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吉岡 容子 先生
手は年齢が出やすい部位です。しかしフェイスケアと比べると、お手入れを怠りがちでもあります。いつまでも若々しくいるためには、きちんとお手入れをして手の老化を防ぐことが大切です。本記事では手の老化が始まったサインや原因を解説し、手の老化を食い止めるためのハンドケアの方法やおすすめアイテムを紹介します。
目次
手は、意外と他の人から見られているパーツです。もしかすると既に手の老化が始まっていて、実年齢より老けて見られているかもしれません。はじめに手の老化の原因やメカニズム、具体的な症状をチェックしましょう。
手の老化が起こる原因は、血行不良や紫外線の影響、ターンオーバーの乱れなどが代表的です。
年齢を重ねると、血管が固くなって血行が悪くなります。血行不良はターンオーバーを遅らせる要因の一つ。ターンオーバーが遅れると老廃物が排出されにくくなり、くすみ※やシミ、シワなどのトラブルが起こるリスクが高くなります。
※乾燥による
紫外線による老化は光老化と呼ばれ、加齢による老化とは異なります。光老化は、長年紫外線を浴び続けたダメージの蓄積によって起きるものです。紫外線は肌のハリや弾力を保つコラーゲンやエラスチンといった成分を破壊するため、肌のたるみやしわを引き起こす原因となります。
肌はターンオーバーを繰り返すことで、みずみずしさや透明感を保っています。しかし、年齢を重ねるとターンオーバーのサイクルが長くなり、皮脂の分泌量は減少します。皮脂が減ると肌内部の水分が蒸発しやすくなるため、肌のバリア機能が低下してしまいます。結果として外部刺激の影響を受けやすくなり、手の乾燥や手荒れ、シミ※の発生につながります。
※紫外線による
手が以前より乾燥しやすくなった、手荒れしやすくなったという人は、老化によって皮膚の皮脂量が減ってバリア機能が低下しているのかもしれません。
その他、手の血管が透けて見えたり、骨が浮き出て見えたりするようになってきた人も要注意。皮膚が薄くなり、ハリや弾力が失われてきていると考えられます。
また、血管の弾力が失われると血管は広がって太くなります。皮膚から血管が透けやすくなっている場合も老化のサインと言えるでしょう。
年齢を重ねれば、手も老化してしまうのはある程度仕方のないことです。しかし普段の生活習慣が、手の老化を必要以上に早めてしまっているかもしれません。ここでは手の老化を早めてしまう原因を解説します。
過度な手洗いは、老化の原因になります。手洗いをすると皮脂が洗い流され、肌内部の水分が蒸発して乾燥するためです。コロナ禍で手洗いの回数はこれまでより増えています。さらに、アルコール消毒も老化の原因の一つ。アルコールが蒸発する時に手の水分も一緒に奪ってしまい、肌が乾燥しやすくなります。
紫外線は夏だけでなく、一年中降り注いでいます。しかし「手に日焼け止めを塗るのは夏だけ」という人も多いのではないでしょうか。手は季節を問わず露出している部分です。気づかないうちに紫外線を浴びてしまい、手の老化が進んでいる可能性も考えられます。
乾燥や紫外線でダメージを受けた手をケアせず、そのままにしていることも老化が進む原因の一つです。例えば爪が乾燥してできる「たて線」も、内側からのケアができていない、またはハンドケアが足りていないサインと言えるでしょう。
他にも血管が浮いて見えるのは、ビタミンCや大豆イソフラボンなどの栄養素が不足している可能性も考えられます。また、睡眠不足や冷えは血の巡りを悪くさせるため、食事や生活習慣も見直して内側からのケアも意識してみてください。
手の老化を遅らせるには、老化の原因をできるだけ避けることが大切です。ハンドケアを習慣にして、手の老化を防ぎましょう。ここでは毎日の生活に取り入れたいハンドケアを紹介します。
ハンドケアの基本は、ハンドクリームを使用した保湿です。手を洗うごとにハンドクリームを塗りましょう。より効果的に保湿を行いたいなら、高保湿のローションを塗った後にハンドクリームを使うのがおすすめ。ローションの水分をハンドクリームで閉じ込めます。指先にはネイルオイルも使うと、より保湿効果が高まるでしょう。
