匂いで記憶が蘇る「プルースト効果」。嗅覚と脳の関係・香りの活用方法を紹介

匂いで記憶が蘇る「プルースト効果」。嗅覚と脳の関係・香りの活用方法を紹介

LIFESTYLE

Mar 01, 2024

匂いは記憶と密接な関わりを持っています。匂いを嗅ぐことで、懐かしい記憶や当時の感情が蘇る現象をプルースト効果と呼びます。嗅覚と脳の関係性を詳しく解説した上で、香りの活用方法やアロマテラピーの楽しみ方、匂いや香りを楽しめる精油、おすすめのフレグランスやアイテムを紹介します。

目次

  1. プルースト効果とは
    1. プルースト効果の定義
    2. プルースト効果の由来
  2. 匂い・香りが脳に記憶される理由
    1. 匂い・香りは脳へダイレクトに伝わる
    2. 嗅覚が五感の中でも特別な理由
  3. 日常生活に取り入れたい、匂い・香りの活用方法
    1. 精油でアロマテラピーをする
    2. 香水を身に纏う
    3. 香り付きのコスメやケアアイテムを使う
  4. 精油の香りで心を癒すアロマテラピー
    1. アロマテラピーは精油を使った自然療法
    2. 精油は植物の香り成分を抽出したもの
    3. アロマテラピーの楽しみ方
  5. 匂い・香りを楽しめるおすすめの精油
    1. リラックスしたい時は「ラベンダー」
    2. 前向きな気分になりたい時は「オレンジ・スイート」
    3. 心を落ち着けたい時は「イランイラン」
  6. 記憶に残る上質な香り、メゾンレクシアのおすすめアイテム
    1. ふわりと纏う、華をそえる[チークカラー]
    2. しなやかなツヤ髪へ、心地よい香り広がる[ヘアオイル]
    3. 稀少な天然香料が繊細に香る[メゾンレクシア フレグランス]
  7. 匂い・香りと記憶の関係性を日常生活に活用して

PROFILE

監修者:公益社団法人 日本アロマ環境協会認定環境カオリスタ、アロマテラピー検定1級 藤巻慧子

WEBメディアディレクター。コンテンツSEOに特化したライターの育成も行う。自分自身の心身の健康のため、精油を学ぶ。心地よさを重視した、感覚ファーストな香り選びが得意。好きな精油TOP3はネロリ、コリアンダー、イランイラン。

監修者:公益社団法人 日本アロマ環境協会認定環境カオリスタ、アロマテラピー検定1級 藤巻慧子

プルースト効果とは

プルースト効果は香りと記憶が紐づくことで起こります。具体的にどんな現象なのか、定義と由来を解説します。

プルースト効果の定義

プルースト効果とは、特定の匂いを嗅ぐことによって過去の記憶や感情が蘇る現象のこと。人とすれ違った際に感じた香水の香りで昔の恋人を思い出す、懐かしい匂いを感じて幼少期の思い出が蘇るなど、誰しもが一度は経験したことがあるでしょう。プルースト効果が起こる理由は、人間の嗅覚と脳の仕組みが関係していると考えられています。

プルースト効果の由来

プルースト効果という名前は、20世紀フランスの作家、マルセル・プルーストが由来。彼が半生をかけて執筆したと言われる著作「失われた時を求めて」の作中に、マドレーヌが焼けた匂いから幼少の記憶を思い出す一節があります。その表現から、匂いを嗅いで記憶や感情が蘇る働きがプルースト効果と名付けられました。

匂い・香りが脳に記憶される理由

匂いを認識する嗅覚は、触覚や味覚などの他の五感とは仕組みが少し異なります。まずは、嗅覚と脳の関係性について解説していきます。

匂い・香りは脳へダイレクトに伝わる

脳には思考を司る大脳新皮質と、感情や本能を司る大脳辺縁系という器官があります。大脳辺縁系の中には、記憶を司る海馬が存在します。五感のうち「視覚」「聴覚」「触覚」「味覚」の4つは、大脳新皮質を経由してから海馬に送られます。

しかし、「嗅覚」だけは大脳新皮質を経由しません。大脳辺縁系や、自律神経系を司る視床下部に直接送られるため、他の五感より感情や本能、記憶に働きかける力が強いと言われています。

