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毎日スキンケアしているはずなのに、気になる小鼻や頬の黒ずみ毛穴。そのスキンケア、実は間違っているかも知れません。黒ずみ毛穴の原因は一つではないため、原因に合ったスキンケアをしなければ、黒ずみが改善されない上、悪化させてしまう可能性もあります。皮膚科医の石川佳奈先生が、黒ずみ毛穴の原因や正しいケア方法を解説します。
角栓とは、余分な皮脂や古くなった角質、汚れなどが毛穴の奥で塊となり詰まったものです。角栓が気になるからといって、無理に押し出すのは逆効果。間違った角栓ケアは、肌状態をさらに悪化させる原因になります。この記事では、角栓の原因と解消法、NGな角栓ケア、角栓を予防して美肌を作る生活習慣、おすすめケア方法について詳しく紹介します。
目次
間違った角栓ケアをしないためには、角栓について知ることが大切です。最初に角栓とは何か、なぜできるのか、角栓ができる原因を紹介します。
角栓とは、毛穴の奥で皮脂や古い角質、汚れなどが混ざり毛穴に詰まったものです。皮脂の塊と思われている角栓ですが、実は7割は角質。角質と皮脂はそれぞれアプローチ方法が違うため、両方が混ざり合った角栓は取り除くのが難しいのです。
また、角栓をそのままにしておくと、物理的に毛穴を押し広げてポツポツと毛穴が目立ってくるようになります。さらに、角栓の表面が空気や紫外線に触れると、酸化して黒くなります。
角栓の原因として最も多いのが、皮脂の過剰分泌。皮脂の排出がスムーズに行われず、毛穴を詰まらせてしまうのです。肌の表面と同じように、毛穴の中でも角層の代謝が行われているため、溜まった皮脂や角層、汚れなどが混ざり合って角栓が作られます。
ちなみに過剰な皮脂の分泌は、洗顔のやりすぎやホルモンバランスの乱れなどが原因と考えられます。その他、脂質や糖質の摂り過ぎも一因となるため注意しましょう。
肌は一定のサイクルでターンオーバーを繰り返し、健康な肌へと生まれ変わっています。このターンオーバーが乱れると、古い角質が剥がれ落ちずに毛穴に溜まり、角栓ができやすくなります。
肌のターンオーバーが乱れる原因は、紫外線や乾燥などによる肌へのダメージ。さらに、睡眠不足やストレス、栄養不足なども挙げられるため、生活習慣の見直しも必要です。
油性成分が含まれているファンデーションや化粧下地は、その日のうちに洗い流すことが大切です。疲れたからといって、拭き取りシートや洗顔料のみで簡単に済ませてしまうと、メイク汚れが残り、角栓ができやすい環境となります。
洗顔料はメイクの油性成分ではなく、古い角質や皮脂汚れを落とすためのアイテムなので、メイクは専用のクレンジング剤でしっかり落としましょう。
角栓ケアでは、毛穴の汚れをしっかりと落とすことが大切です。毎日の習慣として取り入れたいスキンケア方法を紹介します。
毎日の丁寧なクレンジングが、角栓ケアにつながります。メイクとなじみやすく、角栓を溶かし出すオイルタイプのクレンジング剤がおすすめです。
クレンジングの前にホットタオルで温めると、肌がやわらかくなり毛穴も開くため、奥の汚れまで落としやすくなります。また肌がやわらかくなると、うるおい成分を吸収しやすくなるため、その後の保湿ケアも高い効果が期待できるでしょう。
角栓ケアで重要な洗顔では顆粒入りや炭、クレイなど、汚れをかきだしたり、吸着したりする成分が配合された洗顔料を選ぶのがおすすめ。きめ細かく、濃密でもっちりとした泡を作り、肌に手が直接触れないように泡で洗顔するのがポイントです。
洗顔後の肌にゴワつきやザラつきを感じる場合は、角質層が厚くなっているのかもしれません。そんな時は、クレンジングや洗顔で落としきれなかった汚れや、古い角質を取り除く必要があります。拭き取り化粧水やピーリングマスクで、スペシャルケアをしましょう。
