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山口 史恵
キューティクルには髪を外的刺激から守る役割があります。ツヤのある美しい髪を手に入れるには、キューティクルをケアしてあげることが大切です。キューティクルの役割を始め、傷みのセルフチェックや美髪に導くヘアケア方法を紹介します。
目次
山口 史恵
キューティクルとは毛髪の一番外側にある組織で、外的刺激から髪を守ったり、うるおいを閉じ込めたりする大事な役割を持っています。まずは、キューティクルの構造や傷んでいるとどうなるかチェックしていきましょう。
髪の毛は中心からメデュラ、コルテックス、キューティクルの3層で構成されています。キューティクルは3層の一番外側にあり、毛髪の10~15%ほどを占めていています。成分はケラチンというタンパク質で、タケノコの皮やウロコのように、層が何枚も重なって髪の表面を覆うような構造をしているのが特徴です。
キューティクルはとても薄く、少しの摩擦で傷ついてしまうほどデリケート。特に濡れていると非常に柔らかく、ダメージを受けやすい状態です。髪のツヤや手触り、硬さにはキューティクルの状態が反映されます。
髪の内側にあるメデュラやコルテックスを外的刺激から守るのが、キューティクルの主な役割です。毛髪全体の85~90%を占めるコルテックスに含まれている水分や、髪全体に含まれているタンパク質の損失を防ぐバリアのような働きをしています。
そのため、水分量がキープできた健康的な髪を手に入れるには、キューティクルを整えることが大切です。キューティクルが整うと、ツヤが出て手触りも良くなる理想的な状態になります。
キューティクルは傷むと剥がれ落ちてきて、髪の内側にある水分やタンパク質が損なわれやすくなります。これが髪のツヤがなくなったりパサついたりといったトラブルの原因です。
ダメージを受け続けたキューティクルは、ささくれのように先端がめくれた状態になっています。そこにドライヤーやヘアアイロンの熱が加わるとタンパク質が変化し、髪の内部が空洞に。空洞化した髪は引っ張る力や摩擦に弱く、切れ毛や枝毛にもつながります。
傷んでしまったキューティクルは再生できません。美しい髪をキープするにはキューティクルが剥がれないように、日頃のケアをしっかりと行うことが重要です。
自分の髪のキューティクルは大丈夫か心配になった人もいるでしょう。髪がどれくらいダメージを受けているのかチェックできる簡単な方法を紹介します。
<キューティクルのセルフチェック方法>
毛先に向かってスライドさせた指に引っかかりがなく、毛根に向けた指に引っかかりを感じる場合は健康な状態です。反対に、毛根へ向けた指に引っかかりを感じない場合はキューティクルが傷んでいるかもしれません。
また、抜いた髪の毛を左右から引っ張った時、伸びて縮れる場合も髪が傷んでいるおそれがあります。
摩擦や熱、紫外線といった外的刺激はキューティクルが傷つく原因に。キューティクルにダメージを与える行動に注意して対策していきましょう。
毎日のシャンプーやタオルドライ、過度なブラッシングなどの摩擦はキューティクルにダメージを与えます。特に髪が濡れている時は、キューティクルが剝がれやすい状態。シャンプーの際にゴシゴシと洗ったり、乾かす時にタオルで強く擦ったりすると、キューティクルが剥がれやすくなるので注意が必要です。シャンプーやブラッシングなど、髪に触れる時は力を入れずに優しく行うよう心がけましょう。
長時間のドライヤーや、ヘアアイロン・コテの高頻度の使用は髪に大きなダメージを与えます。キューティクルは熱に弱い性質を持っているので、ドライヤーは髪から離して、同じ場所に集中して当てないようにしましょう。ヘアアイロンやコテも1ヵ所に当て続けないようにするのがポイントです。
ドライヤーの正しい使い方は後ほど詳しく紹介します。
キューティクルが熱に弱いからといって、濡れた髪を自然乾燥させるのは逆効果。濡れた髪はキューティクルが開いた状態のため、そのまま放置していると水分やタンパク質がどんどん失われてしまいます。
