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鈴木稚子先生
手は水仕事や手洗い、紙への接触、スマートフォンの画面操作など、日常動作で水や物に触れる機会が多く、乾燥しやすいパーツです。手の乾燥を放置すると、ひび割れなどの手荒れにつながる恐れがあるため、気になった時点で対策をすることが大切です。本記事では、手が乾燥する原因や乾燥を予防するケア方法、おすすめのハンドケアアイテムなどを紹介します。
目次
手の乾燥は、皮膚の水分や油分が失われることで起こります。まずは、乾燥を引き起こす主な原因をチェックしていきましょう。
食器洗いや掃除などの日常的な家事で手に触れるお湯や洗剤は、手指の皮脂を洗い流して肌のバリア機能を低下させます。バリア機能の低下は肌の乾燥を引き起こす原因の一つです。
また、洗剤などの薬剤が皮膚にダメージを与えて乾燥を引き起こしているケースも考えられます。
石鹸やハンドソープ、お湯を使用する手洗いも、皮脂や水分が失われる原因です。手を清潔に保つことは重要ですが、手洗いの頻度が多すぎると皮膚を保護する役割を持つ皮脂膜が失われてしまいます。
また、昨今では感染症防止のために、アルコール消毒をする機会も多くなりました。アルコール消毒はウイルス対策に効果的ですが、洗剤や石鹸と同様に皮脂や水分を取り除いてしまうため、つけすぎは手の乾燥を引き起こします。
手先を使った作業をする機会が多い人は、摩擦などの刺激が手を乾燥させる原因となっているかもしれません。ダンボールやお札などの紙類は皮脂を奪うため、頻繁に触れていると乾燥が起こりやすくなります。
また、パソコンのキーボードや、スマートフォンの画面操作も摩擦刺激の一つです。その他に、ガムテープのようなテープ類は粘着面が皮脂を奪ってしまう恐れがあります。
秋冬は外気が乾燥するため、皮膚の水分が蒸発しやすくなります。屋外だけではなく、屋内もエアコンなどの暖房器具を使用すると乾燥しやすいため注意が必要です。
また、実は手指の冷えも乾燥の大敵です。冷えによって血流が滞るとターンオーバーが乱れ、手の角質が硬化し、乾燥につながります。
乾皮(かんぴ)症や皮脂欠乏性湿疹、アトピー性皮膚炎など、皮膚疾患の影響で手が乾燥するケースもあります。あまりにも乾燥がひどい場合には、予期せぬ病気が隠れていることもあるので、自己判断でハンドケアを行うのではなく、なるべく早めに皮膚科を受診しましょう。
手の乾燥が進行をすると、ひび割れや皮のめくれ、白い粉を吹くなどの手荒れや湿疹が発生します。重症化や慢性化した場合、治るまでに時間がかかってしまうかもしれません。
また、皮がむけたり、ひび割れによって手に亀裂が入ると、傷口からウイルスや細菌が入り込んでしまう恐れもあります。手の乾燥が気になった時には、悪化によるトラブルを防ぐためにも丁寧にハンドケアを行うことが重要です。
手の乾燥を悪化させないためにも、毎日の予防は欠かせません。難しいことではなく、手軽に取り入れられるものばかりなので、ぜひ実践してみてください。
手を温水で洗うと皮脂が落ちやすいため、手の乾燥予防という観点では、水で洗う方が良いでしょう。ハンドソープをしっかりと泡立てて洗うと、皮膚に摩擦が加わりにくくなります。
手洗いの際に使用するハンドソープは、なるべく低刺激で肌に負担のかからないものを選ぶのがポイント。肌が敏感な人は、新しいものを使う前にパッチテストを行うと安心です。ハンドソープだけではなく、洗剤やシャンプー、ボディソープなど、手に触れる機会の多い洗浄アイテムは、なるべく低刺激のものにするのが理想です。
