香水の香りを表現する「香調(ノート)」って?人気の種類を男女別に紹介

香水の香りを表現する「香調(ノート)」って?人気の種類を男女別に紹介

LIFESTYLE

Mar 01, 2024

香水を始めとする香りの世界では、香調(ノート)という言葉で香りの種類をタイプ別に分けています。その他にも、時間経過による香りの変化もノートと表現されます。本記事では、香調という表現についての解説や、香水を形作る主な分類と特徴の他、人気の高い香りを男女別に紹介していきます。

目次

  1. 香水の香りを表現する「香調(ノート)」の基本情報
    1. 香りの種類を表す分類のこと
    2. 時間経過の表現にも使われる
  2. 香水の代表的な香りって?主香調&副香調について
    1. 香水の主香調8種
    2. 香水の副香調9種
  3. 【女性】人気の香水に用いられる香調4つ
    1. 優しい印象を与える「フローラルノート」
    2. 柑橘系の爽やかな香り「シトラスノート」
    3. フレッシュな香りの「フルーティーノート」
    4. 温かみがあり奥深い「ムスキーノート」
  4. 【男性】人気の香水に用いられる香調4つ
    1. 海辺を連想させる「マリンノート」
    2. 整髪料のような香りの「フゼアノート」
    3. 渋さを感じる「レザーノート」
    4. 落ち着いた印象の「ウッディノート」
  5. 稀少な天然香料が繊細に香る、おすすめフレグランス
  6. 香りの表現「香調(ノート)」を知って、香水をより楽しんで

香水の香りを表現する「香調(ノート)」の基本情報

香水などの香りの世界では、“香調”という言葉がよく用いられます。まずは、香りを表現する上で欠かせないワード、香調の意味をチェックしていきましょう。

香りの種類を表す分類のこと

香調とは、香りの種類を表す分類のことです。香水の世界では香りのタイプを分類し、それぞれ「○○ノート」と呼びます。例えば、柑橘系の香りならシトラスノート、花の香りならフローラルノートという名がついています。香水の香りを調合する調香師は、香水のコンセプトに合わせて香りの強さや相性などを考えながら、バランス良くさまざまな種類のノートを使い分けているのです。

時間経過の表現にも使われる

香水は揮発性の高いものから低いものへと、順番に香りが移り変わっていくのが特徴です。ノートという言葉は香りの種類だけではなく、時間経過による変化に対しても使われます。時間経過によるノートは、次の3段階に分けられます。

  1. トップノート:付けてすぐに立つ香り
  2. ミドルノート:配合されているすべての香料がバランスよく香る
  3. ベースノート:数時間経って香りが消えるまでの残り香

時間経過による香りの変化は香水によってまちまちですが、平均するとトップノートは5~10分、ミドルノートは30分~2時間、ベースノートは2時間以降に感じられます。

香水の代表的な香りって?主香調&副香調について

香水の香りは系統ごとに分類されています。国際的な分類基準となっているのは、ドイツのシムライズ社による8つの主分類と9つの副分類です。ここからは、それぞれの分類と特徴を紹介していきます。

香水の主香調8種

主香調とは、香水で使用される代表的な香りの種類を指します。以下は、主香調の一覧です。

シトラス レモン、グレープフルーツ、ベルガモット、オレンジなどの柑橘系。爽やかな酸味と、みずみずしい甘さを感じられる。ユニセックスな香り。
グリーン 植物の葉を想起させる爽やかでナチュラルな香り。青みを強く感じるものや、青さの中にフローラルさを含んだものなどがある。
シングルフローラル ローズ、ジャスミン、ガーデニアなど、1つの花で構成される香り。シンプルさやカジュアルさを感じられる。
フローラルブーケ 複数の花を組み合わせて作られる香り。華やかで優雅な印象。女性用の香水に多く用いられる。
フローラルアルデハイド 花の香りに合成香料アルデハイドを合わせたもの。甘さの中に温もりや深みが加わった、セクシーでモダンな香り。
シプレー オークモス(苔)とシトラスのベースに、フローラルやアニマリック(動物性香料)などを配合したもの。フォーマルな印象の香り。
オリエンタル 東洋をイメージするエキゾチックでミステリアスな香り。バニラ、白檀、フランキンセンスなど中東やアジアで主に採取される香料。
フロリエンタル フローラル系の香りとオリエンタル系の香料を組み合わせたもの。甘さの中に個性を感じられる。

