美と健康の伝道師、“おっぱい番長”こと朝井麗華さん直伝の「乳トレ」講座

小さい、大きい、垂れている、離れている、左右差がある……などなど、様々なことで女性たちを悩ませるバスト。朝井さんによると、これらの悩みは往々にして大胸筋や肩甲骨周り、広背筋など胸周りのコリが関係しているそうです。

最近では在宅でのリモートワークが続いて肩や腰がもう限界！なんていう方も多いのでは？「パソコンの前で背中を丸めたり、スマホを覗き込んで前かがみになったりという無意識の生活習慣がバストの形崩れの原因になります」（朝井さん）

体の筋肉はすべて繋がっているので、長時間悪い姿勢でいると、首や肩の筋肉が凝り固まると同時にバストの土台である大胸筋もガチガチに。そのこわばりに引っ張られることで、バストが離れたり垂れたりと理想の形とはかけ離れていってしまうそう！

「例えば胸の下垂の原因のひとつは、猫背で大胸筋が縮こまることにより胸の位置が下へ追いやられるために起こります。胸が離れるのは、肋骨など胸周りの筋肉が凝り固まることにより、肋骨が開いてしまうから。筋肉のこわばりを解き、筋肉本来の柔らかさを取り戻すことができればバストも正しい位置や形に整うので、胸の小ささに悩んでいる人はもちろん、大きめバストにコンプレックスを抱えている人もその悩みから解放されることが可能です」（朝井さん）

「ついサイズばかり気にしてしまいがちですが、実は“美バスト”の絶対的な条件はバランスがとれていること」と朝井さん。そして、その大前提には歪みがなく、左右対称であるということが挙げられるといいます。それを確認するための、押さえておきたいポイントが4つあるので、まずは自分のバストを鏡でチェックしてみましょう。理想のバストの形と、自分の現状を知ることが、美バストへの第一歩なのです！

①鎖骨の中央と左右のバストトップを線で結ぶと、正三角形が現れるか

鎖骨の中央にあるくぼみとバストトップを結んできれいな正三角形が完成すれば合格。垂れたり、離れたり、左右の高さに差ができたりすると歪んだ三角形になるので注意が必要です。

②肩から肘までの距離の半分よりも上にバストトップが収まっているか

バストトップが、肩から肘までの中間、もしくはそれよりも下にある場合はすでにバストが垂れてしまっている可能性が！


③ボディとバストの境界線であるバージスラインがあるか

正面から見た時に、アンダーバストのラインがしっかり浮かび上がっていればサイズを問わず美しいバストと言えます。バストとボディの境界線が曖昧な場合、お肉が脇や下に流れてしまっているかも。特にノーブラで過ごす方、ワイヤーなしのカップ付きキャミソールを愛用している人は要注意！


④バスト周辺の筋肉が柔らかく弾力があるか

デコルテの肋骨と肋骨の間を指でぐっと押してみて。そこで指が筋肉にめり込みづらかったり、痛みを感じたりすると大胸筋が凝って血流が悪くなっている証拠。すぐさまコリを撃退して！

理想の形と自分のバストの状態を知ったら、次は実践！気付いた時にすぐできて、それぞれ5分以内でOKのセルフマッサージを5つ教えていただきました。美乳トレーニングは短時間でも毎日コツコツ続けることが重要です。「筋肉のこわばりや緊張を解き放ち、バストを本来の位置に戻し、ふっくらとしたハリ感を手に入れましょう」（朝井さん）

1)    親指と人差し指の側面を使って、二の腕をつまんでほぐします。イタ気持ちいいくらいの強さで、腕の骨から筋肉や贅肉を引き離すイメージで。

2)    二の腕のお肉をしっかりつかんで、内側から外側に向かって絞り上げます。雑巾絞りをイメージして、しっかりねじり、腕を外に外にと開いていきます。内巻きになった肩や腕のねじれを正すことが重要です。

3)    ぴたっと手の平を腕の下側に当て、二の腕のぜい肉をすべて移動させるつもりで肘から脇に向かって流します。10回繰り返します。

4)    親指以外の指を脇の下に当て、親指とでわきの前側を挟みます。脇を挟んだまま、腕を伸ばして大きく後ろ回しを10回。内側に巻いた肩が更に開かれます。腕を回す時は肘が曲がらない様に注意しながら、ゆっくり大きく回しましょう。

5)    最後はしっかり脇に流し込んで。これを10回繰り返しましょう。逆側も同様に。

1)    片手の指を揃え、バストを支えるように下側に添えます。マッサージ時にバストが無駄に動かないように固定することでクーパー靭帯へのダメージを防ぎます。

2)    逆側の4本の指で、鎖骨下からバスト上部を内側から外側へ円を描くようにくるくると圧をかけながらマッサージ。最後は脇の下のリンパに流すイメージで片側5～10回行いましょう。

3)    反対側も同様に。大胸筋をほぐすため、表面をさするのではなく、筋肉に届く圧をかけます。コリがある場合は多少痛みを感じる可能性もありますが、無理せずイタ気持ちいいくらいの強さで行います。

1)    片手の指を揃え、逆サイドのバストを体の内側へ寄せます。

2)    もう片方の手はグーにして、第二関節の骨で脇からバストトップに向かって肋骨の筋肉をえぐるようにさすり上げます。この時、1)の支え手と共にグーをスライドさせ、両手で脇の肉をバストへ移動させます。深く息を吐きながら行いましょう。

3)    無理強いせず、イタ気持ちいいくらいの圧で行います。脇の下の高さからスタートして、拳ひとつ分ずつ下にずらし、合計3つのラインで同様に。左右それぞれのバストを各ライン10回ずつ、合計30回行います。