このような脳と匂いの関係性、つまりプルースト効果を応用して、認知症や記憶喪失になった人の記憶を取り戻す研究が心理学の分野などで進められています。

嗅覚が五感の中でも特別な理由

嗅覚は、進化の過程において視覚や聴覚よりも早く備わった感覚と言われています。そのため、嗅覚は「原始的な感覚」と表現されることも。嗅覚が五感の中でも早い段階で備わったのは、生命の維持のためと考えられています。獣の匂いを察知したり、食物の腐敗や毒を判断したりなど、古代から嗅覚を頼りに生きる生物は多く存在しました。

また、赤ちゃんは生まれた直後は目が見えません。そのため、母親の乳輪腺から出る匂いを嗅いで、胸を見つけて母乳を飲むとも言われています。動物だけではなく、人にとっても嗅覚は重要な働きを持っているのです。

日常生活に取り入れたい、匂い・香りの活用方法

香りの力は、記憶や感情に強く働きかけることが分かりました。ここからは、その作用を日常生活で活用する方法を紹介していきます。

精油でアロマテラピーをする

香りは記憶に残るだけでなく、感情を左右します。精油を使ったアロマテラピーでも、その力を活用できます。例えば、リラックスしたい時には鎮静効果のある精油を、勉強や仕事の合間にはリフレッシュ効果の高い精油といったように、シーンや場面に合わせたアロマテラピーを楽しんでみてはいかがでしょうか。

なお、アロマテラピーについては後ほどさらに詳しく紹介していきます。

香水を身に纏う

好きな香りの香水を使うのもおすすめです。良い香りを身に纏っていると、リラックスした状態を保ちやすくなるでしょう。リラックスすることで気持ちが前向きになり、自信を持てるようになるはず。

また、香水の香りは他者の記憶に残りやすいだけでなく、周りの人に与える印象を演出できるのも魅力です。例えば、シトラス調の香水は活発な印象を、オリエンタル調の香水は優しい印象を、フルーティ調の香水は可愛らしい印象を与えやすくなります。自分のなりたいイメージで香水を選び、香りの力でセルフブランディングを楽しんでみてはいかがでしょうか。

香り付きのコスメやケアアイテムを使う

季節感がある香りのコスメで気分を変えたり、良い香りのアイテムでリラックスしたりなど、香り付きのコスメやケアアイテムを使う活用方法もあります。現在ではさまざまな香り付きアイテムが販売されているので、気分に合わせて使い分けるのも良いですね。

また、バラの香りのアイテムを使うのもおすすめです。バラの香りは女性ホルモンの分泌を促し、ターンオーバーを早める効果が期待できると言われています。

精油の香りで心を癒すアロマテラピー

香りの力や精油の効能を利用するアロマテラピーは、奥が深いものです。ここからは、アロマテラピーについて解説していきます。

アロマテラピーは精油を使った自然療法

アロマテラピーとは、植物から抽出した精油(エッセンシャルオイル)を、美容や心身の健康に役立てる自然療法のことです。精油は鼻や皮膚、肺などの経路から体内に吸収され、精神面や健康面などにさまざまな良い効果をもたらしてくれます。鼻から吸収したものはダイレクトに脳へ届き、皮膚や肺から吸収したものは血液を通して細胞や器官に届きます。

好きな香りを用いたアロマテラピーによって“心地よい”という感情を引き起こすことで、疲れやストレスを和らげて気持ちを解放できる効果などが期待できるでしょう。

精油は植物の香り成分を抽出したもの

精油とは、植物の香り成分を抽出したものを指します。花、葉、果皮、果実、心材、根、種子、樹皮、樹脂など、さまざまな部位から抽出した天然の素材で、高濃度の有効成分が含まれています。さらに精油は植物によって香りや効果効能が異なるため、奥が深いのです。

アロマテラピーでは、使用する精油の選び方に特別な決まりはありません。効果効能から決めたり、その時に“心地よい”と感じる香りを取り入れたりと、自分がこれだと思うものを選んでみてください。リラックスすることや楽しむことをメインにすると、アロマテラピーがより親しみやすいものになるでしょう。

アロマテラピーの楽しみ方

アロマテラピーの楽しみ方はさまざまです。ここからは、代表的な方法を紹介していきます。

<芳香浴>
ティッシュやハンカチに精油を垂らしたり、アロマディフューザーなどの器具を用いたりして香りを楽しむ、手軽でスタンダードな方法です。

<吸入法>
お湯を入れたコップや洗面器に精油を数滴加え、立ちのぼる蒸気とともに香りを鼻や口から吸入する方法です。温かさとともに良い香りが広がり、心を癒してくれるでしょう。

