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吉岡 容子 先生
皮脂や花粉などの汚れを落とす洗顔は、スキンケアにおいてとても重要なステップ。洗顔を正しいやり方で行うとターンオーバーが促され、すこやかな肌に近づけます。洗顔の重要性と正しいやり方、NGポイント、洗顔料の上手な選び方を紹介します。
健康で美しい肌をつくるために欠かせないのが、正常な肌のターンオーバー。洗顔はその機能を促す重要なお手入れの一つです。なぜなら、皮脂や汚れが付着したままの皮膚では毛穴が詰まったり、古くなった角質が剥がれにくくなったりして、正常なターンオーバーが行われなくなるからです。朝晩の洗顔によって皮脂や大気中のほこり、花粉などの汚れをしっかり落とすのは、スキンケアにおいてとても重要なステップと言えます。
洗顔のポイントは、肌に負担をかけずに汚れをきれいに落とすこと。やり方が間違っていると汚れが落ちきらない上、肌に負担がかかりトラブルの原因となる可能性もあります。正しい洗顔のやり方を4つのステップに分けて紹介します。
肌に負担をかけない、正しい洗顔の手順は以下の通りです。
1. 洗顔料をしっかり泡立てる
洗顔時に摩擦で肌を傷めないよう、指の腹や泡立てネットを使って洗顔料をしっかりと泡立てます。
2. Tゾーンから洗う
洗顔は皮脂が多い額と鼻のTゾーンから行います。
3. 丁寧に洗い流す
洗顔料が肌に残らないよう、ぬるま湯でしっかりと洗い流します。
4. タオルで水気を拭き取る
清潔なタオルで肌を優しく抑え、肌に負担をかけずに水気を拭き取ります。
それぞれのステップについて詳しく見ていきましょう。
<手順>
手で泡立てるのが難しいと感じたら、泡立てネットの使用がおすすめです。
<手順>
洗い終わったら、泡が残らないようにぬるま湯で丁寧に洗い流しましょう。洗顔料が肌に残っていると肌荒れの原因となります。フェイスラインや髪の生え際は特にすすぎ残しやすいため注意が必要です。
すすいだ後は吸水性の高いタオルを使って水気を拭き取ります。ゴシゴシこすると肌に負担がかかるため、水分をタオルに吸収させるよう丁寧に拭き取りましょう。清潔なタオルを肌にのせ、軽く押さえるように水分を吸い取るのがコツです。
洗顔のやり方を間違えると肌に汚れが残ったり、乾燥を引き起こしたりする可能性があります。洗顔の効果を十分に発揮するためにも、間違ったやり方とNGポイントを確認しておきましょう。
洗顔時に冷水や熱すぎるお湯を使うのは間違ったやり方です。冷水だと毛穴が閉じてしまい、毛穴に詰まった汚れや古い角質などを落としきれません。反対に熱すぎるお湯は肌に必要な皮脂まで落としてしまい、乾燥を招く原因に。肌を守りつつしっかり汚れを落とすため、洗顔時は30~35℃くらいのぬるま湯を使いましょう。
顔を洗う時は洗顔料を使うのが基本です。 水やぬるま湯だけでは皮脂や雑菌、ウイルス、ホコリ、花粉などは落とせません。雑菌は、水だけで洗うとかえって繁殖してニキビの原因になることもあります。洗顔時は必ず洗顔料を使用し、肌を清潔な状態に保てるよう心がけてください。
一部の重度のアトピー性皮膚炎の人には、洗顔料の使用をおすすめしないこともあります。ただし、塗り薬を使っている人は薬がずっと肌につきっぱなしの状態も良くありません。肌にやさしい洗顔料を使い、一度きれいに汚れを落としてから清潔な肌に薬を塗りましょう。
洗顔料の泡立てが不十分だと、摩擦が刺激となって肌へ負担がかかります。洗顔料はしっかりと泡立て、手と肌の間に生じる摩擦を防ぎましょう。細かい弾力のある泡は、皮脂や汚れを吸着するので洗浄力アップにもつながります。
洗顔料には汚れを落とす成分が入っているため、肌に残ると刺激となって肌トラブルを引き起こす可能性があります。また、すすぎ残しの洗顔料には皮膚についていた汚れが含まれています。フェイスラインや小鼻の周り、あごの下、こめかみなど、細かい部分もすすぎ残しがないように注意しましょう。
