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長井かおり/Kaori Nagai
プロのヘアメイクさんたちが、モデルさんにメイクを施す前に必ず行なっている“マッサージ”。透明感のある肌を作りフェイスラインもキュッと引き締め、モデルさんたちをより美しく、撮影の仕上がりもグンとアップさせるそのプロの裏技、気になりますよね?そこで今回は大人気ヘア&メイクアップアーティスト、長井かおりさんのマッサージテクを徹底解剖!ぜひあなたのセルフケアにも取り入れて。
目次
長井かおり/Kaori Nagai
疲れがたまった顔や、むくんでいる顔も即小顔になる!とモデルさんたちから評判の長井さんのマッサージ。メイク前は、顔のマッサージだけでなく、頭、首、肩や腕までしっかりマッサージするという長井さん。「顔の一部分だけを一生懸命にマッサージしても、体が冷え冷えでコリコリでは、顔色は良くなりませんよね。顔を取り巻く周りの部分も含めて血流を良くしていくことが、美しいメイクの仕上がりのためには大事なんです」。そのメイク前マッサージを、自宅でも簡単にできるよう、細かく教えていただきました。
長井さんと何度もお仕事をしているモデルの中瀬古ゆきなさんも、そのテクに毎回びっくり!「しっかりとツボに入るから少し痛いんですけど、マッサージ自体がすごく気持ちが良くて、顔色やフェイスラインも変わるんです」と絶賛。
before
after
今回は長井さんに教わって、モデルさん自身にセルフマッサージを行ってもらいました。マッサージ前と比べ、マッサージ後は目がぱっちりしてくすみやむくみが取れ、顔がすっきりしています。肌のツヤ感もアップして、メイクのノリも良くなっているので、メイクの仕上がり自体も大きく変化が!
「メイク前にマッサージをすることでもっと可愛くなるんですよ」と語る長井さん。これはメイク自体も楽しくなりそうですね。
せっかくのマッサージも摩擦で肌を傷つけては逆効果。マッサージをする際は、必ず指滑りを良くするクリームやミルク、オイルをつけた状態で行うようにしてください。今回はマッサージミルクとしても使える「メゾンレクシア オラクル メイクアップ リムーバー ミルク」を使います。まずは2,3プッシュして、しっかりと肌になじませます。マッサージの途中で乾いてきたら、必ず追加をすること。ミルクの量が少ないと肌に負担をかけてしまうので、たっぷりと使うのがおすすめです。
指はピースの形を作り、第二関節で折り曲げてカニのようにします。
人差し指と中指でフェイスラインを挟みます。
あごの下から、耳下にかけてグーッと持ち上げます。第二関節を肌に押し当てて指圧をするように、しっかりともみだすイメージで行うと、顔のラインがすっきりしてきます。エラの部分にコリがある方も多いので、しっかりとほぐしていきましょう。
フェイスラインのマッサージと同じ手の形で、次は口角から、ほうれい線を引き上げるように、耳の方に向かって。しっかりとつまみながら引き上げます。ほおの周りをしっかりマッサージすることで、頬全体が上がり、肌にハリ感とツヤが出てきます。
カニの手で、眉毛を挟み、眉毛の根元からこめかみに向かって、しっかりとつまみ出すイメージで3回行います。これを行うことで重いまぶたがすっきりし、パッチリした目元に。現在はスマートフォンやパソコンの使用で、想像以上に目を酷使して疲れていますから念入りに。
中指、薬指の2本の指の第二関節を使って押していくマッサージです。眉頭→眉山→眉尻とそれぞれ移動させながら、眉毛の上からグググッ、グググッ、グググッと3回ずつ振動させるように押していきます。これは目やおでこの周り、眉間のコリが取れて、目の周り全体がすっきりしてくるマッサージです。マスクメイクではどうしても目の周りがクローズアップされやすいので、ここは忘れずに行ってほしいですね。
次は鼻の横をグググッと振動させるように押していきます。小鼻の横はどうしてもコリ堅まりやすいので、鼻が低く大きく見えてしまう人が多いので、しっかりほぐしていきましょう。
グググッと3回振動させながら押していくマッサージを3回行います。これを行うことで、鼻筋が出てきてスッと高く戻ってきますよ。この部分はほうれい線の起点でもあるので、頬全体にもハリが出て、鼻だけでなくほっぺの周りもスッキリ。
耳の下の部分に親指を当て、上向きに押し上げるようなイメージでググっと3回押していき、耳回りのコリを取っていきます。最近ではマスクの着用が日常になり、ちょうどゴムが当たる部分になるので、ここにコリが固まっている人が多いです。しっかりコリをほぐしていきましょう。
