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北海道をはじめ、日本の沿岸部に自生する「ハマナス」。その花は「日本のバラ」とも呼ばれ、鮮やかな赤紫色の美しさと豊かな香りで、多くの人々を魅了してきました。本記事ではハマナスの花の特徴や香りの魅力に触れるとともに、香水やアロマ製品として楽しむ方法、さらに甘く爽やかなハマナスの香りが魅力的なおすすめのフレグランスを紹介します。
ハマナスは日本原産のバラで、「北海道の花」にも指定されています。英語では「Japanese Rose(日本のバラ)」と呼ばれ、その名の通り、日本を象徴する花の一つです。この花には、美しい見た目だけでなく、奥深い特徴や文化的・歴史的な背景が隠されています。まずは、ハマナスの特徴や名前の由来、花言葉、さらに日本文化とのつながりについて見ていきましょう。
ハマナスはバラ科バラ属の低木で、樹高は約1~1.5メートルです。原産地は日本から東アジアにかけて広がり、その日本原産という特徴から「日本のバラ」とも呼ばれます。6月~8月の開花時期には、バラに似た赤紫色や白色の花を咲かせ、花が散った後には、ミニトマトのような形状の赤い実をつけるのが特徴です。類似する花には、ナニワイバラやノイバラなどがあります。
寒さに強いハマナスは、北海道をはじめ千葉県や鳥取県以北の海岸砂地に多く自生しています。また、太平洋側では茨城県鹿嶋市が自生地の南限とされています。
ハマナスは砂浜に自生し、その実が梨に似ていることから、もともとは「ハマナシ」と呼ばれていました。しかし、ハマナスが自生する東北地方では、「し」を「す」のように発音するため、次第に「ハマナシ」ではなく「ハマナス」と呼ばれるようになりました。それに伴い、和名も「浜梨」から「浜茄子」へと変化したとされています。
ハマナスの花言葉には、「豊かな香り」「見映えのよさ」「旅の楽しさ」「美しいかなしみ」があります。明るい印象の花言葉が並ぶ中で、「美しいかなしみ」だけが異彩を放っていますが、これはハマナスの花の咲き方に由来しているとされています。ハマナスは一日花で、美しい花を咲かせても1日で散ってしまいます。その儚さから、「美しいかなしみ」という花言葉がつけられたといわれています。
ハマナスは万葉集に登場し、詩歌にも詠まれるなど、古くから日本で親しまれてきた花です。現代においても、天皇皇后両陛下が北海道でこの花をご覧になり、強い印象を受けられたことから、皇后雅子さまのお印(シンボルマーク)となっています。また、北海道や東北地方、茨城県にあるハマナスの自生地は、観光名所としても広く知られています。
1978年、北海道開道110年を記念して行われた一般公募により、ハマナスは北海道の花に指定されました。その歴史は古く、先住民であるアイヌの人々との深い関わりが見られます。アイヌの人々はハマナスの実を食料として利用したり、儀式に用いたりと、生活の中で活用していたとされています。
また、1876年には石狩海岸で摘まれたハマナスの花から香水(現在の芳香蒸留水と考えられます)が試験製造されました。1880年には宮城県で開催された博覧会にハマナスの香水が出品されるほど、ハマナスの芳香は高い評価を受け、多くの人々に親しまれていました。
ハマナスの花は、その美しい見た目だけでなく、豊かな香りとさまざまな効能を持つことで知られています。ここでは、ハマナスの香りの特徴やその効能についてご紹介します。
ハマナスの花は、みずみずしく甘い香りを漂わせます。その豊かな香りは多くの人々を魅了し、精油や香水の原料としても広く利用されています。
ハマナスの香りには、心地よくリラックスさせてくれたり、心身のバランスを整える可能性があるとされています。
<リラックス効果>
ハマナスの香気成分に含まれるゲラニオール、シトロネロール、リナロールなどはリラックスを促し、快適な睡眠環境をサポートすると言われています。
<バランス調整>
ハマナスの花弁には、女性のライフスタイルに寄り添ってくれる成分として知られるゲラニオールが含まれています。
ハマナスの花は、香水やアロマ製品で香りを楽しむ方法から、食品や飲料で味わう楽しみ、さらには自宅で育てて鑑賞する喜びまで、さまざまな活用法があります。ハマナスをより身近に楽しむための具体的な方法を紹介します。
