパでもフランス語で釘を意味する「Clou」と呼ばれています。また、英語の「Clove」もこれに由来しているそうです。
クローブは花蕾・花茎・葉や小枝から精油が得られ、葉から抽出されたものは「クローブリーフ」と呼ばれます。花のような甘さの中に、薬っぽさを感じられる香りが特徴的です。ブラックペッパー同様、クローブの精油にも皮膚刺激があるため、肌への直接塗布は避けてください。
シナモンは中国やギリシャで生薬として使用されてきた歴史を持っています。また、寺院の香としても用いられてきました。生薬や香の世界では、桂皮(けいひ)とも呼ばれています。
クスノキ科のシナモンは樹皮、チップ、葉など、部位ごとに特徴の異なる精油が得られるのが特徴です。甘く、個性的で温かみのある香りを楽しめます。同じ成分が含まれているため、クローブに似ていると表現されることもあります。
スパイシー系香水を適切に付けられれば、魅力がより一層増すでしょう。ここからは香水を付ける際のポイントを紹介していくので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
強い香りを苦手と感じる人もいるため、香水の付けすぎには注意しましょう。スパイシー系の香りは強めに香りやすいため、使用する量は少なめがおすすめです。
また、香水は種類によっても香りの強さが変わります。香りの強さと持続性は、オーデコロン、オードトワレ、オードパルファム、パルファムの順で高くなっていきます。香水の種類に合わせた付け方を意識すると、香りと上手に付き合えるでしょう。
香水は付け始めに強く香る性質を持っています。30分ほど経過すると香水の主役となるミドルノートが香り始めるため、付けた直後に出かけるのではなく、出かける30分前に付けておくのがおすすめ。特にスパイシー系の香水や、甘さが強い香水はこの付け方が適しています。
どんな香りかを試す時は、ムエットやボトルの香りを嗅ぐだけではなく、肌にのせるようにしましょう。これは、スパイシー系の香水に限ったことではありません。
香水は個人の体温や肌の香りの影響を受けます。そのため、ムエットや容器に入ったものと、肌にのせたものでは香りの立ち上がり方や表情が異なります。イメージ通りの香りか確認したい場合は、直接肌に付けて試してみてくださいね。
スパイシーノートは香水以外でも楽しめます。ここでは、手軽に取り入れられるものを紹介。まずは香水以外で試してみたいという時に、取り入れてみてはいかがでしょうか。
最近では、香水のような華やかな香りを纏えるシャンプーが増えています。フレグランスシャンプーと呼ばれる、香りにこだわった製品もよく見られるようになりました。トップノートからミドルノートといったように、香水の香りの移り変わりを意識したものも存在します。強すぎず、優しく自然に香るのがシャンプーとトリートメントの魅力と言えるでしょう。
リードディフューザーやアロマミストなど、部屋に心地よい香りを拡散してくれるルームフレグランスも人気です。スパイシー系の香りも多く揃っています。また、スパイシーノートの精油をルームフレグランスとして使うのもおすすめ。温かみを感じられる香りが多いため、秋冬に使うと空間に温もりを演出できます。
メゾンレクシアでも、スパイシーな香りを楽しめるアイテムを展開しています。心身をリラックスさせてくれる、おすすめのアイテムを紹介します。
「プレイフルエッセンス」は、頭皮とボディの両方に使える、新発想のスカルプエイジングケア※トリートメントです。ヘアトリートメント代わりに使える洗い流すタイプのなめらかなクリームで、厳選植物の有用成分が頭皮環境を整え、年齢や環境によるヘアトラブルを防ぎます。
※年齢に応じたお手入れ
また頭皮やボディのマッサージに使えば、血行促進効果や肌のハリ感UPも期待できます。森林浴をしているかのような深いリラックス感をもたらす、ウッディスパイシーの香りが魅力です。
「アルガンオイル」として注目されるアルガニアスピノサ核油を始めとする、濃密な植物成分を配合したヘアオイル。髪を軽やかにまとめながらツヤとうるおいを与え、摩擦や乾燥などのダメージから守ってくれます。爽やかなシトラスにマジョラム、ベチバーをブレンドしたスパイシーで温かみのある香りが、気分をリラックスさせてくれるでしょう。
スパイシー系の香水は、強く凛とした大人っぽさを演出したい時に特におすすめ。強さだけではなく温もりも感じられるので、キツい印象になる心配もありません。香水やその他のアイテムで、スパイシーノートの香りを楽しんでみてくださいね。
※引用文献「香りの百科」日本香料協会
みずみずしい生命力にあふれる植物の“香気”を、肌と心にまっすぐ届けるメゾンレクシアの調香師。纏う人の心を満たし日常を鮮やかに彩る“香りのアート”を描くために。繊細で複雑な香料のわずかなコンディションの違いを読み取り、フレグランスはもとより、スキンケア&メイクアップタイムを優雅なひとときへと昇華させる香りを紡ぎだしている。