耳下腺(じかせん)はリンパ節が集まっている部分なので、ここが詰まると余分な水分が溜まりむくみ顔に。また、えらのハリにも影響してくる部分なので、フェイスラインを引き締めるためにも、しっかりと押し流していきましょう。少し痛いかなという指圧のようなイメージで、痛気持ちいいくらいの圧をかけるのがベストです。
少し横を向くと縦に浮き上がってくる、耳下から首筋にかけての筋をほぐすマッサージです。カニの手で耳裏から首筋まで流していきましょう。顔と首、鎖骨はつながっているので、ここをほぐすことでリンパの流れも良くなり、顔のむくみやくすみを解消することができます。
この筋は横を向かないと出てこないので、左右どちらか片方ずつ、指滑りを良くするためにミルクもしっかりと足して行いましょう。
頭皮と顔はつながっているため、頭がこっていると顔もくすんでしまいます。ヘッドマッサージで血流をアップさせましょう。やり方は簡単。まずは両手でげんこつを作り、第2関節で頭全体をググっと押すだけ。全体を押しながら、特にこっているところを念入りに行ってください。少し押すだけで、全体の巡りが良くなり、くすみが取れて顔色が明るく透明感もアップ。目尻の位置が上がり、目もパッチリしてきます。
ヘッドマッサージの場合はクリームを使えないので、頭皮ローションやオイルなどを指先に少し塗布して使ってください。オイリーでベタベタするものはNGなので、ドライなもので多少乾きやすいものを選んで。頭皮マッサージは心地よさ重視で、メントール系のクールなものを使うのもおすすめ。
鎖骨下から脇にかけてはリンパが集合している重要な部分なので、ここを指圧の要領で押していきます。痛気持ちいいと感じる強さで左右3回ずつ揉みほぐすことで、老廃物の滞りが解消され、顔のむくみやたるみがすっきりしてきます。
最後に肩甲骨回しを、前に3回、後ろに3回を1セット。両手を肩にのせ、両肘で大きな円を描くように大きく回していきます。肩甲骨の動きをしっかり感じながら行うのがコツ。ここの肩甲骨を大きく動かすことで血のめぐりが良くなり、顔全体がスッキリします。特にデスクワークの方は長時間同じ姿勢をとるので、ここの筋肉がコリ固まって、肩が内側に入り込んでしまっていることが多いです。
ここまでを全部行って1セット。1日1セットでもいいですし、時間に余裕があれば数セット行ってももちろんOKです。
マッサージは「必ず〇回する!」「毎日〇分間する」などは厳密に決めない方がいいと思っています。どうしても「毎日、絶対に15分やらなきゃ!」と思うと辛くなってきますよね……?だからこそ、そこは臨機応変でOK。
毎日1分だけでもいいですし、どれか1つのマッサージだけになってしまっても全然いいんです。大事なのは、日々の生活の中に入れ込めるくらい、習慣づけることです。
「毎日、メイク前にマッサージをしましょう」と言うと「そういうのって、美意識が高い人がやるもの」というとらえ方をする人もいるんです。でも、実際は顔を少し触るだけなので、実は簡単なんですよね。イメージやハードルを上げすぎず、もっと気楽に受け止めてやってほしいなと思います。
マッサージって気合を入れてするものじゃないので、寝ぼけまなこのぼーっとした状態で全然OK!洗顔のついでにサクッと1分でも取り入れてみると、変化を実感できますよ。
疲れやむくみ、たるみなど顔の問題が山積みになってから、慌てて高級なパックをしたり、プロのところに駆け込む方も多いのですが、その状態になってしまうと、なかなか良い状態にするのは難しいことも。
フェイスケアって、ここぞってときだけに頑張ってもベストな状態にするのは難しいんです。だからこそ、手遅れになる前に毎日ちょっとずつ、コツコツとやるのが一番。お肌のためにはスペシャルケアではなく、簡単なものをちょっとずつやった方が、安定的に良い状態をキープできるんですよ。
マッサージに使用するアイテムを選ぶ際のポイントは、クッション性があって肌当たりが優しいこと。この「メゾンレクシア オラクル」のクレンジングミルクは、メイク落としなのですが、マッサージにも使えてすごく便利。使用感も重たすぎず、かといってさっぱりしすぎていないところがおすすめです。あまりみずみずしすぎるとクッション性が損なわれますし、ベタベタしすぎると気持ちがよくないので、テクスチャーは重要視していますね。
「モデルさんにマッサージするときは、より深くリラックスしてもらえるよう、香りも大切にしています」と語る長井さん。今回使用した「オラクル」のクレンジングミルクは、植物由来のシトラスの爽やかな香りで、朝のマッサージタイムにぴったりのリラックス感もポイントです。
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雑誌やウェブメディアなど、多方面でビューティー企画を担当。わかりやすく理論的なテクニックに定評があり、これまで著書も多数出版。年齢や肌色を問わず誰にでも似合う「好感度メイク」は幅広い女性からの熱い支持を集めている。