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桐生有紀先生
薄毛に悩む女性は少なくありません。以前と比べて髪のボリュームが減ったり、頭皮が目立ったりといった変化は薄毛のサインと考えられます。ホルモンバランスの乱れや血行不良など、女性の薄毛が起こる原因はさまざま。本記事では、女性の薄毛が起こる原因や対策方法の他、手軽にできる頭皮マッサージの方法を紹介していきます。
目次
髪のボリュームが減った、ハリやコシがない、抜け毛が増えてきたなど、薄毛を気にする女性は多くいます。まずは、自身が薄毛かどうかを知ることが大切。髪の状態を見てセルフチェックしてみましょう。
▼女性の薄毛セルフチェックリスト
上記のリストに当てはまる場合は、薄毛になっている恐れがあります。
女性の薄毛には多くの種類がありますが、ほとんどの場合はびまん性脱毛症と言われています。びまん性脱毛症の特徴は、髪が細くなってボリュームダウンする、分け目部分の薄さが特に目立つなどです。
髪は1日に約50~100本ほど生え変わると言われています。ですが、薄毛を自覚しているようであれば、それ以上の抜け毛があるか、生え変わるサイクルが乱れているのかもしれません。ここでは、女性の薄毛が起こる主な原因を紹介していきます。
女性ホルモンの一つであるエストロゲンには、健康な髪を保つ働きがあります。エストロゲンの量のピークは20代。通常、それ以降は減少していきます。
エストロゲンが減少すると髪の成長サイクルが乱れやすくなり、新しい髪が発毛しない状態が長くなる、髪が細くなる、抜けやすくなるなどが原因で薄毛を感じるようになります。
先述したエストロゲンは加齢以外にも、生活習慣などで働きが弱くなるケースがあります。睡眠不足やストレスなど、生活習慣が乱れるとホルモンバランスも崩れるため、新しい細胞を作り出す力を低下させてしまいます。髪の形成に関わる成長ホルモンは睡眠中に分泌されるので、良質な睡眠が十分にとれていないと、抜け毛や細毛を引き起こしてしまうかもしれません。
女性が妊娠・出産を機に抜け毛が増えるのも、ホルモンバランスが大きく変化し、髪の成長サイクルがその影響を受けるためです。産後のホルモンバランスが正常に戻ると、髪の成長サイクルも戻るので心配はないでしょう。ですが、家事や育児によるストレスや睡眠不足などが続くと、円形脱毛症になる恐れがあるので注意が必要です。
毛根は頭皮の毛細血管とつながっています。頭皮の血流が悪くなると細部まで栄養が行き届かず、髪が細くなる、抜けやすくなるといった原因になります。体の末端にある頭皮は、もともと血液の巡りが良くない部分なので、頭皮マッサージなどで意識的に血流を促進させることが大切です。
カラーリングやパーマなどの薬剤は、髪だけではなく頭皮にもダメージを与えます。短期間にカラーやパーマを繰り返すと髪が傷み、抜け毛の原因となる場合も。頭皮のダメージは髪の成長を妨げる一因とも言われているので、ケアを怠らないようにしましょう。
また、紫外線による頭皮へのダメージにも注意が必要です。紫外線によって皮脂が酸化すると毛根にダメージを与え、健康な髪が生えにくくなります。
いつも分け目を同じ場所にしたり、ポニーテールなどの同じ髪型を続けたりするのも、髪や頭皮に負担がかかるためおすすめできません。特に髪を引っ張るスタイルを続けるのは、髪と頭皮の両方に負担をかけ、牽引性脱毛症や圧迫性脱毛症を引き起こす恐れがあります。
髪をおろして頭皮を休ませる日を作ったり、分け目を変えたりすると頭皮への負担を減らせます。
毎日の生活に頭皮マッサージや紫外線対策を取り入れると、薄毛や抜け毛を改善できるかもしれません。ここでは、日常でできる女性の薄毛対策を紹介します。
頭皮は髪を生やす土台となるため、清潔に保ち、髪が育ちやすい環境に整えることが大切です。しかし、頭皮のベタつきが気になるからといって1日に何回も髪を洗うのは、皮脂を落とし過ぎて頭皮の乾燥を招くため逆効果になってしまいます。
また、頭皮が乾燥しがちな人が洗浄力の強いシャンプーを使うのも、乾燥や頭皮のダメージを悪化させてしまうためおすすめできません。抜け毛が気になる時はアミノ酸系の洗浄成分を配合したタイプなど、頭皮に優しい低刺激のシャンプーを選びましょう。
その他、洗髪の前にブラッシングをして汚れを落としておくのも大事なポイントです。洗髪時にはシャンプーを手のひらで泡立ててから、指の腹で優しく洗うようにします。
頭皮マッサージは頭皮を柔らかくして血行を促すため、髪に必要な栄養が届きやすくなります。血液は心臓から末端へと流れているので、頭皮マッサージをする前には首や肩まわりからマッサージをし、血液を流れやすくしましょう。マッサージの方法は、後ほど詳しく紹介します。
