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監修者:公益社団法人 日本アロマ環境協会認定環境カオリスタ、アロマテラピー検定1級 藤巻慧子
ガーデニアは、クチナシとも呼ばれる植物です。ジャスミンに似ており、可愛らしい小ぶりの白い花を咲かせます。欧米では、女性に贈る花としても人気です。香りは甘く濃厚で、エキゾチックさの中にも爽やかさを感じられます。本記事では、ガーデニアの特徴や香りの効果効能、おすすめのフレグランスを紹介します。
目次
監修者:公益社団法人 日本アロマ環境協会認定環境カオリスタ、アロマテラピー検定1級 藤巻慧子
ガーデニアは白く可愛らしい花を咲かせ、甘い香りが魅力的な花です。クチナシとも呼ばれるこの花は、フレグランスの他にも薬、香料として使用されてきました。まずは、ガーデニアの特徴や種類、香りについて紹介していきます。
ガーデニアは世界で200種以上もの品種が存在する、常緑低木です。主な原産国は、日本、中国、台湾、インドシナなど。暖かい地域で自生していることが多く、日本では海岸に近い山でよく見られます。
また、日本では、クチナシという名で呼ばれることもあります。クチナシは和名で、漢字では「梔子」です。名前の由来は、果実が熟れても割れたり裂けたりせず「口が無い」ため「口無」とされたなど、複数の説があります。
その他にも、ガーデニアはケープジャスミンという別名を持ちます。5、6枚の花弁から成る白い花を咲かせるところや、香りの強さがジャスミンに似ているためです。開花時期は梅雨の中頃から終わりにかけてで、肉厚の白く香りの強い花を咲かせます。
先述したように、ガーデニアは品種が非常に多い花です。200種類以上の品種のうち、特に有名なものは3種類。通常のガーデニアよりも小ぶりな花を咲かせるコクチナシや、存在感のある八重の花を咲かせるヤエクチナシ、春と秋の2回開花するマルバクチナシです。
ガーデニアの花言葉は、「とても幸せ」「喜びを運ぶ」「洗練」「優雅」です。「とても幸せ」は、欧米の風習が由来しています。ダンスパーティーで男性が女性を誘う際に、ガーデニアを贈る文化がありました。
現在でも、ガーデニアの花は男性から女性に贈る定番の花として知られています。プロポーズ時やウェディングブーケにもよく使用されるなど、ガーデニアは幸せの象徴と言っても過言ではありません。
「洗練」や「優雅」は、ガーデニアの花の特徴が由来。白く穢れがなく、華やかな花弁はそれらの花言葉がよく似合っています。
ガーデニアは、ジャスミンと同様に甘く濃厚なフローラルの香りが大きな特徴。ただ甘いだけではなく、エキゾチックさを感じられるのもポイントです。非常に人気で多くの人から愛される香りですが、花から香料を抽出するのは非常に難しいと言われています。そのため、天然香料ではなく合成香料がよく用いられています。
ガーデニアの花から抽出される精油は、古くからさまざまな用途に用いられてきました。香水やシャンプー、芳香剤などが代表的な用途の例と言えるでしょう。
また、ガーデニアは古くから染料としても活躍してきました。ガーデニアの実から精製される液体は濃いオレンジや黄色で、平安時代には既に布の染料として使用されていたそうです。他にも、栗きんとんやたくあんなどの食材にも、植物由来の着色料として活用されてきました。
その他、ガーデニアは生薬にも使われています。生薬の世界では、山梔子(さんしし)と呼ばれています。
ガーデニアの香りにはリラックス作用など、心身に良い効果があると言われています。また香りだけではなく、エキスには美容や健康への効果が期待できます。ここでは、ガーデニアの効果効能をチェックしていきましょう。
ガーデニアの香りには、気持ちを落ち着かせて穏やかにする作用があります。イライラや不安を和らげてリラックスさせてくれるので、神経が昂ったりネガティブな気持ちで眠れなかったりする時には、ぜひガーデニアの香りを取り入れてみてください。
湯船に浸かる前にガーデニアの精油を一滴垂らしたり、眠る前に精油を含ませたティッシュを枕元に置いてみたりと、ほんの少しの精油を使うだけでもリラックス効果が期待できます。
また、ガーデニアの華やかで優雅な香りからは、明るさが感じられます。気持ちを前向きにしたい時や、リフレッシュしたい時にもおすすめです。
化粧品に使用される成分の中には、クチナシ果実エキスと呼ばれるものがあります。これは、ガーデニアの実を利用したものです。消炎や鎮静、保湿作用があるとされているため、乾燥から肌を守ったり、肌荒れを予防したりといった美肌効果が期待できるでしょう。
生薬の世界で山梔子と呼ばれているガーデニアは、消炎や抗菌作用を持っています。また、ガーデニアに含まれる色素成分のクロセチンには、目の疲れを緩和する働きもあり、眼精疲労にも効果的と言われています。
