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監修者:公益社団法人 日本アロマ環境協会認定環境カオリスタ、アロマテラピー検定1級 藤巻慧子
お香のような、甘く温かみのある香りのサンダルウッドは、古くから珍重されてきた香木です。サンダルウッドは香水やお線香など、さまざまなものに用いられているため、親しみを感じる人も多いはず。サンダルウッドの香りの特徴や精油に期待できる効果、注意点、サンダルウッドの香りの楽しみ方について紹介します。
目次
監修者:公益社団法人 日本アロマ環境協会認定環境カオリスタ、アロマテラピー検定1級 藤巻慧子
古くからアジア文化と深い関わりのあるサンダルウッド。まずは、サンダルウッドの特徴や香り、歴史について紹介します。
サンダルウッドの和名は白檀(びゃくだん)です。もともとはインド南部のマイソールが主な産地でした。しかしインドでサンダルウッドが絶滅危惧種に指定されたため、伐採・輸出に制限がかけられています。
そもそもサンダルウッドは希少な香木で、特有の香りを放つようになるまでには少なくとも30年以上の時間が必要です。より上質な芳香を得るには80年以上かかるとも言われ、簡単に手に入るものではありませんでした。
そのため現在は、オーストラリア産のサンダルウッドの流通量が増えてきています。植物起源は異なりますがインド産と同じビャクダン属です。甘く重厚な香りがよく似ていますが、インド産に比べ、少しシャープさがあるのが違いです。
サンダルウッドは、温かみのある甘い香りが特徴です。寺院やお仏壇にあげるお線香にも広く使われているため、日本でもなじみ深い香りです。宗教的な儀式や瞑想にも用いられることから、内面的な世界との結びつきが強く、神聖で神秘的な印象を持つ香りとも言えるでしょう。
サンダルウッドは、何千年も前からアジア圏で用いられてきた香木です。例えば、仏教やヒンドゥー教の寺院で焚かれたり、死者を来世に運ぶと言われて宗教儀式に用いられたりなど、日本でも瞑想や宗教儀式などにサンダルウッドが用いられてきました。インドの伝統医療であるアーユルヴェーダでは、現在も薬草としてサンダルウッドが使用されています。
サンダルウッドの香りは、「クラシカル」「気品がある」「エキゾチック」「官能的」など、人によって抱く印象が異なります。サンダルウッドがどんな印象を与える香りなのか知っておくと、香りで自分の印象を演出したい時に役立つでしょう。一般的なサンダルウッドが与える印象を紹介します。
サンダルウッドの甘みのある重厚な香りは、高貴で気品のある印象を与えます。かつては貴人だけが手に入れられる貴重な香木であったという歴史的な背景からも、高貴な印象がうかがえます。
サンダルウッドは、たおやかな印象を持つ“香道”にも欠かせない香木です。香道のイメージからサンダルウッドに品を感じる人もいるのではないでしょうか。
サンダルウッドは深みと落ち着きのある香りであるため、クラシカルな印象を与えます。ただし、お線香や数珠などの仏具にも使われる香木で、サンダルウッドそのものの香りは少し古めかしさを感じるかもしれません。
身に纏う香水を選ぶ際は、サンダルウッドと調香されている香料にも注目すると良いでしょう。シトラスやフローラルのような人気の香りにサンダルウッドが調香されていれば、バランス良くクラシカルな印象を与えられますよ。
サンダルウッドの甘い香りは「うっとりするような」と表現されることも多く、官能的な印象を与えられます。深いリラックスへと導く働きから、古くは媚薬として用いられてきた歴史もあります。
サンダルウッドは甘い香りではあるものの、華やかというよりは落ち着きのある香りです。そのため、静かで安らかな印象も持っています。心を鎮めて穏やかにさせる香りで、自身の内面と向き合う瞑想に用いられることもあります。
サンダルウッドは、エキゾチックな印象と表現されることもあります。アジア地域に根ざした香りであるため、西洋から見ると異国の情緒や雰囲気を感じさせるのかもしれません。