さらに髪が濡れた状態で寝てしまうと、枕との摩擦で髪が傷むだけではなく、雑菌が発生してかゆみやにおいの原因にもなります。髪は濡れたままにせず、なるべく早くドライヤーで乾かしましょう。
パーマやカラーはキューティクルを開いて薬剤を入れるため、少なからずダメージを与えてしまいます。キューティクルの傷みを予防するため、パーマやカラーの間隔は可能な限りあけるのが理想です。
また、パーマやカラーを行った後は、キューティクルを保護するトリートメントを使用して、丁寧なケアを心がけましょう。美容師さんに髪のダメージレベルに合ったケア方法を聞いてみるのもおすすめです。
肌と同じように、髪も紫外線のダメージを受けます。日焼けをした髪は、キューティクルが剥がれやすくなります。外出時は髪や頭皮用の日焼け止めスプレーを使う、帽子・日傘で日差しを直接浴びないようにするなど、適切な紫外線対策を取り入れましょう。
また、屋外で長時間過ごして紫外線ダメージを大きく受けたと感じた時は、放置せずにその日のうちにトリートメントでしっかりとケアをしましょう。
剥がれ落ちたキューティクルは再生できませんが、開いているだけであれば、正しいヘアケアを行うことで修復できるかもしれません。整ったキューティクルを取り戻すために実践したいヘアケア方法を紹介します。
誤ったシャンプー方法はキューティクルが開く原因に。汚れを落とそうとゴシゴシ洗ってしまう人は注意が必要です。キューティクルを守るため、シャンプーのやり方を見直してみましょう。
<キューティクルを守るためのシャンプー方法>
<ポイント>
トリートメントには髪に栄養を与え、保湿をする効果があります。つける時は、キューティクルの向きに沿って上から下に手を滑らせるのがポイントです。
<インバストリートメントのつけ方>
<アウトバストリートメントのつけ方>
ドライヤーを正しく使うと、キューティクルが整って髪のツヤがアップします。ドライヤーと髪との距離や、風を当てる方向を意識してみてください。
<ドライヤー前のポイント>
<ドライヤー使用時のポイント>
<髪の乾かし方>
最後に冷風を当てることでキューティクルが引き締まります。
植物由来の濃密なエキスを配合したメゾンレクシアの製品には、キューティクルを守るためのヘアケアアイテムも揃っています。ツヤ髪を叶えるトリートメントとヘアオイルを紹介します。
頭皮にもボディにも、マッサージにも使えるマルチ処方が魅力のスカルプエイジング※トリートメント。加齢やストレスなどで揺らぐ頭皮環境をすこやかに整え、乾燥によるかゆみやフケといったトラブルを防ぎます。
豊富な植物オイルを始めとする有用成分が髪の内部まで浸透し、保湿しながらキューティクルを補修。キューティクルがなめらかに整うことで、まとまりのあるすこやかな髪に。
※年齢に応じたお手入れ
10項目のフリー処方でボディにも使えるため、髪も頭皮も、むくみがちなボディもバスタイム時にまとめてケアが叶います。深呼吸したくなるウッディ・スパイシーの香りも人気です。
髪にツヤを与えるアルガニアスピノサ核油や、髪の水分・油分を保つユズ種子油など、濃密な植物成分が贅沢に配合されたヘアオイル。ブラッシングや乾燥によるダメージから髪を守り、自然なツヤとうるおいのある髪へ導きます。
キューティクルが傷んで髪のパサつきが気になる時は、ヘアオイルでしっかりとケアしましょう。アウトバスケアとしてはもちろん、朝のスタイリングにもおすすめです。爽やかなシトラスに、マジョラム、ベチバーをブレンドした甘くスパイシーな香りが、ふとした瞬間に心地よく広がります。
キューティクルは髪を外的刺激から守る重要な役割を持っています。キューティクルが整った髪はツヤがあり、しなやかなハリもあるため健康的に見えます。正しいヘアケアとダメージ対策で、すこやかな髪を手に入れましょう。
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フェイシャル&育毛専門サロン「ビオトナス」オーナー。日本毛髪科学協会 毛髪診断士。エイジングケアのサロン経営に加えて、美容家としてメディアにも多数出演。