香水の副香調9種

副香調とは、上で紹介した主香調と合わせてより具体的に香りを表現したものです。以下は、副香調の種類です。

フルーティー アップル、ピーチ、ストロベリーなど、柑橘系以外の果実の香り。親しみやすい印象。
アルデハイディック 脂肪族アルデハイド類を使用した香り。少量加えるだけで、香りに深みが増す。
パウダリー 白粉のような粉っぽく甘さのある化粧品らしい香り。バニリン、ヘリオトロピンなどが主流。
ウッディ 樹木をイメージさせる香り。サンダルウッド、シダーウッド、ベチパーなど。知的で落ち着いた印象。
モッシィ 樫の木に付着する苔の香り。しっとりとした森林のような印象。クラシカルとも表現される。
スパイシー 刺激的なスパイスの香り。クローブ、ナツメグ、シナモン、ペッパーなど。辛さのあるものや甘さのあるものまでさまざま。
レザータパック 皮革やタバコを感じさせる香り。ダンディさや大人っぽさのある印象。
バルサミック 樹脂や樹液の香り。甘くて深みと重さがある。
アニマリック 動物性香料の香り。アンバー、ムスクなど。セクシーな印象。

なお、香りの表現で2つの表現が含まれる場合、前がアクセントとなる副分類、うしろが主分類の場合が多いです。例えば「パウダリーオリエンタル」という表現の場合、「パウダリー」が副分類、「オリエンタル」が主分類となり、エキゾチックで甘さのある香りと読み解けます。

【女性】人気の香水に用いられる香調4つ

人気の香調は、男女によって異なる傾向があります。まずは、女性に人気が高く、女性用香水に多く用いられるノートを紹介していきます。

優しい印象を与える「フローラルノート」

花を想起させるフローラルノートは、古の時代から今もなお女性からの人気が衰えない香りです。甘く優しい、やわらかな香りのものが多いのがポイント。代表的なものはジャスミン、ミュゲ、ローズなど。シトラスやオリエンタルノートと相性が良いと言われています。

柑橘系の爽やかな香り「シトラスノート」

グレープフルーツやオレンジ、ベルガモットなどの柑橘系の香りがシトラスノートです。フレッシュで爽やかな香りで、明るく前向きな気持ちにしてくれるでしょう。シトラスノートは男女ともに好まれやすい香りなので、ユニセックスに使用できます。どのノートとも合わせやすい傾向にありますが、同じシトラスノート同士のものは特に好相性です。

フレッシュな香りの「フルーティーノート」

アップルやベリーなど、シトラス系以外のフルーツの香りはフルーティーノートと呼ばれます。フレッシュでみずみずしく、甘い香りが多い傾向。フルーティーノートは、フローラルやシトラス、オリエンタルなど、相性の良いノートも多いです。

温かみがあり奥深い「ムスキーノート」

ジャコウジカの生殖腺分泌物であるムスクの香りです。現在流通しているムスクの香りは天然のものではなく、合成のもの。温かさ、艶っぽさ、官能的な奥深さがある魅力的な香りで、「石鹸のような香り」と表現されることもあります。ムスキーノートはどんな種類の香りとも合いますが、特におすすめのものはウッディ、フローラル、シトラスノートです。

【男性】人気の香水に用いられる香調4つ

男性から人気の香調は、渋さや爽やかさを感じられる香りが多い傾向です。男性用香水の定番にもなっている人気のノートを紹介していきます。

海辺を連想させる「マリンノート」

マリンノートはその名の通り、海辺や海藻を想起する爽やかな香りです。天然の香料では、シーウィード(海藻)が多く流通しています。また、合成香料で作られるアクアノートやオゾンノートも、水をイメージさせる香りとしてマリンノートに分類されることがあります。マリンノートと相性が良いのは、シトラス、ウッディ、フルーティー、フローラルノートなどです。

整髪料のような香りの「フゼアノート」

フゼアノートは、男性のフレグランスアイテムに多く使われています。ラベンダーやオークモスに含まれるクマリンという成分を中心に作られ、昔ながらの整髪料のような香りを感じられます。フゼアノートとよく組み合わせられるのは、ハーバル、ウッディ、マリン、フローラルノートです。

渋さを感じる「レザーノート」

レザージャケットなどの革製品を想起させる香りが、レザーノートです。渋さや落ち着きを演出するのに最適で、シプレー 、ウッディ、オリエンタルノートと相性が良い傾向にあります。

落ち着いた印象の「ウッディノート」

ウッディノートは樹木を思わせる落ち着いた香りが特徴的。シダーウッドやサイプレス、サンダルウッドなど、原料となる樹木の種類によって香りに幅があるのも魅力です。シトラスやシプレ、スパイシーノートなど、相性が良い香調が多く、安定した人気を維持しています。

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香りの表現「香調(ノート)」を知って、香水をより楽しんで

香水はどのノートをブレンドするかで、印象が大きく変わります。さまざまな香調の中から、自分好みのものを知っておけば香水が選びやすくなるでしょう。調香師の表現する香りの世界を、ぜひ楽しんでみてくださいね。