サンダルウッド精油は、心身にさまざまな働きかけをしてくれます。ここでは、サンダルウッド精油がもたらすと言われる効能効果を紹介します。
サンダルウッドの香りは精神面へ穏やかに作用し、不安感や緊張を和らげて心をリラックスさせる効果があるとされています。頭痛がする時や眠れない時などに取り入れると良いでしょう。芳香浴やアロマバスなどで香りを楽しむのがおすすめです。
ただしサンダルウッドは神経が高ぶっている時の使用に向いているため、落ち込んでいる時に使用するのは避けてください。
サンダルウッドには性欲を高める催淫作用があるとされています。男性の汗に含まれるフェロモンと似た成分が含まれており、香りを嗅ぐことで女性の性的興奮を高めるそう。気分の高揚はポジティブな気持ちにもさせてくれます。アロマバスやアロマポット、ディフューザーで香りを楽しむ、キャリアオイルで希釈したサンダルウッド精油を肌に塗布するなど、さまざまな使い方があります。
サンダルウッドの主成分であるサンタロールには、血行促進効果や利尿作用があると言われています。不要な水分や老廃物を排出し、冷えやむくみの改善に役立ちます。精油を用いたアロマバスや、キャリアオイルで希釈した精油を使うマッサージがおすすめです。
サンダルウッド精油には、皮脂の分泌を調整する効果や保湿作用、皮膚を柔らかくする作用もあると言われています。キメを整え、肌荒れを防ぐ美肌効果が期待できます。
使い方はキャリアオイルで精油を希釈して、肌に塗布するだけと簡単です。エイジングケア※ならアルガンオイル、保湿効果ならホホバオイルなど、組み合わせるキャリアオイルの肌への働きにも注目すると良いですね。
※年齢に応じたお手入れ
サンダルウッド精油にはさまざまな効果が期待できる反面、体調によっては使用を控えた方が良い人もいます。使用時の注意点もあるので、事前に覚えておきましょう。
妊娠中であっても、精油の香りを楽しむくらいなら問題ありません。ただし妊娠中は香りに敏感になる人も多く、不快に感じることもあります。
また精油の中にはホルモンバランスに影響するものなど、妊娠中に不向きなものも。サンダルウッドはホルモンバランスに作用するものではありませんが、妊娠初期は控えた方が無難と言えます。
精油には経口毒性があります。精油を用いた食品や飲料、歯磨き粉などもありますが、これらは安全性を確認して販売されているものです。自身が精油を取り扱う場合、原液はもちろん、希釈したものであっても口にすることは避けてください。
もし誤って飲んでしまった場合は、大量の水で口をすすぎます。飲んでしまったのが子どもなら、すみやかに医療機関を受診しましょう。その際、飲んだ精油と量がわかるようメモを取っておきます。
また、手に精油がついた状態で目をこすってしまわないように気をつけてください。目に入ってしまったら水で洗い流して、こすらないようにします。洗い流しても違和感などある場合は、医師の診察を受けてください。
サンダルウッドに限らず、精油を肌につける際はキャリアオイルなどで1パーセント以下(30mLあたり1〜6滴が目安)に希釈します。原液のまま使用すると肌への刺激が強いためです。
顔に使用する際は、0.5パーセント(30mLあたり1〜3滴が目安)にしてください。敏感肌の人は体への使用であっても低濃度に調整して、様子を見るのがおすすめです。
さまざまな場面で使われているサンダルウッドですが、なかには香りを苦手と感じる人もいるかもしれません。サンダルウッドの効能が自分の悩みに効果的であっても、苦手な香りなら無理に使わなくて構いません。苦手な香りはストレスを感じることもあります。アロマテラピーでは自分の好きな香りの精油を選ぶことが基本です。
寝具や衣類などのファブリックにスプレーしたり、アロマバスにしたりなど、サンダルウッドの香りの楽しみ方にはいろいろなものがあります。サンダルウッドの香りの楽しみ方について紹介します。
