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川﨑 加織 先生
乾燥肌の人がベースメイクをキレイに仕上げたい場合には、メイク前のスキンケアによる保湿はもちろん、ベースメイクも保湿重視で行うことが大切です。この記事では、乾燥肌向けのベースメイクアイテムの選び方やメイク時のコツ、おすすめのアイテムを紹介します。
目次
ファンデーションを塗った時に粉を吹く、カサカサに見えるなど、乾燥肌でベースメイクが上手くのらない場合には、次のような原因が考えられます。
空気の乾燥や年齢による皮脂量の減少、紫外線などの影響で肌のバリア機能が低下すると肌の乾燥が進行します。乾燥している肌は表面が凸凹でファンデーションなどが馴染みにくいため、ベースメイクがキレイに仕上がりません。
乾燥肌に適したベースメイクができていないと、メイク後のカサつきや粉吹きが目立ちやすくなります。乾燥肌の人は、保湿重視の下地とファンデーションを使用するのがおすすめ。乾燥肌の人に向けた、ベースメイクアイテムの選び方はこの後詳しく紹介していきます。
乾燥肌の人が使うベースメイクアイテムは、保湿成分が配合されたものを選びましょう。加えてキープ力も高いものを選べば、ツヤやかで美しい仕上がりが続くでしょう。
乾燥肌の人がベースメイクアイテムを選ぶ際は、保湿成分の有無に着目してください。セラミドやヒアルロン酸、コラーゲンなどの保湿成分が入ったアイテムを選び、メイクの際にも肌にうるおいを与えましょう。
また、乾燥肌のメイク崩れでよく見られるのが、ファンデーションがよれてメイクが割れてしまい、ほうれい線などのシワ※が目立ってしまうこと。ツヤやかなメイクを長時間キープするためにも、汗や皮脂に強く、密着力が高いアイテムを選ぶのが大切です。
※乾燥による
美容成分が配合されているベースメイクアイテムを使うと、メイクをしている間も肌を守ってくれます。
美容成分にはさまざまな種類がありますが、乾燥が気になる場合はセラミド・ヒアルロン酸・コラーゲン、紫外線が気になる場合はトラネキサム酸・カミツレ花エキス、エイジングケア※が気になる場合はプラセンタが含まれているものを選ぶと良いでしょう。
また、植物由来の美容成分が入っているアイテムも、メイクをしながらのスキンケア効果が期待できるため人気です。最近は「美容液ファンデーション」というジャンルも登場し、美容成分配合のベースメイクアイテムの注目度が上がっています。
※ 年齢に応じたお手入れ
ここでは、乾燥肌の人がベースメイクを簡単にキレイに仕上げる、5つのポイントを紹介します。ぜひ、このポイントを押さえて美しく仕上げましょう。
乾燥してカサカサの肌にそのままファンデーションを塗ると、毛羽立っているように見えてしまいます。そのため、まずはスキンケアでしっかりと保湿をしましょう。
化粧水と乳液、クリーム、シートマスクなどで顔全体をしっかりと保湿します。部分的に乾燥が気になる箇所には、クリームを重ね塗りして仕上げましょう。クリームを塗った後は、手のひらで顔全体を軽く押さえ、余分な油分を落ち着かせてから、ベースメイクを始めます。
乾燥が気になる人は、保湿成分が配合された化粧下地を選びましょう。また、テクスチャーは柔らかいものを選ぶと乾燥肌でも肌なじみが良いでしょう。
化粧下地を塗る時は、まず適量を手に取り、額、鼻、両頬、あごの5ヵ所に置きます。顔の内側から外側に向かってやさしく広げ、フェイスラインや目元、小鼻周りなど、すみずみまでなじませてください。小鼻周り、あご先などはよれやすいため、つけすぎには注意が必要です。仕上げにハンドプレスを行い、肌になじませます。
濃密な植物成分が肌をうるおいで満たし、いきいきとしたハリ、上質なツヤをプラスする化粧下地。メイクのりを良くし、美しい仕上がりが持続します。
スポンジ・パフと肌の間に摩擦が起こると、肌に刺激を与えてしまいます。そのため、スポンジ・パフは肌あたりの柔らかいものを選びましょう。また、スポンジ・パフが汚れたままだと、雑菌が繁殖して肌に悪影響を与えることがあります。スポンジ・パフはこまめに洗うか、予備を用意しておくことをおすすめします。
ファンデーションを塗る時に、たたき込むようにしたり、こすったりすると肌に刺激を与えてしまいます。リキッドファンデーションは指を使って塗り、仕上げにだけスポンジを使う方法がおすすめです。小鼻や目元など、細かい部分はスポンジでそっと押さえておくと、メイクがよれずに、崩れにくくなります。
パウダーファンデーションの場合は、スポンジを肌に置くようにやさしくつけましょう。スポンジではなくパフを使うのも良い方法です。パフで軽く押さえるようにつけると、肌に負担をかけにくい上、広い範囲を一度で仕上げられます。
よく動く目元や口元などは、ファンデーションを厚塗りすると崩れやすいため、薄めに仕上げるのがポイントです。化粧崩れを起こすとシワ※にファンデーションが入り込み、目立ちやすくなります。
※乾燥による
フェイスパウダーを使うことで、化粧崩れを抑えられます。パウダー自体に保湿効果があるものや、うるおいコーティングされているフェイスパウダーをベースメイクの最後にのせれば、メイク崩れしにくく、肌をうるおいで守れます。
