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吉岡 容子 先生
マスク時代になり表情が見えにくい分、目元の印象が大事になっています。そんな時、目の下にクマがあると老けて見えるのではないかと気になりますよね。 今回は、目の下にクマができる原因や予防法、できてしまった時の対処法などについてご紹介します。
目次
目の下にクマができる一番の原因は血行不良です。目の周りは眼輪筋という筋肉で覆われており、目を使っている時は筋肉が緊張した状態になりますが、パソコンやスマートフォンを見ている時間や、本などを読んでいる時間が長かったりして目を使いすぎると、眼精疲労が起きます。眼輪筋に疲労がたまると血流がうっ滞してしまい、それがクマの原因になってしまうのです。
血行不良によるクマは、年齢に関係なくできる可能性があります。10代や20代の方も、夜ふかしをして寝不足が続くとクマになることがあります。
目の周りの皮膚は周りと比べて厚さが半分くらいしかなく、とても繊細です。そのためダメージを受けやすく、毎日の生活の中で受ける外的刺激が原因となり、年齢とともにクマができやすくなります。
化粧品による色素沈着が起きたり、目をかいたり、クレンジングでこすったりする摩擦によるダメージによっても、くすみやクマができます。
また、目の下がたるんでくると影ができ、それがクマのようになってしまうこともあります。
クマができた時に目立ちやすいのは、色白の人です。肌の色が白い人は皮膚が薄いので、血管が浮きやすく、血流のうっ滞が表面に見えやすいのです。
彫りが深い骨格の人も凹凸により影ができやすいので、クマが目立ちやすい傾向にあります。気になる場合は目の下にハイライトを入れると良いでしょう。
また目が大きい人は小さい人に比べて、まばたきをするのにより大きなエネルギーを使うため眼精疲労が起きやすく、その分クマになるリスクが高いといわれています。
色素沈着によるクマは、化粧品が主な原因です。ファンデーションやアイシャドウを肌につけている時間が長かったり、落としきれていなかったりすると、色素沈着につながっていきます。また、しっかり落とそうと思ってポイントメイク専用クレンジングを使い、コットンなどでゴシゴシこすってしまうと、摩擦による刺激でさらに黒ずんでしまうこともあります。
最近はマスクをする機会が多く、目元の印象を強くするためにアイメイクに力を入れている人も多いですが、クマ防止を考えると濃く、落ちにくいアイメイクはあまり歓迎できません。できるだけお湯やソフトなクレンジングで落ちる化粧品を使い、落とす時も、こすらず優しく洗うことを心がけましょう。
目の下のクマは大きく「青クマ」「茶クマ」「黒クマ」の3種類に分かれます。それぞれ原因や対処法が違うので、紹介していきます。
血行不良によりうっ滞している血管が浮き出てしまうのが青クマです。皮膚の薄い人は青クマが目立ちやすくなっています。
ケアするためには血行を促進するのが基本です。お風呂の中でツボ押しをしたり、ホットタオルで就寝前に目をあたためたりして、目の疲れをとるようにしましょう。
また、皮膚を丈夫にすることも大切なので、しっかりと保湿をし、乾燥から皮膚を守るようにしてください。
茶クマの主な原因は色素沈着です。化粧品やクレンジングの刺激、日焼けによる肌のダメージが積み重なって、クマになってしまいます。
茶クマを防ぐためには刺激を避けること、化粧品の種類や使い方に気をつけることと、UVケアをしっかりすることが必要です。クマができてしまった時は色素にアプローチする必要がありますので、使用する化粧品の種類を見直したり、皮膚科に相談して適切なスキンケア法を教えてもらったりしましょう。
血行不良が続き、肌のハリ低下やむくみによってできるのが黒クマです。黒クマには熱を入れるケアが効果的です。あたためてマッサージをしたり、クリニックでレーザーや超音波などのマシンを使った施術を受けると良いでしょう。
この3つのほかに、目の下の脂肪がふくれるか、または引っ込んでくぼむことで影になり、クマのようになってしまうことがあります。そうしたタイプは自宅でのケアが難しいので、皮膚科医に相談してください。