手軽に精油の香りを楽しむなら、アロマスプレーがおすすめです。寝具や衣類などのファブリックにシュッとひと吹きするだけで、部屋にサンダルウッドの香りが広がります。市販品もありますが、簡単に手作りもできます。
<材料>
<作り方>
布製品に使う時は、最初に目立たないところでシミにならないか確認してくださいね。
サンダルウッド精油を用いた手作り入浴剤で、簡単にアロマバスを楽しめます。お風呂の湯気とともに良い香りが立ちあがります。落ち着いた香りなので、安眠効果も期待できそうです。38〜40度ぐらいの、ややぬるめのお湯に時間をかけて入ると、体をゆっくりと温めてリラックスできるでしょう。
<材料>全身浴1回分
※半身浴の場合は、精油は1〜3滴、塩、重曹、はちみつは大さじ1にする
<準備するもの>
<作り方>
天然塩には血行を良くして、発汗を促す効果があります。弱アルカリ性の重曹は酸性である肌と中和して、湯あたりがよくなる効果が、はちみつには保湿を高める効果が期待できます。
揮発した芳香成分を取り入れる芳香浴は、マグカップを使うと手軽にできます。やり方はとても簡単。まずマグカップに熱湯を注いで、2〜3滴の精油を落とします。そして、湯気に顔を近づけて深呼吸します。これは蒸気吸入法とも呼ばれる方法です。精油の成分が目に刺激を与えることがあるため、目は閉じるのがポイントです。
サンダルウッドはさまざまな製品にも使われています。香水もその一つで、多くのブランドがサンダルウッドの香りを用いた香水を販売しています。その他、お香、ボディソープ、スキンケアアイテムなどにも用いられます。身近なアイテムからサンダルウッドを取り入れてみてはいかがでしょうか。
サンダルウッドの香りを楽しむなら、フレグランスはもちろん、ボディケアやスキンケアアイテムにも魅力的な製品が揃っています。上質なサンダルウッドの香りが広がる、メゾンレクシアおすすめのアイテムを紹介します。
スカルプケアとボディケアが同時に叶う、スカルプエイジング※トリートメント。頭皮環境をすこやかに整えて、ハリやコシのある美しい髪に導きます。バスタイムのついでに使用でき、スカルプケアに加えボディマッサージにも使えるのが魅力です。
ベースノートにサンダルウッド、さらにコリアンダーやラベンダーを使ったウッディー・スパイシーの香りが、バスルームをリラックス空間に。
※年齢に応じたお手入れ
きめ細かい濃密な泡で、やさしい洗い心地のボディ&ハンドウォッシュです。植物エキスをたっぷりと配合しており、洗い上がりはしっとりなめらか。香りは、マジョレルブルー・ロージーパリュール・フレッシュスクイーズ・パストラルアーチの4種類です。
マジョレルブルーはベースノートにサンダルウッドを使用し、ゼラニウムやイランイランなどの濃厚で温かみのある香りがエキゾチックな印象を与えます。
繊細に表情を変える、天然ならではの香りの魅力を際立たせた「メゾンレクシア」のフレグランスには、個性豊かな6種のオードパルファムが揃います。
中でもベースノートにサンダルウッドの柔らかな余韻が広がる「ジンズ ウインド」は、普遍的な愛を意味する、儒教の「仁」に由来するオードパルファム。爽やかな風を運ぶフレッシュな柑橘にローズが美しく調和し、針葉樹のグリーンと神聖な香木が香りに奥行きを与えます。心が解放され、懐かしく穏やかな安らぎへ誘います。
長い歴史の中で、古くから人々の心を強く惹きつけてきたサンダルウッドの香り。その神秘的で気品溢れる香りはさまざまなアイテムに用いられ、今なお私達を魅了しています。精油はもちろん、香水やボディケアアイテムなどの身近なアイテムからサンダルウッドの香りを取り入れてみてください。
WEBメディアディレクター。コンテンツSEOに特化したライターの育成も行う。自分自身の心身の健康のため、精油を学ぶ。心地よさを重視した、感覚ファーストな香り選びが得意。好きな精油TOP3はネロリ、コリアンダー、イランイラン。