また、化粧直し用としてポーチにもフェイスパウダーを入れておくと良いでしょう。
SNSでも話題のメゾンレクシアのフェイスパウダー。微粒子のパウダーをヒアルロン酸でコーティングしているのが特徴です。肌を保湿しながら透明感やツヤを与えられます。
ベースメイクのなかでも乾燥肌の人が特にこだわりたいのは、仕上がりを大きく左右するファンデーション。ファンデーションはパウダーやリキッド、クッションなど種類が豊富で、価格帯もプチプラからデパコスまで幅広く展開されています。
乾燥肌の人は、スキンケア効果があるファンデーションを選ぶのも良いでしょう。ここでは乾燥肌の人に向けたファンデーション選びのコツを紹介します。
リキッドファンデーションは乾燥肌をうるおい肌に演出しやすいアイテム。保湿成分・エモリエント成分配合のものを選ぶと良いでしょう。仕上がりは、マットタイプよりもツヤ感タイプを選ぶことで、みずみずしい肌に見せられます。
全体の約半分が美容液成分で構成された、エイジングケア※も叶えるリキッドファンデーション。肌あれを防ぐクマザサ葉/茎水や、カミツレ花エキスなど、濃密な植物のエッセンスが、肌にハリと弾力を与えながら素肌の美しさを活かしたツヤ肌に仕上げます。
※ 年齢に応じたお手入れ
パウダーファンデーションを選ぶなら、パウダーの質が柔らかく、伸びの良いタイプを。保湿力が高いものなら、皮むけの心配もありません。パウダーファンデーションは、ほど良いカバー力がありさらっと仕上がりますが、うるおい不足になりがちです。そのため、化粧下地は保湿力重視のタイプを選ぶと良いでしょう。
軽やかなつけ心地でありながら、肌への密着感を追求したパウダーファンデーション。ソフトフォーカス効果で気になるシワ※や毛穴を隠します。また、アロエベラ葉エキスとヤシ油からできたワックスが肌の上で溶け、美しいツヤをプラスします。
※乾燥による
クリームファンデーションはカバー力が高く、乾燥による小じわ、シミ※などが気になる人におすすめ。高い保湿力や、乾燥部分に密着してうるおいをキープする効果もあるので、カサつきや粉吹きが気になる人にも向いています。ただし、乾燥肌の人はメイク崩れしやすいので、密着度が高く、やわらかなテクスチャーで伸びの良いものを選びましょう。
※紫外線による
クッションファンデーションには、主にツヤ肌タイプとマットタイプがあります。乾燥肌の人はツヤ肌タイプを選ぶと、みずみずしい肌を演出できます。乾燥以外にシミ※1やシワ※2なども気になるなら、カバー力が高いものがおすすめです。また、最近では美容液が配合されたクッションファンデーションも人気があります。
※1 紫外線による ※2 乾燥による
乾燥肌の場合、メイク崩れを起こしやすい一面も。ここでは、ファンデーションが崩れてしまう前にメイクの上からできる保湿対策と、ファンデーションが崩れてしまった時の化粧直しについて紹介します。
保湿スティックとは、携帯できるコンパクトサイズの保湿クリームのこと。リップクリームのような形をしていて、メイクの上から使えるものが多いです。
乾燥が気になった時に、いつでもどこでも使いやすいのが保湿スティックの魅力。目元や口元など、皮膚が薄く乾燥しやすい場所にも最適なアイテムなので、一つ持っておくと良いでしょう。
顔全体を保湿したいなら、ミストタイプの化粧水もおすすめ。ティッシュなどで余分な皮脂を押さえてから、顔全体にスプレーします。スプレー後に、ファンデーションを薄くのせたり、フェイスパウダーをのせるとキレイに仕上がります。
粒子の細かいミストが肌全体をやさしく包みこみ、たっぷりとうるおいを与える化粧水。メイクをした上からでも吹きかけることができるので、日中、オフィスなどで乾燥が気になった時にも使いやすいでしょう。ひと吹きすると、ダマスクローズの華やかな香りがふんわりと広がります。
乳液は水分と油分をバランス良く含むため、乾燥した肌の化粧直しに適しています。まずは、化粧崩れを起こしている部分に乳液をなじませ、ティッシュなどでそっと押さえます。次に同じ所に乳液を重ねて塗り、ハンドプレスしましょう。
乳液がなじんだら、パウダーファンデーションをやさしく塗ってください。ファンデーションは薄く仕上げるのがポイント。スポンジに取ったものをそのままつけるのではなく、手の甲を使って余分な粉を落としてから、ポンポンとやさしく押さえます。仕上げにフェイスパウダーを重ねれば完成です。
乾燥肌の人のベースメイクは、肌にうるおいを与えることを意識しながら行うことが大切です。また、乾燥肌によく見られる化粧崩れを防ぐために、スキンケア・ベースメイクはより丁寧に行いましょう。本記事を参考に、乾燥肌向けのベースメイク方法を知り、カサカサしないうるおい感たっぷりな肌を演出してくださいね。
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皮フ科かわさきかおりクリニック院長。医学博士 日本皮膚科学会専門医 日本抗加齢医学会専門医。 「体の内外から美しくなれるクリニック」をコンセプトに一般皮膚科診療だけでなく、美容医療、頭髪治療なども行っている。またweb雑誌での連載やサプリメント・化粧品の監修などでも、多方面に活躍の場を広げている。