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監修者:公益社団法人 日本アロマ環境協会認定環境カオリスタ、アロマテラピー検定1級 藤巻慧子
精油の成分が持つ作用を活かせば、カメムシなどの虫が寄ってくるのを防げます。精油を使った虫除けアロマスプレーは、少しの材料・道具だけで簡単に手作り可能です。この記事では、精油の成分が持つ効果効能や、虫除け作用のある代表的な精油、虫除けを期待できるアロマをおうちで簡単に楽しむ方法とともに、虫除けアロマスプレー・クリームの作り方を紹介します。
目次
監修者:公益社団法人 日本アロマ環境協会認定環境カオリスタ、アロマテラピー検定1級 藤巻慧子
虫除けアロマスプレーの材料でもある精油には、心や身体、ウィルスなどに対するさまざまな作用があります。その中の一つが虫除け作用です。それぞれについて詳しく紹介します。
精油の香りが持つ効果としてよく知られているのが、不安な気持ちを和らげ、心と身体をリラックスさせてくれる鎮静作用や、胃腸の働きを活発にしてくれる消化促進作用、食欲増進作用です。
また、ホルモンの分泌を調節するホルモン調節作用、免疫力を高める免疫賦活(めんえきふかつ)作用なども期待できます。
精油の香りは、人だけでなく細菌やウィルス、虫にも効果的です。細菌やカビ、酵母などの真菌、ウィルスなどが増えるのを抑える抗菌・抗真菌作用や、抗ウィルス作用があります。
また、市販の防虫剤に使われている天然成分や精油もあるように、虫除け作用も期待できます。
心や身体への作用だけでなく、精油の種類によっては虫除け効果も実感できるアロマ。ここでは、虫除け効果に期待ができる成分を含む、代表的な精油を見ていきましょう。
多くの種類がありますが、具体的には以下の成分が虫除け作用があると言われています。
ペパーミントには、特徴成分であるl-メントールと、虫除け作用のある1,8-シネオールが含まれています。清涼感あるメントール(ハッカ)の独特な香りは、カメムシや蚊、ゴキブリ、クモ、アリなどの防虫に効果的です。
とくに近年大量発生しているカメムシは、メントールの香りが大の苦手なので、ベランダや玄関にカメムシを寄せ付けないためには、ミントを活用するとよいでしょう。 窓やドアの周辺にミントを置くだけでも香りが広がり、カメムシ対策になります。
その他、ペパーミントには鎮痛作用もあるため、頭痛や片頭痛、筋肉痛、生理痛などを和らげてくれるでしょう。スーッとした香りによる刺激は、頭をすっきりさせて気分をリフレッシュしたい時にもぴったりです。
名前の通り、レモンのような香りが特徴のレモングラスには、蚊やハエ、ダニ、ノミなどが嫌うシトラールが特徴成分として含まれています。鎮静作用もあるため、不安やストレスなどで疲れた心を癒し、リラックスしたい時にもおすすめです。
ユーカリは、虫除け作用のある1,8-シネオールが特徴成分の精油です。ユーカリの精油はユーカリ・グロブルス、ユーカリ・ラディアータ、ユーカリ・シトリオドラの3種類があります。
この中で1.8-シネオールが多く含まれているのは、安価で手に入りやすいユーカリ・グロブルスですが、刺激が強いのが特徴。1.8-シネオールは、ユーカリ精油の中でも比較的刺激の少ない、ユーカリ・ラディアータにも同じように含まれています。
また、虫が嫌うシトロネラールが多く含まれているユーカリ・シトリオドラは、虫除けに活用されることが多い精油です。
「ローズゼラニウム」の別名を持つゼラニウムは、ローズとミントがミックスされたような、青みがかったやや甘い香りが特徴。シトロネロールが含まれているため、蚊などの虫除け効果に期待できます。その他、ゼラニウムには心のバランスを整えてくれる作用も期待できるでしょう。
他の精油との相性が良いため、アロマテラピーにもよく利用されるラベンダーは、フローラル系の甘さの中に、ハーブ調のさわやかさを感じるやわらかな香りが特徴です。
そんなラベンダーの特徴成分はラバンジュロール。虫が嫌うリナロールを含んでいるため、アロマを焚きながら眠ると、安眠効果を得ながら防虫効果も期待できます。
ここからは、虫除けと癒しの両方を叶える空間を簡単に作る方法を紹介します。どの方法も、精油があれば誰でも簡単にできるものばかりです。
ティッシュやハンカチに精油を1、2滴垂らし、枕元や机の上に置くだけで香りを楽しみながら虫除けができます。精油の成分が持つ効果・効能を強く感じたい時は、香りを深く吸い込みましょう。
ただし、精油自体に色がついている場合があるため、色移りすると困るものに使用する時は注意してください。こちらは特に簡単な方法なので、手軽に試せるのも魅力です。