手洗いなどで水に触れた後、手を自然乾燥させると手の水分が水と一緒に蒸発をして、乾燥しやすくなってしまいます。そのため、手が濡れたら、ハンカチやタオルで水気を拭き取りましょう。外出時は常にハンカチを持ち歩くようにしたいですね。
手洗いや水仕事、アルコール消毒の後は、ハンドクリームやハンドジェルをこまめに塗ります。ハンドクリームを塗っておくと、手の水分や皮脂をキープできるので乾燥予防に効果的です。
また、爪も手の皮膚と同様に乾燥するため、1日の終わりにネイルオイルで爪の保湿をしておくと良いでしょう。
食器洗いを行う時には、ゴム手袋の使用がおすすめです。手が直に水や洗剤に触れないことで、皮脂や水分が奪われにくくなります。また、水回りの掃除を行う際にも、ゴム手袋を着用することで、洗浄力の強い洗剤から手を守ることができ、乾燥や手荒れのリスク軽減につながるでしょう。
ゴム手袋は、なるべく肌に優しいものを選びましょう。最近では、ゴム手袋以外に使い捨てのポリエチレン手袋などもあるため、シーンや使用頻度などに合わせて使いやすいものを選んでみてください。
冷暖房を使っていると部屋が乾燥しやすくなります。湿度が低いと感じたら、加湿器を使ったりお湯を沸かしたりして対策を。冬場は窓際に濡れタオルを吊るすだけでも乾燥対策になります。
秋冬になると外気が乾燥するので、外出時にはなるべく手指を晒さないようにしましょう。出かける前には、手を保湿して、手袋を着ける準備を。手袋を着用することは寒さ対策だけではなく、乾燥予防としても効果的です。
みずみずしくなめらかな手元を作るためにも、うるおいキープにつながるハンドケアを取り入れましょう。ここでは、おすすめのハンドケア方法を2つ紹介します。
手の乾燥が気になる時には、ハンドクリームを塗る前に化粧水で水分補給を行う、プラスワンのケアを取り入れてみてください。
<ケア方法>
1日の終わりにこのケアを行うことで、乾燥しにくい手に近づけます。
週に一度のスペシャルケアとして、ハンドパックを取り入れるのも効果的です。
<ケア方法>
パックの前にスクラブで角質を除去したり、ワセリンを塗ったりするのもおすすめです。顔につけるシートマスクのように、保湿や美容成分が配合されたハンドパック用アイテムを使うのも良いでしょう。
メゾンレクシアには、ハンドケアアイテムも揃っています。低刺激で肌に優しい、手の乾燥が気になる時におすすめのハンドケアアイテムを紹介します。
ヒマワリ芽エキスやテオブロマグランジフロルム種子脂など、保湿効果の高い植物成分を贅沢に配合したハンドクリーム。時間が経っても豊かなうるおいを保ちます。ベタつきにくい軽やかな使い心地ですが、しっとり感が長時間持続するのも大きな魅力です。フローラル調の優雅な香りが、ハンドケアの度に心を癒やしてくれます。
植物エキスをたっぷりと配合した、肌に負担の少ないボディ&ハンドソープ。ふんだんに配合された植物エキスが、なめらかな手元に整えます。きめ細かい泡で、しっとりとした洗い上がりに。専属のパフューマ―が厳選した4種の心地よい香りが、手洗いをリラックスタイムへと格上げします。
手の乾燥を放置すると、かゆみや皮むけなどのトラブルが起こってしまうかもしれません。日常生活の中で丁寧なハンドケアを意識することで、うるおいに満ちた手をキープしやすくなります。また、手は意外と人に見られるパーツ。乾燥予防やハンドケアを取り入れて、美しい手を目指しましょう。
1994年東京慈恵会医科大学医学部卒業。同大学皮膚科学教室国立大蔵病院皮膚科臨床研究部を経て、2000年用賀ヒルサイドクリニック院長。2017年六本木スキンクリニックを開院。美肌の予防医療を専門とし、現代女性たちの肌悩みを解消するアドバイス・指導などを行う。