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吉岡 容子 先生
パサつく、きしむなど、髪が傷む原因は毎日のヘアケアにあるかもしれません。シャンプーやヘアドライの方法によっては、髪にダメージを与えてしまいます。この記事では、髪が傷む原因やダメージを受けた髪について、自分で簡単にできる毎日のダメージケア方法、ひどく傷んだ髪のケア方法、自宅で行うダメージケアにおすすめのアイテムを紹介します。
目次
傷んだ髪はパサパサしていて、うるおいやハリがありません。髪が傷む原因にはさまざまなものがあります。ダメージケアをする前に、まずは髪が傷む原因を知ることも大切です。ここでは、髪が傷む主な原因を紹介します。
シャンプーをする時のゴシゴシ洗いは、髪に摩擦を与えてキューティクルを傷つけてしまいます。特に濡れた髪はキューティクルが開いた状態のため、傷つきやすいので注意しましょう。
洗った髪を自然乾燥させてしまうと、髪に必要なタンパク質や水分が失われてしまいます。また、髪が濡れたまま寝てしまうのも、枕との摩擦でダメージを与える原因に。さらに、雑菌が繁殖することでフケやかゆみ、ニオイの原因にもなるため避けたいところです。
キューティクルは熱にも弱いため、必要以上にドライヤーの熱を与えるのも大きなダメージの原因になります。髪に熱を与えすぎると、タンパク質が固まりダメージホールができてしまうことも。やさしくタオルドライをした後は、髪の根元を中心にドライヤーを当てて短時間で乾かすようにしましょう。
ヘアカラーやブリーチには、髪の中まで浸透するようにキューティクルを剥がす成分が含まれています。そのため、ヘアカラーやブリーチを頻繁に行うと、キューティクルが剥がれて髪が傷んでしまいます。髪の傷みが気になる人は、ブリーチを使わないカラーや、ケア剤の入ったブリーチ剤などを使うのがおすすめです。
さまざまな原因によってダメージを受けた髪は、キューティクルが剥がれたり、空洞ができたりしている状態です。ここでは、ダメージケアを必要とする髪がどのような状態になっているのか詳しく解説します。
髪の表面は、タンパク質が角質化したうろこ状のキューティクルで覆われています。乾いていても濡れていても、キューティクルはダメージに弱い存在です。なおかつ、髪が濡れるとキューティクルが開くため、少しの刺激でもダメージを受けやすくなります。
また、パーマやカラー、ドライヤーの熱などによってキューティクルが傷つくと、切れ毛や枝毛の原因となります。
髪の毛のほとんどはタンパク質でできているため、熱を与えすぎると髪の内部cortex(コルテックス)にあるタンパク質が固まり、空洞(ダメージホール)ができます。これは、タンパク質の熱変性と呼ばれる状態で、濡れた髪の場合は60度くらいからダメージホールができ始めるそうです。
濡れた髪にドライヤーで熱を与えすぎると、タンパク質の熱変性が起こりやすくなります。ダメージホールからは髪の水分や成分が流出するため、枝毛や切れ毛の原因となってしまいます。
傷んだ髪は、シャンプーの仕方を注意したり、市販のトリートメントを使ったりと、自宅でもケアをしましょう。ここからは、毎日できるダメージケアの方法を紹介します。
髪が濡れた状態の時は、キューティクルが柔らかくなっているため、傷めないようにやさしく丁寧に洗いましょう。シャンプーの前に、頭皮と髪をぬるま湯で予洗いするだけで、汚れの7割は落ちると言われています。
また、シャンプーは手のひらに出し、よく泡立ててから髪全体に行き渡らせ、指の腹を使ってやさしく洗います。すすぐ時は、シャンプーを残さないように、襟足までしっかり流してくださいね。
濡れた髪はキューティクルが開いた状態のため、早く乾かしてダメージを防ぐことも大切です。シャンプーの後は、タオルを使って髪をやさしく挟むようにし、できるだけ水分を取るとドライヤーの時間を短縮できます。ヘアブラシを使う時は、目の粗いコームなどで軽くほぐす程度にしましょう。