1)    垂直に立てた親指の先をさすように、大胸筋をぐっとプッシュ。1箇所3秒カウントし、ゆっくり離します。

2)    左右20プッシュ以上、筋肉に届く圧（皮膚に軽くめり込むくらい）をかけ、イタ気持ちいい程度に押します。左右対称に行う必要はなく、特に凝っていると感じる部分を念入りにし、広範囲にまんべんなく行ってください。片手で行っても両手同時に行ってもOK。

3)    鎖骨下から脇周り、アンダーバストと広範囲に行って大胸筋全体に働きかけます。バストトップは皮膚や感覚がデリケートなので避けましょう。

1)    片方の親指と人差し指、中指の3本の指を使って、逆サイドの鎖骨をグイッとつかみます。痛い場合は手加減して！

2)    3～5秒程度つかんだら緩めます。鎖骨ラインのできるだけ多くの箇所でこれを繰り返し、鎖骨の際に溜まった老廃物を流していきます。

「筋肉にアプローチするトレーニングが多いので、なるべく上半身裸で行うと効果的。お肌への摩擦を軽減できるので、ボディオイルやボディクリームを使って滑りをよくするのがおすすめです。朝出掛ける前に行えば血色が良くなるし、お風呂上がりや寝る前なら呼吸が深くなり、睡眠の質もアップします。毎日の積み重ねでバストは必ず変わります。身体が美しく変わった時の喜びを実感してみてくださいね」（朝井さん）

バストに合った下着をつけて、毎日マッサージをして、睡眠や食事などの生活習慣を改善することですぐに良い変化が現れる人もいれば、なかなか続かない、結果が出ない人もいるそうで……。その差について朝井さん曰く、「マインドが関係していることがわかったんです。なぜ？と思うかもしれませんが、バストケアをすると気持ちまで変わるほど、心と体は密接につながっています。整体師として、心と体の両方にアプローチすることの大切さを伝えていきたいと思っています」。

ストレスが多いと筋肉は緊張状態になり、いくらマッサージをしてもなかなか緩むことはありません。ここで大きく関わってくるのが、普段私たちが何気なく行っている呼吸です。

「バスト周りには呼吸に関わる筋肉が集まっています。不安になった時やストレスを感じた時、体が力んで呼吸が浅くなるのを感じたことはありませんか？呼吸が浅くなれば、血液の巡りが悪くなり、筋肉も張りつめて凝り固まった状態に。そうするとバストにも影響が生じ、さらに心身の不調を招くという悪循環に陥ってしまいます」（朝井さん）

でも、逆に考えてみるとどうでしょう。呼吸を整えることができれば、取りも直さず気分までポジティブになれる可能性があるということ。硬くなってしまった筋肉が緩めば、様々な働きかけが好転しやすくなり、バストも本来の位置に戻り、理想の形に近づくことだってできるのです！

では、魅力的なバストとマインドを育てるために、今すぐ呼吸を意識してみましょう。「まずは眉間にシワを寄せて、怒った顔で深呼吸してみてください。筋肉がこわばり、なんだか呼吸しづらいですよね。では、口角を上げてにっこりと笑顔で深呼吸してみましょう。怒った顔よりも呼吸がしやすくなり、空気の流れがスムーズになるのがわかるはずです」（朝井さん）

表情ひとつで呼吸の質は大きく変わります。すると、マインドも変わり、ポジティブな気持ちで自分の体と向き合うことができます。もし疲れた顔でネガティブになっていると感じたら、キュッと口角を上げてスマイル！明るいマインドと美バストのための小さな習慣です。

ポジティブなマインドでいることと毎日のマッサージのほかに、バランスよく食べることもバストケアには大切なポイント。「食べることはエネルギーを体に取り込むということ。無農薬の新鮮な野菜や昔ながらの手作り調味料、愛情を込めて作られた料理など、生命力のあるものを選んでバランスの良い食事を心掛けて。体に良いからと苦手なものを我慢して食べる必要はなく、自分が喜ぶ心地良いと感じる食べ物を選んでみてください。「これさえ食べればいい！」というものはありません。おすすめは旬の食材を取り入れること。季節に合った体作りのお手伝いをしてくれますよ」（朝井さん）

女性にとってもっとも大切なボディパーツともいえるバスト。小さな胸がコンプレックスという人も、実は密かに自分のバストラインに自信を持っている人も、女性である限りバストに関してはあれこれ思いを巡らせてしまうもの。バストと一生付き合っていくために、美しさをキープするだけでなく全身のキレイと健康を生み出す“乳トレ”を早速今日から始めてみませんか？

朝井麗華／経絡整体師
アロマセラピーや東洋医学、中国整体推拿、筋膜理論などを融合した独自のメソッドを確立。多くの体型悩みや不調の改善だけでなく、心と体の両方からアプローチするホリスティックな技術と知識を提供する。プライベートサロン「氣Reika」、施術者育成に尽力する「氣Reikaアカデミー」主宰、バストケアサロン「B by Reika asai」プロデュースのほかメディアでも活躍。著書は『おっぱい番長の「乳トレ」』（講談社）『水毒を溜めない人は美しい』（大和書房）など多数。

顔と同じで、バストにも適切なアイテムを使ってケアしたいもの。マッサージと同時に保湿を行うことでハリとツヤ感も増していきます。メゾンレクシアの「メゾンレクシア ボディミルク サイレントエコー（写真中央）」や「メゾンレクシア ボディオイル グランブーケ（写真右）／クリアアコード（写真左）」なら、とろけるようになじむ心地よいテクスチャーと落ち着きのある香りが深いリラックスを与えてくれて、理想のバストに近づけると同時に女性らしさも高まるはず。お気に入りのアイテムとともに、楽しみながら乳トレを続けていきましょう。