クマは血行不良や間違ったお手入れによるものが多いので、普段のスキンケアを見直すだけで改善できる可能性が高いです。
まずは日常生活で目を触ったりこすったりしないように、気をつけましょう。化粧品は肌にやさしいタイプのものを使い、落とす時も強い刺激をあたえないようにしてください。
スマートフォンやパソコンの見過ぎで目を酷使しないようにし、疲れた時はあたためながら休め、マッサージでほぐすのも良いでしょう。
外的刺激で起こってしまった目の周りの炎症も、放っておくと色素沈着になってしまいます。炎症が起きてしまった時は早めに皮膚科を受診し、適切な治療で炎症をおさえるようにしましょう。
肌が乾燥し、ハリを失ってくぼみやくすみが目立つとクマになりやすい状態になってしまいます。皮膚が特に薄い目の周りのダメージをケアするには、目元専用の化粧品を使うのがおすすめです。ただしグリグリと塗り込むのは摩擦になるので逆効果です。使用する時は適量を肌に乗せて、さっとひろげる程度にしておきましょう。
夜だけでなく、朝メイクをする前に使うと肌を保護する役割を果たしてくれます。特に最近はマスクとの境界線の部分がこすれて肌トラブルになり、皮膚科を受診する人が増えています。そうした刺激を防ぐためにも、目元用のクリームや美容液をしっかり塗って、肌を守るようにしましょう。
若々しく美しい目元でいるためには、皮膚が潤ってキレイな色であり、ハリがあることがとても重要になります。年齢別のクマ予防と、日頃のケアのポイントを紹介します。
10代の人が気をつけたいのは日焼けと乾燥です。日焼けをすると後々色素沈着につながるので、UVケアはしっかり行うようにしましょう。また油分が多い肌の人は保湿を嫌がることも多いですが、目の周りは乾燥しやすいので部分的にでも保湿をするようにしましょう。
20代ではアイメイクをしっかりする人が多いので、化粧品による色素沈着に注意が必要です。アイシャドウは何を使うのか、クレンジングにはどんなアイテムを使うのか、こだわって選ぶようにしましょう。
若い人は寝不足による眼精疲労や血行不良も起きやすくなっています。適度に目を休めることを忘れないようにしてください。
30~40代になると、20代までに受けてしまったダメージが出てきます。たるみや小じわ、くすみなどから慢性的なクマになってしまいます。日常生活を整えるとともに、有効な美容成分が入った化粧品でケアをするようにしましょう。
目の周りのケアで最も注意が必要なのは、花粉症の季節です。目のかゆみは一度始まるとなかなかとまらず、無意識に目をかき続けている人も少なくありません。
目をこすると摩擦によるダメージを受けるだけでなく、炎症が起きると色素沈着にもつながってしまいます。
目のかゆみが起きた時は、早急に受診し、治療を行いましょう。
クマ予防には、食事でビタミンAを摂取するのも効果的です。ビタミンAには眼精疲労をやわらげ、血流をよくするはたらきがあります。
うなぎ、レバー、ブルーベリーなどのポリフェノールが含まれるものや、にんじん、ほうれん草などの緑黄色野菜などをメニューに取り入れると良いでしょう。
マスクによるこすれもクマの原因になります。不織布のマスクは摩擦で肌に赤みが出る人が多いです。人混みに出る時以外は、綿やナイロン、シルクなどの肌にやさしい素材のものを使用することをおすすめします。不織布のマスクをつける時も、中にガーゼを入れるとこすれを軽減できます。
マスクの着用時間が長い人は、特にこすれ刺激に注意しましょう。
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目元は人の印象を左右する大事なポイントです。クマやくすみのない、透明感のある肌を保つことで、若々しさを表現することができます。自宅での適切なケアで、クマのない美しい目元を目指しましょう。
東京医科大学医学部医学科を卒業後、麻酔科学講座入局。 麻酔科退局後、明治通りクリニック皮膚科・美容皮膚科勤務。 院長を務め、平成24年より医療法人容紘会高梨医院皮膚科・ 美容皮膚科を開設。院長として勤務しています。