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玉城 有紀 先生
油焼けとは、オイルや化粧品に含まれた油分が紫外線や熱で酸化し、肌に色素沈着を起こしてしまう現象を指します。肌の油焼けを予防するには、オイルの選び方や使い方に注意するのがポイント。本記事では、油焼けが起こる原因や油焼けを予防しながらオイルを効果的に使う方法の他、油焼けしにくいおすすめのオイルを紹介します。
目次
スキンケアなどでオイルを日中に使用する際には、肌の油焼けに注意が必要です。まずは、油焼けがどのようなものか、なぜ起こるのか解説していきます。
油焼けとは、肌や髪につけたオイルや化粧品などの油分が、日中の太陽光による紫外線や熱の影響で酸化して色素沈着を引き起こすことを指します。酸化したオイルは肌に大きな負担を与えてしまい、シミやくすみの原因に。
また肌だけではなく、髪も同様に油焼けする場合があります。髪が油焼けした場合は水分が抜けるため、パサつきの元になってしまいます。
先述したように、油焼けはオイルの酸化によって引き起こされます。オイルの酸化は、主にオイルに含まれる不純物が原因。かつては鉱物油の精製の品質が低く、中に不純物が残存していたため、それが原因で皮膚トラブルを引き起こすことがありました。特に石油由来のオイルやワセリンなどは不純物が多かったため、油焼けを起こすリスクも高かったと言われています。
しかし、現在では技術も進化しているため精製度も上がっており、油焼けは比較的起こりにくくなっています。
オイルには油焼けやすいものと、しにくいものがあります。ここでは油焼けしやすいオイルと、しにくいオイルの特徴について解説していきます。ぜひ、オイルを選ぶ際の参考にしてみてください。
原因として挙げたように、不純物の多いオイルは酸化しやすいため、その分油焼けのリスクが上がります。反対に、純度の高いオイルは酸化しにくいと言えます。ただし、純度の高いオイルであっても、酸化しやすい成分を含んでいるものは油焼けしてしまう恐れがあります。
熱に弱く酸化しやすい性質を持っているオイルは、グレープシードオイル、ローズウッドオイル、馬油、亜麻仁油などが代表的です。
酸化しにくい性質を持っているオイルは、油焼けしにくいと考えられます。酸化しにくく油焼けのリスクが少ないオイルは、オリーブオイル、ホホバオイル、ココナッツオイル、椿油、アルガンオイルなどです。ココナッツオイル、アルガンオイル、ホホバオイルはUVカット効果を持っているため、日焼け止めとしても使えます。
日中にオイルを使用する場合、上記のように油焼けしにくいものを選ぶことで肌トラブルのリスクを減らせるでしょう。顔に塗るものだけではなく、ヘアオイルも同様に油焼けしにくいものを選んでみてくださいね。
オイルの使い方に気を配れば、油焼けは予防できます。ここでは、油焼けを予防しながらオイルを効果的に使う方法を紹介します。
上記で紹介した酸化しやすいオイルは、日中の使用を控えた方が油焼けのリスクを抑えられるでしょう。日中のケアとしてオイルを使用するなら、酸化しにくいものの中から選ぶのがおすすめ。
例えば、朝は酸化しにくいホホバオイルやアルガンオイルでケアを行い、夜のケアにはグレープシードオイルや馬油を取り入れるといったように、オイルの性質に合わせた使い方をすると日中の油焼けも気になりにくくなります。
オイルを使う順番を、肌の状態に合わせるのもおすすめです。乾燥が酷い時は、洗顔後、化粧水をつける前にオイルをブースターとして使用してみてください。ブースターは肌を整えて柔らかくし、化粧水の浸透※を高めてくれます。
特に乾燥が気にならない場合は、化粧水の後にオイルを使うと良いでしょう。オイルが蓋の役割をして、化粧水の水分を逃しにくくします。ただし、オイルの量には注意が必要です。つけすぎるとテカリやべたつきが起こるため、1~2滴程度に留めるようにします。
※角層まで