キューティクルは熱にも弱いため、ドライヤーで乾かす時も熱を分散させるように当てます。ドライヤーを振りながら乾かすと、乾きムラが生じたりタンパク質が固まったりするのを避けられます。
また、ドライヤーの前に洗い流さないトリートメントを使って、キューティクルの剥がれや摩擦を防ぐのも効果的です。
濡れた髪にコテやアイロンを使うのも、髪を傷める原因の一つ。濡れた髪に熱を与えるとタンパク質が固まるため、柔らかくなったキューティクルを傷めてしまうのです。
コテやアイロンを使う前に、ヘアオイルや洗い流さないトリートメントなどを使うのも注意しましょう。髪にフタをすることで上手くスタイリングができず、熱や摩擦を長時間与えることになります。髪に何かをつける場合は、スタイリングの後がおすすめです。
夏の紫外線や冬の乾燥など、季節ごとのお手入れも忘れずに行いましょう。
<夏>
髪に長時間紫外線が当たると、キューティクルの荒れや髪のパサつきなどにつながります。髪の日焼け止めや帽子などを使って、紫外線が当たるのを防ぐことが大切です。
<冬>
冬はもともと空気が乾燥しやすく、暖房を使うことでさらなる乾燥を招きます。髪が乾燥すると内部で水分が不足し、枝毛や切れ毛の原因に。肌と同じように加湿器などを使い、髪も乾燥予防をしてください。洗い流さないトリートメントなどを使うと、髪の乾燥や静電気を防げます。
髪は爪と同じで角層が変化したもの。死んだ細胞でできているため、一度ダメージによって傷んでしまうと修復できません。そのため、何よりもダメージを与えないことが大切です。ここでは、ひどく傷んだ髪のダメージケア方法を紹介します。
髪のダメージを治すことはできませんが、絡まりを抑えたり、ダメージを目立たなくしたりすることは可能です。
例えば、市販の洗い流さないトリートメントやヘアマスクなどは、毛先が絡まるのを抑えてくれます。その他、ひどく傷んだ髪は毛先の枝毛や切れ毛をカットして、ダメージをリセットする方法もあります。
パーマやカラー、ブリーチなど、髪への負担が大きいヘアメニューを避けることも髪のダメージ予防の一つです。例えばヘアカラーの回数を減らす、リタッチにする、縮毛矯正は部分的にする、クセの出やすい季節だけにするなどの対策があります。髪への負担を少し減らすだけでも、ダメージを抑えることにつながるでしょう。
髪のパサつきや枝毛、切れ毛などのダメージケアには、パサつきを抑えてツヤのある美髪へ整えてくれるヘアオイルがおすすめです。濃密な植物成分を配合して作られるメゾンレクシアの「パーソナルケア」シリーズから、傷んだ髪のダメージケアにおすすめのヘアオイルを紹介します。
高い保湿効果や、エイジングケア※効果で注目されるアルガンオイル(アルガニアスピノサ核油)や、ユズ種子油、ダイコン種子エキスなど、美髪を作る濃密な植物成分を配合したヘアオイル。オイルでありながら、軽い質感で使いやすいのが魅力です。髪に自然なハリとツヤを与え、すこやかな美髪へと整えます。
※年齢に応じたケア
髪が傷む原因は、シャンプーの仕方やドライヤーの使い方など、毎日のヘアケアの中にも潜んでいます。傷んだ髪を完璧に治すことはできませんが、日常的なヘアケアを見直していくとダメージを減らせるでしょう。髪の洗い方やドライヤーの使い方に合わせて、トリートメントやヘアオイルでダメージケアをしていきましょう。
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東京医科大学医学部医学科を卒業後、麻酔科学講座入局。 麻酔科退局後、明治通りクリニック皮膚科・美容皮膚科勤務。 院長を務め、平成24年より医療法人容紘会高梨医院皮膚科・ 美容皮膚科を開設。院長として勤務しています。