<沐浴法>
お湯を張った浴槽に精油を数滴入れ、入浴や足湯を楽しむ方法です。精油は水に溶けにくいため、キャリアオイルや無水エタノールに混ぜて使用するのがポイントです。

<トリートメント法>
キャリアオイルで希釈した精油を顔や体に塗布する方法。お風呂上がりのボディマッサージなどにおすすめです。

匂い・香りを楽しめるおすすめの精油

アロマテラピーに使用される精油は、非常に種類が豊富です。ここでは、その中から定番とも言えるおすすめの精油を紹介していきます。

リラックスしたい時は「ラベンダー」

「アロマオイルの定番」と称されるラベンダーは、世界で最も使われる精油とも言われています。香りの世界において、シソ科の植物であるラベンダーは花の香りが特徴的なフローラルノートに属しています。

甘さの中にハーブのような爽やかさを感じられるその香りには、高い鎮静作用があります。ストレスや疲れ、不眠や不安を和らげて、心を落ち着かせてくれるでしょう。その他、ラベンダーには皮膚の再生を促す作用もあるため、美肌にも効果的と言われています。

前向きな気分になりたい時は「オレンジ・スイート」

その名の通り、オレンジの甘くフレッシュな香りを楽しめるのがオレンジ・スイート精油です。柑橘系が属する、シトラスノートに分類されます。みずみずしく親しみやすい香りは緊張を和らげて、心を前向きにしてくれそう。オレンジ・スイートは消化促進作用を活用したり、油汚れの掃除に活用できたりする万能な精油です。

心を落ち着けたい時は「イランイラン」

イランイランは、ラベンダーと同じフローラルノートに分類される熱帯地方が原産の植物です。南国をイメージさせる、甘くしっとりとしたエキゾチックな香りは、心を落ち着けて幸福感をもたらしてくれるでしょう。

イランイランには誘眠作用があるため、就寝前の利用もおすすめです。その他に女性ホルモンの分泌を促す作用もあるので、更年期障害の緩和効果も期待できます。

ただし、イランイラン精油は皮膚刺激を感じるケースがあるため、敏感肌の人は使用の際に注意してくださいね。

記憶に残る上質な香り、メゾンレクシアのおすすめアイテム

植物のみずみずしい力で、肌と心を満たす〈化粧品〉と〈フレグランス〉を展開する「メゾンレクシア」には、稀少な天然香料をふんだんに用いた、繊細な香りの魅力を感じられる製品が揃います。最後に、メゾンレクシア選りすぐりのアイテムをご紹介します。

ふわりと纏う、華をそえる[チークカラー]

エレガントローズ香る、オーラを纏ったような美しい仕上がりが持続するチークカラー。頬に自然な血色感と上品なツヤが加わり、透明感のある素肌を演出してくれます。大切なシーンや緊張してしまいそうな時、ふわりとのせれば、クラシック・フローラル調の香りに安心した気持ちになれるかもしれません。

しなやかなツヤ髪へ、心地よい香り広がる[ヘアオイル]

「アルガンオイル」として注目されるアルガニアスピノサ核油や、ユズ種子油など、濃密な植物成分を配合したヘアオイルです。爽やかなシトラスに、マジョラム、ベチバーをブレンドしたスパイシーで温かみのある香りが、ふとした瞬間に、ふわりと立ちのぼり、心地よく広がります。

髪は自分だけではなく他人にも香りが届きやすいため、誰かに好印象な記憶を残したい時に使用するのもおすすめです。ドライヤー前の使用はもちろん、外出前に毛先に少し付けると、良い香りを自然に纏えます。

稀少な天然香料が繊細に香る[メゾンレクシア フレグランス]

繊細な香りの移り変わりを楽しめる、メゾンレクシアのオードパルファム

草や草木、果実などから得られる、稀少な天然香料をふんだんに用いた「メゾンレクシア」のフレグランス。自然の恵みが生きた繊細な香りは、どんなシーンでも、纏う人の心にやさしく寄り添い、日常を鮮やかに彩ります。

匂い・香りと記憶の関係性を日常生活に活用して

香りは、ダイレクトに脳へ伝わり記憶として保管されます。勉強や仕事、就寝時など、それぞれで使う精油を決めておくことで、香りの持つプルースト効果によって気持ちの切り替えや緊張をほぐしやすくなるでしょう。アロマテラピーや香水、香りも楽しめるメイクアップアイテムなどを取り入れ、日常生活に香りと脳のメカニズムを活かしてみてはいかがでしょうか。