純度の高い植物オイルは酸化しにくいとはいえ、どんなものであっても経年などで多少なりとも酸化してしまうもの。使い方に気を配るだけではなく、保管方法や使用期限を守って酸化を予防することも重要です。
購入してから期間が経っているオイルは既に酸化している恐れがあります。特に日中に使うものは、鮮度の高いものを選ぶようにしましょう。パッケージなどに記載された使用期限を守り、開封後はなるべく早く使い切るようにするのがポイントです。
また、オイルを保管する際は紫外線と熱に注意が必要です。オイルは紫外線と熱で酸化が進むため、直射日光の当たらない冷暗所で保管するようにしてください。冷蔵庫でも保存できますが、オイルの種類によっては一定の温度以下になると固まる性質を持つものもあります。固まってしまった場合は、常温で放置すると元に戻ります。
油焼けによるくすみは、入念なケアを行うことでも予防できます。油焼けの予防のためのケア方法を紹介していきます。
油焼けを防ぐためにも、日焼け対策は入念に行うのが基本です。晴れた日だけではなく、曇りの日であっても紫外線は降り注いでいるため、日常的に日焼け止めを塗っておくようにしましょう。
また、日焼け止めは一度塗って効果がずっと持続するものではありません。2~3時間ごとに小まめに塗り直すと、より効果的に紫外線予防ができます。屋外でスポーツをする時はSPFやPAの値が高いものを選ぶなど、ライフスタイルに合わせて日焼け止めを使い分けるのもポイントです。
抗酸化作用のある食材を摂取して、体の内側からケアするのも効果的です。特におすすめの食材は、ビタミンCの豊富な柑橘類やブロッコリー、ビタミンEが含まれるナッツ類やアボカドなど。その他にも、ビタミンA、リコピン、ポリフェノールが含まれる食材も有効です。
また、肌の代謝を促進するタンパク質も忘れずに摂るようにしましょう。糖質や動物性脂肪の摂りすぎは皮脂の過剰分泌を起こす恐れがあるため、摂取量に注意が必要です。
メゾンレクシアのスキンケアアイテムは鉱物油を使用せず、酸化しにくい植物オイルを厳選しています。日中のスキンケアにおすすめの油焼けしにくいオイルとUVクリームを紹介します。
植物の力を凝縮した濃密なオイルです。肌なじみが良い軽やかなテクスチャーで、ごわつく肌を柔らかくほぐしてくれます。さらっとしているので、オイルが苦手な人でも心地良く使えます。
香りは、ワイルドローズをイメージした幸福感が漂うフローラル調。日中のスキンケア時にブースターとして取り入れるのはもちろん仕上げに使うなど、肌の状態に合わせたマルチな使い方ができます。
保湿をしながら紫外線予防を叶えてくれるデイクリームです。乾燥からくる皮脂の分泌を抑え、うるおいに満ちたなめらかな肌へ整えます。みずみずしいテクスチャーで、肌になじみやすいのも自慢のポイント。グリーンの効いたスウィートフローラル調の香りが、スキンケア時の気分を高めてくれるでしょう。
濃密な植物成分を配合したデイクリームです。肌にみずみずしさとツヤを与えながら、紫外線予防も実現します。伸びの良いテクスチャーをしており、ベタつかずにさらっと艶やかに仕上がるのも嬉しいポイント。フローラルブーケにグリーンが広がるフレッシュな香りが、爽やかな気分にしてくれます。
油焼けが気になると日中にオイルを使用しにくく思ってしまうかもしれませんが、上質なオイルを正しく使うことで油焼けは予防できます。難しいポイントはなく、オイルの使用期限を守ったり紫外線対策をしたりといった、スキンケアの基本的なことを守るだけで問題ありません。日中もオイルを使いこなして、乾燥を予防してみてはいかがでしょうか。
帝京大学医学部卒業。日本医科大学武蔵小杉病院での研修を経て、東京女子医科大学皮膚科学教室に入局。 町田市民病院皮膚科勤務を経て、溝の口駅前皮膚科、自由が丘ファミリー皮ふ科、二子玉川ファミリー皮ふ科を開院。 皮膚科専門医を取得しており、日本皮膚科学会、日本美容皮膚科学会、日本臨床皮膚科医会に所属。