それだけではなく、ガーデニアの実は乾燥させると湿布薬として利用可能。打ち身や捻挫を癒す薬としても、人々から重宝されてきました。
ガーデニアは、フローラルの甘く優雅な香りが魅力の一つ。ジャスミンに似ているとも言われるその香りは、女性らしくロマンティックな雰囲気を漂わせてくれます。ただ甘さがあるから女性らしいというわけでもなく、濃厚ながらもどこか上品さやエキゾチックさを感じられるのもポイントです。
また、植物らしい青々しさも感じられます。みずみずしい爽やかさが奥行きを出してくれるため、上品で洗練された、落ち着きのある印象を演出できます。大人の女性も身に纏いやすい香りと言えるでしょう。
稀少な天然香料から紡ぎだす繊細な香りが魅力の「メゾンレクシア」から、大人の女性によく合う、ガーデニアのおすすめフレグランスを紹介します。
降り注ぐ陽光、しなやかな花をイメージさせるオードパルファム。ネロリなどのフレッシュなシトラスノートに繊細な甘さのローズやジャスミンが重なり、気品ある印象に。ラストはアンバーな香りが温かく包み込み、
やわらかな個性を描きます。
フェミニンでありながらも天真爛漫で、芯の強さと陽気さに溢れつつも慎ましい、多面的な女性の魅力を感じさせるオードパルファム。弾けるシトラスに華やかなフレッシュローズ、甘くパウダリーなスウィートムスクがやわらかく溶け合います。
香りは、他の種類と組み合わせるとまた違った印象になります。ガーデニアの香りを他の種類のものと組み合わせて、香りの変化を楽しんでみてはいかがでしょうか。精油のブレンドを楽しみたい時やブレンドに迷う時は、香りの強弱や持続性、相性の3つのポイントに注目してみてください。ここからは、3つのポイントやガーデニアと相性の良い精油について解説します。
精油は種類によって、香りの強弱が異なります。ガーデニアの精油は、香りが強い傾向。そのため、ブレンドする時に入れすぎると他の香りを打ち消したり、良いところを弱めてしまうかもしれません。
また、強弱だけではなく、香りの持続性も種類によって変わります。香りの持続性は一般的に、トップノート、ミドルノート、ベースノートの3つで表現されます。トップノートはブレンドされた香りの中で最初に感じるもので、ミドルノートは香りの中核を担うもの。そして、最も長く残る香りのことは、ベースノートと呼ばれています。ブレンドする際は、それぞれの持続性にも注目してみてくださいね。
最後に、香りの相性もブレンドする際の重要なポイントです。アロマはフローラル系や柑橘系など、7種類の系統に分けられ、同じ系統や隣り合う似たものを選ぶと、香りのまとまりが良くなる傾向にあります。ガーデニアはフローラル系に属すため、隣り合う柑橘系と樹脂系の香りが好相性と言えるでしょう。
今回は、この3種類の精油にウッディ系を含めた4種類をピックアップしています。
フローラル系のガーデニアと、レモン、ライムなどの柑橘系の組み合わせは相性抜群。ブレンドするとガーデニアの濃厚な甘さの中に、柑橘系のみずみずしい爽やかさを感じられるでしょう。ポジティブで軽い香りが好みの人におすすめの組み合わせです。
レモンは香りが弱く、ライムは弱~中程度の強さです。柑橘系の良さを活かすためにも、ガーデニアの精油を入れすぎないように注意してください。
ネロリは、ガーデニアと同じフローラル系に分類されます。華やかで明るく、やわらかい香りが特徴的。ガーデニアとブレンドすると、濃厚な甘さをやわらかい印象にしてくれるでしょう。ネロリの香りの強さは中程度です。
ガーデニアは、アンバーやバニラなどの樹脂系の香りともよく合います。アンバーやバニラは、濃厚な甘さと温かみを感じられる、樹脂のような香りが魅力です。エキゾチックな表情を持つガーデニアに、アンバーやバニラが温もりをプラスして親しみやすい印象にしてくれるでしょう。
アンバーとバニラ香りの強さは、中~強。バニラの香りは強めなので、ブレンドの際は少量がおすすめです。
寺院のお香を想起させるサンダルウッドも、ガーデニアと相性が良い香りです。幹の芯材を使用しているため、サンダルウッドはウッディ系に分類されます。香りの強さは中程度で、樹木の幹や葉などの、緑を感じる香りを楽しめます。
ガーデニアのフローラルな香りにサンダルウッドをブレンドすると、官能的な香りが混ざり、しっとりとした印象になるでしょう。落ち着きのある香りが好きな女性や、大人らしさを演出したい時におすすめです。
ガーデニアの香りは、女性らしさを纏いたい時に最適と言えるでしょう。健康的な美しさを演出したい時はもちろん、気持ちをリラックスさせたい時にもおすすめの香りです。手軽に取り入れられるフレグランスや精油のブレンドなどで、ガーデニアの香りを楽しんでみてはいかがでしょうか。
WEBメディアディレクター。コンテンツSEOに特化したライターの育成も行う。自分自身の心身の健康のため、精油を学ぶ。心地よさを重視した、感覚ファーストな香り選びが得意。好きな精油TOP3はネロリ、コリアンダー、イランイラン。