毎日の皿洗いや水回りの掃除など、水仕事をする時にはさまざまな洗剤や漂白剤に触れることに。洗剤や漂白剤は皮脂や角質も落としてしまうため、手荒れの原因になりやすいです。
また、濡れた洗濯物を触ることも、皮脂を落とす原因になります。洗剤だけでなく、高温のお湯の使用も手には良くありません。お湯も皮脂などを過剰に洗い流して、肌の乾燥を招いてしまいます。そのため、水仕事をする時はゴム手袋を着けて、ぬるま湯で行うのがベターです。
ハンドクリームを塗った時にマッサージをするのもおすすめです。
右手も同様の手順でハンドマッサージをします。
毎日のハンドケアに加えて、定期的にスペシャルなハンドケアをすると効果的です。ワセリンとビニールの手袋だけでできる、簡単ハンドパックを紹介します。やり方は、寝る前にワセリンを手に塗って手袋をして寝るだけ。週に1回を目安に行うと、手荒れを予防できます。
手洗いの際、汚れを落とすためにゴシゴシと強く擦ると、肌に必要な油分を落としすぎてしまったり、細かい傷ができて乾燥しやすくなったりします。手洗いは1日に何度も行うため、たっぷりの泡で優しく洗うことが大切です。
また、肌表面に水が残ったままだと乾燥を招くため、手洗いの後は必ず水気をしっかりと拭き取るようにしてくださいね。
ハンドケアは外出先でもこまめに行うようにしましょう。ここでは、外出時のハンドケアのポイントを紹介します。
自宅にいる時だけではなく、外出先でもこまめなハンドケアを心がけるのが大事です。どこにいてもケアができるように、ケアグッズは持ち歩くようにしましょう。特にハンドクリームは必須アイテムとして、常に携帯しておきたいものです。
また、外出先での手洗いに、保湿効果の高いハンドウォッシュをミニ容器に詰めて持ち運ぶのもおすすめ。可能であれば、化粧水を持ち歩いて手元の水分補給もこまめに行うと良いでしょう。化粧水は小さいサイズのスプレーボトルなどに詰め替えると、持ち運びがしやすいですよ。
日焼けは手の老化を早めてしまう原因となるため、紫外線対策も欠かせません。外出時には日焼け止めやUVカット効果のあるハンドクリームを使うのがおすすめです。
もし日焼けをしてしまったら、早急に保湿を行いましょう。たっぷりの化粧水でうるおいを与えてから、ハンドクリームを塗って蓋をしてください。手も顔と同じように紫外線対策を怠らないことが重要です。
国産オーガニックブランド「メゾンレクシア」のスキンケアアイテムは、肌に負担をかけない植物の力を活かした処方が人気です。ここでは、ハンドケアにおすすめのアイテムを紹介していきます。
ヒマワリ芽エキス、メドウフォーム油、テオブロマグランジフロルム種子脂など、保湿効果の高い植物成分を贅沢に配合したハンドクリーム。うるおうのにべたつかず、肌なじみの良いテクスチャーです。フローラル調の香りで、ハンドケアしながら癒し効果も叶います。
新型コロナウイルスの感染拡大が続き、手洗いをする頻度が多くなっている昨今では、洗いすぎによる乾燥が気になりがち。手洗い時の乾燥を防ぐためにも、手に優しいハンドウォッシュを選ぶことが大切です。
こちらは植物エキスをたっぷりと配合したハンドウォッシュです。液体タイプですが泡立ちもよく、手を包み込むように優しく洗い上げて、なめらかで清潔な肌を叶えます。手だけではなくボディにも使用可能で、香りは4種類から選べます。
粒子の細かいミストが肌全体をやさしく包み込むミスト化粧水。たっぷりうるおいを与え、開いた毛穴を引き締めます。顔はもちろん手元の乾燥が気になる時に、シュッとひと吹きでうるおいケア完了。みずみずしいローズの香りが広がり、気分も爽やかに。
乾燥や紫外線は美しい手を目指す上で大敵。老化を防ぐためにも、ハンドケアは欠かせません。正しいケア方法で、指先までうるおいに満ちた若々しい手元を維持しましょう。
東京医科大学医学部医学科を卒業後、麻酔科学講座入局。 麻酔科退局後、明治通りクリニック皮膚科・美容皮膚科勤務。 院長を務め、平成24年より医療法人容紘会高梨医院皮膚科・ 美容皮膚科を開設。院長として勤務しています。