また、角栓を取り除いた後は毛穴が開いた状態のため、そのままでは新しい角栓ができやすくなっています。皮脂をコントロールする、収れん化粧水を取り入れてみてください。そうすることで毛穴が引き締まり、角栓ができるのを防げます。
ここからは、気になる角栓を解消するおすすめの方法を2つ紹介します。スキンケア方法と併せて日々の生活に取り入れ、角栓のないクリアな肌へ近づけましょう。
綿棒とオイルを使って、マッサージしながら角栓ケアをするのもおすすめです。角栓は油となじみやすいため、無理をせずに毛穴から角栓を取り除けます。使用するのは、肌に負担の少ないオリーブオイルやホホバオイル、ベビーオイルなどが良いでしょう。また、角栓ケア後は、収れん化粧水などで毛穴を引き締めるのを忘れずに。
クレイ洗顔料は余分な皮脂や角栓を吸着するため、洗い流すパックとして使うのも効果的。クレイ洗顔料をしっかりと泡立てて、角栓や皮脂が気になる部分にのせ、1分後に洗い流します。ただし、刺激を感じた場合はすぐに洗い流しましょう。
クレイ洗顔料は、肌に優しく皮脂を分解する酵素入りのものや、角質や皮脂汚れを落とせるスクラブ入り、硬くなった角質を落とすピーリングタイプなど、目的に合わせて選ぶことで効果が期待できます。
角栓ケアのためには、毛穴の汚れを落とすクレンジングや洗顔が大切。しかし、間違ったやり方では逆に角栓ができやすくなる恐れがあります。ここでは、やってはいけない角栓ケアについて紹介します。
オイルクレンジングは、メイク汚れをしっかり落としてくれます。しかし、油分と水分を混ぜ合わせる働きのある界面活性剤が配合されていることが多く、肌に負担をかけることも。角栓ケアができるからと、長い時間をかけてマッサージすると、必要な皮脂も取り過ぎてしまいます。肌に負担をかけないために、クレンジングは短時間で済ませましょう。
べたつく皮脂が気になるからと、1日に何度も洗顔をすると、肌に必要な皮脂まで落として乾燥しやすくなります。乾燥した肌は、うるおいを守るために皮脂の分泌量が増え、逆に角栓ができやすい環境に。また、汚れを落とそうと力を入れてゴシゴシ洗うのも、肌への負担となるため避けましょう。
詰まった角栓が気になって爪で押し出すのは、肌にダメージを与えるだけでなく、雑菌の侵入や色素沈着などの原因になります。無理に角栓を取り除くと毛穴が開いた状態のままになり、また新しい角栓ができてしまうので注意してくださいね。
角栓を予防しつつ美肌を作るには、毎日のスキンケアだけでなく、食事や睡眠などの生活習慣にも気を配りましょう。ここからは、角栓予防と美肌を作る生活習慣を紹介します。
バランスのとれた食生活は、美肌作りに欠かせません。肌のターンオーバーを促すビタミンAやβ-カロテン、皮脂分泌をコントロールするビタミンB2、B6などを積極的に摂りましょう。
さらに腸の働きを良くし、便秘を解消する食物繊維も加えると、より美肌効果が期待できます。脂肪分や糖分の多い食生活は、皮脂の過剰分泌につながるので要注意です。
肌を修復してくれる成長ホルモンは、睡眠直後の3時間で分泌されると言われています。その時間に深い眠りについていることが重要となるため、心と体をリラックスさせて寝つきを良くしましょう。
また、眠る1時間前にお風呂で体を温めると眠りにつきやすくなります。スマートフォンやパソコンのブルーライトは眠りを妨げるため、就寝前は使用を控えてくださいね。
角栓ができる1番の原因は過剰に分泌された皮脂。角栓ケアを行う時はスキンケアだけでなく、食事や睡眠などの生活習慣も心がけてくださいね。また、気づかないうちに毎日のスキンケアが肌に負担をかけ、角栓ができやすい状態になっている場合もあります。正しいスキンケアと生活習慣の見直しで、角栓のない美しい肌を手に入れましょう。