洗顔料の主な役割は汚れをきちんと落とすこと。皮脂や汚れをしっかり落とすため、洗顔料は洗浄力を重視して選ぶことが大切です。
一方で、必要なうるおいまで落としてしまう、洗浄力が強すぎる洗顔料には要注意。洗顔後に肌がつっぱったり、ヒリヒリとした感覚がしたり、何らかの違和感が生じるのは洗顔料の洗浄力が強すぎる、または肌に合わないサインです。その場合は使用を中止して、洗浄力が控えめなものや、自分の肌に合う洗顔料に変えましょう。次の章では洗顔料の選び方を紹介します。
洗顔料は肌の汚れを落とすことが目的のため、洗浄力を重視して選ぶのが基本です。しかし、肌のタイプや状態などによって適した洗顔料は異なります。洗顔料の上手な選び方を押さえておきましょう。
洗顔料にはいくつかの種類があり、それぞれ使い心地や特徴は異なります。
<フォーム(クリーム)タイプ>
洗顔料の中で一般的なのが、チューブに入っているフォーム(クリーム)タイプ。少量でもしっかりと泡立ちやすいのが特徴です。製品によって洗浄力の強さが異なるため、肌質に合わせて選びやすくなっています。なお、スクラブ入りの洗顔料の多くはフォームタイプです。
<石けんタイプ>
石けんタイプは合成界面活性剤が含まれていないものが多く、肌にやさしい洗顔料です。他のタイプと比べて泡切れが良く、短時間で洗い上げられるのも嬉しいポイント。毛穴対策や敏感肌用など、目的別にさまざまな種類が展開されています。
<泡タイプ>
最初から泡の状態で出てくるため、自分で泡立てる必要がありません。すぐに洗顔でき、肌への摩擦を抑えられるのが特徴です。洗顔を短時間で済ませたい人に適した洗顔料です。
<ジェルタイプ>
水分量が多いため泡立ちやすく、高い洗浄力と洗い上がりの爽快感が特徴です。皮脂量が多い脂性肌の人に適しています。
<パウダータイプ>
粉末状の洗顔料で、酵素入りやアミノ酸系洗浄成分配合など種類が豊富です。肌にやさしい製品が多いですが、泡立てるのにコツが必要な場合も。パウダータイプの洗顔料は湿気に弱いため、保管方法に注意が必要です。
脂性肌や普通肌の人が洗顔料を選ぶ際は、基本的に汚れのオフを優先して問題ありません。その上で、ニキビができている場合はニキビ専用のものを使ったり、肌が乾燥している場合は洗浄力がマイルドなものを使ったりと、自分の肌の状態に合わせて洗顔料を使い分けると良いでしょう。
乾燥肌や敏感肌の人には、洗浄力が控えめで刺激の少ないものが適しています。乾燥肌には保湿成分が入ったもの、敏感肌にはアレルギーテストやパッチテスト済みのものがおすすめです。
濃密な植物エッセンスを惜しみなく配合した、メゾンレクシアのスキンケアアイテム。余分な皮脂や角質、汚れを落としてクリアな肌へ整えるおすすめの洗顔料を紹介します。
天然クレイを含んだクリーミーな泡で肌のうるおいをしっかりキープしながら、クリアな素肌へ洗い上げる洗顔料です。トウキンセンカのインフューズドオイルや、ホホバ種子油など、エモリエント効果の高い植物オイルを贅沢に配合。肌のキメを整え、しっとりなめらかな素肌に導きます。
肌の“うるおい貯水力”を補う、独自開発の美容成分・VEGAL[ベガル®]*を高配合。キメ細かいクリーミーな泡で、しっとり洗い上げる洗顔料です。ブライトニング効果※2のあるユキノシタエキスやタイムエキスも入って、輝くような透明肌を叶えます。
*整肌保湿成分 ※1.汚れや古い角質による ※2.古い角質を取り除き、肌に透明感を与えること
弾力のある泡でやさしく洗い、ぬるま湯でしっかり洗い流すのが正しい洗顔のやり方です。肌のタイプや状態に合う洗顔料を選んで、適切にケアしたいもの。肌を傷めない洗顔でターンオーバーを正常にし、健康で美しい肌を育てていきましょう。
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東京医科大学医学部医学科を卒業後、麻酔科学講座入局。 麻酔科退局後、明治通りクリニック皮膚科・美容皮膚科勤務。 院長を務め、平成24年より医療法人容紘会高梨医院皮膚科・ 美容皮膚科を開設。院長として勤務しています。