お湯を入れたマグカップなどの耐熱容器に精油を数滴垂らすと、優しい香りが湯気と一緒に立ち昇ります。虫除けをしながらリラックス効果も得られる上に、簡単に持ち運びできるので、部屋を移動する時にも便利です。
アロマストーンは、素焼きの石や石膏で作られたものに、精油の香りを染み込ませるアイテムのこと。アロマプレートやアロマチャームとも呼ばれます。
アロマストーンに染み込ませた香りは自然に揮発するため、ほのかに広がる香りを楽しめます。玄関やトイレなど、狭い空間で虫除けをしたい時におすすめです。
香りを広範囲に広げるには、ディフューザーが便利です。気化式、噴霧式、加熱式、超音波式などの種類があるため、自分に合ったものを選びましょう。精油の使用量は、ディフューザーの取り扱い説明書に従ってください。
ちなみに、電気を使わないリードディフューザーもあります。リードディフューザーとは、精油を入れた容器にリードと呼ばれるスティックを挿し、香りを吸い上げて部屋に拡散させるものです。電気を使わないため好きな場所に置けるだけでなく、見た目が可愛いものならインテリアになるところが魅力。
ディフューザーは好きなタイプを使用して、良い香りに包まれたお部屋で虫を防ぎつつゆっくり過ごしましょう。
精油が身近な存在になってきたら、虫除け作用のあるアロマスプレーを手作りしてみてはいかがでしょうか。アロマスプレーは身体に優しいものですが、小さなお子さんがいる家庭では使用する際に注意が必要です。香りを楽しみながら虫除けもできる、虫除けアロマスプレーの作り方と、知っておきたい注意点を紹介します。
精油は光に当たると劣化しやすくなるので、早めに使い切る場合でも、容器は必ず遮光性のものを選びましょう。
①ビーカーに精油と無水エタノールを入れ、ガラス棒でよくかき混ぜる
※精油と精製水は混ざらないため、必ず無水エタノールに溶かす
②そこに精製水15mlを加え、ガラス棒を使ってさらにかき混ぜる
③遮光性のスプレー容器に②を移し替え、お好みでラベルを貼ったら完成
完成した虫除けアロマスプレーは、よく振ってから使用するのがポイント。虫が侵入してくる網戸や窓付近の他、お部屋の空間にスプレーして使いましょう。
①希釈していない精油は肌に直接つけないこと。
<精油を肌につける場合>
・顔以外の肌につける場合は、作る量に対し1%以下にする
・顔は0.1〜0.5%以下
※なかには皮膚刺激がある精油もあります。濃度だけで判断するのは難しいので注意しましょう。
②虫除けアロマスプレーを肌につける場合は、事前にパッチテストを行い、安全かどうかを確認すること。
※材料のエタノールは、人によってかぶれや赤みの原因となるため注意が必要です。
③子どもやペット、妊産婦さんがいる場合は、危険な成分が入っている場合もあるため注意すること。
④エタノールが含まれるため、虫除けアロマスプレーは火気のある場所では使用しないこと。
⑤手作りの虫除けアロマスプレーには防腐剤が入っていないため、長期間の保存はできません。
※完成後、1~2週間程度を目安に使い切ってください。
手や身体の乾燥を防ぐために欠かせないクリーム。実は、少しの材料と道具だけで手作りが可能です。虫除け作用のある精油も混ぜることで、乾燥と同時に虫除け対策も叶えられます。ここでは、虫除けアロマクリームの作り方と注意点を詳しく解説します。
必要な材料は精油、蜜蝋、ホホバオイルのみ。また、使用する道具は虫除けアロマスプレーを作る時と共通の物ばかりです。
ちなみに、ゼラニウムやラベンダーは化粧品にもよく使われる精油です。
虫除けアロマハンドクリームの作り方は簡単。慣れると10分程度で作れるため、気軽に試してみてくださいね。
※湯煎にかける際は火傷に注意しましょう。
虫除けアロマクリームの保存期間は2ヵ月程度ですが、早めに使い切ることを意識してください。人によっては肌に合わない場合もあるため、使用前にパッチテストを行うのがおすすめです。また、パッチテストでは問題がなくても、使用中に違和感を覚えた場合はすぐに使用を中止しましょう。
その他、安全性を考えて、赤ちゃんや子どもの肌に使うのは避けてください。
虫除けアロマスプレーは、虫から守ってくれるだけでなく、リフレッシュや癒しなど、幅広い作用に期待ができるアイテムです。少しの道具で簡単に手作りできるので、ぜひ自分だけの虫除けアロマスプレーやクリームを作ってみてくださいね。今年は虫除けアロマスプレーやクリームを使って、心も身体も快適な毎日を送りましょう。
WEBメディアディレクター。コンテンツSEOに特化したライターの育成も行う。自分自身の心身の健康のため、精油を学ぶ。心地よさを重視した、感覚ファーストな香り選びが得意。好きな精油TOP3はネロリ、コリアンダー、イランイラン。