紫外線は1年中降り注いでいますが、特に紫外線量が高くなる夏には、日傘や帽子などを使った紫外線対策を忘れずに行いましょう。日傘や帽子は、内側が黒いものや紫外線防止効果の高いものを選ぶのがおすすめ。長時間帽子を被っていると頭皮が蒸れ、雑菌が繁殖しやすい環境になるため、通気性の良いものを選ぶのもポイントです。
また、紫外線を浴びた後の頭皮は少なからずダメージを受けているため、うるおいを与えてしっかり保湿することが重要です。保湿成分や、抗炎症成分が配合された頭皮用ケアアイテムを使って保湿してくださいね。
睡眠不足やストレス、飲酒、喫煙なども抜け毛の原因となるため、生活習慣の見直しも大切です。髪を作る細胞は寝ている間に作られます。そのため、6時間以上の睡眠をとり、髪の成長サイクルを整えてあげましょう。太陽に合わせて「夜寝る・朝起きる」というサイクルを作ると、ホルモンバランスが整いやすくなります。
また、睡眠の質を高めることもポイントです。
頭皮を健康に保つためには、適度な皮脂が必要です。しかし、脂肪分の摂り過ぎは過剰な皮脂の分泌へとつながり、脂漏性脱毛の原因となる恐れがあります。脂身がたっぷりな肉やジャンクフードなど、脂肪分の多い食事は頭皮に悪い影響を与えるため、摂り過ぎには注意が必要です。
また、毎日の食事では髪の成分となるアミノ酸やタンパク質、髪の成長を助けるビタミンやミネラルなどを積極的に取り入れるのが理想的。ダイエットなどの過度な食事制限は、髪に栄養が行き届かず細毛を招いてしまいます。無理をせず、バランスの良い食事を心がけましょう。
頭皮マッサージは薄毛対策に効果的。日常的に行えば、頭皮や髪の状態の改善が期待できます。ここでは、おすすめの頭皮マッサージを紹介します。
① シャンプーをしっかりと泡立てたら、爪を立てないように指の腹で頭皮全体をほぐしていく
左右それぞれ5本の指で頭をつかむようにセットし、耳の上から頭頂部に向けて円を描きながら押すようにマッサージしていきます。
② 耳の上からこめかみに向かって、指を前後にスライドさせながら揉み洗いをする
3、4段階に分けてこめかみに向かうイメージで行います。スライドは5往復が目安です。
③ 頭頂部をマッサージ。両手の指先で頭の中央を押す
3秒押して離すを繰り返します。深呼吸しながら行うのがおすすめです。
頭皮をしっかりとほぐして、血行を促すマッサージです。
① 両手を軽く握り、指4本の第1関節〜第2関節の平らな部分を眉にセットする
中心から外側に向かって小さな円を描くようにマッサージします。生え際方向に向けて5回ずつ行いましょう。
② 指を広げて生え際にセットしたら、後頭部に向かってマッサージしていく
頭皮を耕すような感覚で、ジグザグと小刻みに動かすのがポイントです。
バスタイムはヘアケアにぴったりのタイミング。頭皮マッサージや保湿を行って、健やかな髪を目指しましょう。ここでは、頭皮マッサージにおすすめのスカルプエイジングケア※トリートメントと、髪の保湿に役立つヘアオイルを紹介します。
※年齢に応じたお手入れ
頭皮にもボディにも使える、マルチ処方のスカルプエイジング※トリートメント。植物の力を活かしたクリームが頭皮を柔らかくほぐし、薄毛の原因となる乾燥を予防します。おすすめの使用タイミングはシャンプーの後。優しくマッサージするように使用し、洗い流します。
※年齢に応じたお手入れ
★プレイフル開発秘話★
バスタイム後はヘアオイルを使ってヘアケアを。こちらは髪や頭皮に優しい、植物成分を濃密に配合したヘアオイルです。摩擦や乾燥から髪を守り、ナチュラルでみずみずしいツヤを与えてくれます。軽い質感なので、オイルが苦手な人でも使いやすいですよ。
紫外線やドライヤーの熱によるダメージから髪を守り、サラッとまとまる髪に整えてくれます。爽やかなシトラスとマジョラム、ベチバーをブレンドした温かみのある香りが、癒しの時間を与えてくれるでしょう。
女性の薄毛は、ホルモンバランスや頭皮のダメージなど、さまざまな原因が考えられます。生活習慣の見直しや頭皮マッサージなどを継続的に行い、改善を目指しましょう。ぜひこの記事を参考にして、薄毛対策を日常生活に取り入れてみてくださいね。
国公立大学医学部卒業後、東京都済生会中央病院にて勤務ののち、日本医科大学付属病院形成外科・美容外科、天現寺クリニック院長を経て、2018年より勝どき駅前皮ふ科クリニック院長を務める。クリニックではアトピー性皮ふ炎など保険診療のほか、プラセンタ注射やリフトアップといった保険外の美容診療まで幅広く診療している。