ハマナスのほのかな甘い香りを楽しみたい時は、香水やアロマ製品がおすすめです。香水は単品使いだけでなく、2~3種類の香水を重ねて使うレイヤリング(重ね付け)も楽しめます。ハマナスの香りで癒されたい時は、ハマナスの精油を試してみてはいかがでしょうか。ハンカチに精油を垂らしたり、アロマバスにしたりと、さまざまな活用方法があります。
香水のレイヤリングと精油の活用方法について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
ハマナスの実は甘みと酸味があり、食用としても楽しめます。ジャムや果実酒、お茶などに利用されており、ネットショップでも購入可能です。香りだけでなく、味もぜひ堪能してみてはいかがでしょうか。
ハマナスが自生している地域に足を運ぶのが難しい、または自宅で鑑賞したい場合は、自分で栽培する方法もあります。育てる際は、日当たりと風通しの良い場所を選ぶことが大切です。地植えでは基本的に水やりは不要で、水はけが良ければどんな土質でも育つため、比較的育てやすいでしょう。ハマナスの花は一日花ですが、次々に咲くため、開花時期は毎日のように楽しむことができます。
メゾンレクシアには、花や草木、果実などから得られる稀少な天然香料をふんだんに使用したフレグランスが揃います。2025年3月3日(月)には、ハマナスの甘く爽やかな香りが楽しめるオードパルファム「メゾンレクシア シーサイド ブルーム」を限定新発売。フレグランス初心者から愛用者まで、どなたでも楽しみやすい限定品です。
メゾンレクシアのこだわりが詰まったフレグランスの魅力と、おすすめのレイヤリングを紹介します。
2025年3月3日(月)に新登場した「シーサイド ブルーム」。
鮮やかなマゼンタ色のハマナスが咲く浜辺。潮風に吹かれて甘い花の香りが鼻をかすめる、心穏やかな夏のひとときを香りで表現したオードパルファムです。みずみずしく軽やかなフローラルノートの奥で、清涼感あふれるマリンが流れるように漂います。
メゾンレクシアのフレグランスは重ね付け用に調香されたものではなく、1品で香りをしっかりと構築させています。しかし「香水を、より自由に楽しんでほしい」という想いから、限定フレグランスの魅力をさらに引き立てる、おすすめの組み合わせをご紹介。より自由に自分らしく、シーンや気分にあわせて、香りのレイヤリングを楽しんでみてはいかがでしょう。
「シーサイド ブルーム」の爽やかさに、甘い「パス トゥ エレガンス」が柔らかく重なり、より華やかなフロールブーケに。
パス トゥ エレガンス
フェミニンでありながらも天真爛漫で、芯の強さと陽気さに溢れつつも慎ましい、多面的な女性の魅力を感じさせるオードパルファム。弾けるシトラスに華やかなフレッシュローズ、甘くパウダリーなスウィートムスクが柔らかく溶け合います。
「シーサイド ブルーム」のみずみずしく甘いハマナスに、「ジンズ ウインド」の芳醇なローズと神聖なウッディが重なり、穏やかな落ち着きを与えます。
ジンズ ウインド
普遍的な愛を意味する、儒教の「仁」に由来するオードパルファム。爽やかな風を運ぶフレッシュな柑橘にローズが美しく調和し、針葉樹のグリーンと神聖な香木が香りに奥行きを与えます。心が解放され、懐かしく穏やかな安らぎへ誘う香りです。
夏にぴったりの組み合わせ。「シーサイド ブルーム」の海辺の潮風と、新緑の風が薫る「ヴァーダント」。爽やかな風が調和し、より軽やかな印象に。
ヴァーダント
空をのぞむ山峡、朝露に濡れた草葉のみずみずしい芳香。光を浴びて力強く芽吹く、生命の輝きを思わせるオードパルファムです。軽快なシトラスにミュゲ、ハニーサックルが甘さを添え、いきいきとした爽やかさの奥で柔らかな余韻が漂います。
ハマナスの花は、見た目の美しさだけでなく、みずみずしく甘い香りで多くの人々を魅了してきました。香りにはリラックス効果やホルモンバランスを整える効能が期待されています。香水やアロマ製品として楽しむのはもちろん、食品や園芸にも幅広く活用できるハマナス。自然の恵みがもたらす魅力を、ぜひ日常生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。