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田尻 友恵先生
肌のごわつきは乾燥や紫外線などにより、古い角質が剥がれ落ちずに蓄積されることで起こります。化粧水が浸透しにくい、メイクのノリが悪いなど、肌のごわつきを感じたら日頃のスキンケアを見直して改善につなげましょう。肌がごわつく原因や改善方法、柔らかな肌に導くおすすめのアイテムを紹介します。
目次
肌のごわつきは角質肥厚(かくしつひこう)と呼ばれ、古い角質が自然に剥がれ落ちずに溜まっている状態です。通常、古い角質はターンオーバーによって剥がれ落ちます。ターンオーバーとは、表皮や角層などで起こる細胞の生まれ変わりのことをいいます。しかし、何らかの原因で角質が剥がれ落ちずに蓄積されると角質肥厚となり、以下のような症状が見られます。
<肌がごわついた時の症状>
このような症状に当てはまる場合でも、スキンケアや生活習慣を見直すことでケアできます。
肌のごわつきの原因となる角質肥厚は、乾燥や外部からの刺激によって引き起こされます。ここからは、肌のごわつきを引き起こす角質肥厚の原因について解説します。
乾燥により肌の水分が不足すると、角質が厚くなる原因に。乾燥が進むにつれて肌は硬くなり、古い角質が剥がれ落ちずに蓄積されるため、ごわつきにつながります。
紫外線は肌の水分を蒸発させ、乾燥を進行させます。また、紫外線を受けると肌を守ろうとする防衛機能が働き、角質が厚くなりやすくなります。
生活習慣の乱れも肌がごわつく原因になります。肌のターンオーバーは睡眠中に活発化するため、寝不足が続くと古い角質が残りやすくなるのです。また、偏った食生活を続けると肌へ栄養が行き届かず、ターンオーバーの乱れにつながります。他にも、ストレス、過剰なダイエットや不適切な肌のケアなども、ターンオーバーの乱れを引き起こす要因になります。
冬は一年で最も気温と湿度が低い時季。肌の乾燥や血流の悪さによってターンオーバーが乱れやすくなります。ターンオーバーが乱れると肌表面の古い角質が落としきれず、角質層が厚くなります。
顔をゴシゴシ洗うなどの間違ったスキンケアやマスク着用時など、肌への摩擦が生じると、角質がはがれ、刺激を受けやすくなります。その刺激から肌を守ろうと角質が厚く硬くなってしまい、肌がごわついてしまいます。
年齢を重ねると全身の新陳代謝の低下や、肌のターンオーバーの周期の遅れを引き起こします。また、加齢と共に潤いを保つ成分が減少し乾燥しやすくなるため、ターンオーバーが乱れがちになります。
肌のごわつきを改善するには、クレンジングや洗顔で汚れを落としつつ、しっかり保湿することが重要です。肌のごわつき対策に効果的なスキンケア方法を紹介します。
肌のごわつきを防ぐには肌表面はもちろん、毛穴の奥に詰まった汚れや皮脂、不要な角質まで丁寧に落とすことが重要です。肌に合ったクレンジング剤や洗顔料を選んで、ごわつきの原因を取り除きましょう。
ただし、汚れや皮脂を落とすために洗浄力の高いものを選ぶと、肌に必要な角質やうるおいまで落としてしまうことも。また、スクラブ入りなどピーリング効果のあるものも刺激となり、肌にダメージを与える恐れがあります。クレンジング剤や洗顔料は肌にやさしく、不要な汚れや角質だけ落とすマイルドな「角質ケアアイテム」を選んでください。
保湿をしっかり行うと角質が柔らかくなり、古い角質が剥がれ落ちやすくなるため、正常なターンオーバーへとつながります。化粧水でうるおいを与え、水分が蒸発しないように乳液やクリームなどの油分でしっかり閉じ込めて。セラミドやヒアルロン酸など、保湿効果の高い成分が配合されたスキンケアアイテムを選びましょう。
また、ふき取り化粧水を使うのもおすすめです。古い角質を落として肌をなめらかにしてくれるだけではなく、その後のスキンケアアイテムを浸透※しやすくしてくれます。
※角層まで
紫外線はターンオーバーの乱れや乾燥を引き起こし、肌のごわつきの原因になるため、対策がとても大切です。季節や天候を問わず、紫外線は毎日降り注いでいます。また、紫外線は散乱しやすいため、空からだけではなく、地面からの反射などさまざまな方向からやって来ます。毎日きちんと日焼け止めを塗って全方位に対策をしましょう。
肌のターンオーバーを整えるためには、スキンケアに加えて、睡眠や食事などの生活習慣を整えることも大切です。肌のごわつきを改善する生活習慣について紹介します。
肌の生まれ変わりをサポートする成長ホルモンは、眠っている間に分泌されます。そのため、十分な睡眠はすこやかな肌作りに欠かせません。また、睡眠の質も重要です。ぬるめの湯船にゆっくりつかってリラックスする、就寝前のスマホを控えるなど、質の良い睡眠をとる工夫をしていきましょう。
毎日の食事も肌の健康とかかわっているため、バランスの良い食事を心がけることも大切です。ハリのある肌を作るたんぱく質、コラーゲンの生成やターンオーバーを促すビタミン類、うるおいのある肌を作るアミノ酸などを積極的にとりましょう。これらの栄養素を食事から摂取するのが難しい場合は、サプリメントを利用する方法もあります。
肌のごわつきを防ぐには、スキンケアアイテム選びも重要です。厳選された植物エキスを贅沢に配合したアイテムを展開するメゾンレクシアから、肌のごわつき対策におすすめのアイテムを紹介します。
美容液のような処方で、肌のごわつきをほぐしながらメイクや汚れをしっかり落とすミルククレンジング。配合された保湿力の高い植物エキスが肌のすみずみ※1にまでうるおいを届け、メイクオフするだけで透明感※2のあるしっとりとした肌に整えます。肌なじみの良いミルクはマッサージにも最適。コリがほぐれてリンパの流れが良くなり、すっきりとしたフェイスラインに。
※1.角層まで ※2.うるおいを与えることによる肌印象
高い保湿効果のある植物成分を厳選した化粧水です。ダマスクローズウォーターをベースに、ヒマワリやトウキンセンカなど、肌にうるおいを与えてやわらげる植物エキスを贅沢に配合。上質なうるおいで角層を満たし、しっとりとみずみずしい肌へ導きます。
普段の洗顔では落としきれない毛穴の詰まりやくすみ※1、ごわつきを一掃し、素肌へと導くクレイパック。ミネラル豊富な3種のクレイと濃密な植物のエモリエント成分によるクリームで、硬くなった肌を柔らかくほぐし、使う度に透明感※2を高めます。爽やかなハーバルフローラルの香り。
※1.汚れや古い角質による ※2.うるおいを与えることによる肌印象
角質肥厚が起こると肌がごわつき、スキンケアアイテムが浸透※しにくい、化粧ノリが悪いといったトラブルが起こります。肌のごわつきを感じる時は、スキンケアと生活習慣を見直す良いチャンス。今回紹介した原因に心当たりのある人は、この機会に改善して肌のごわつきと決別しましょう。
※角層まで
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2012年に北里大学を卒業後、東京医科歯科大学や慈恵医科大学、都内総合病院、都内クリニックで皮膚科、一般内科、アレルギー科、ペインクリニック科、美容皮膚科いずれの分野でも研鑽を積む。 医療に従事する傍ら、医療記事監修や化粧品の監修も多数行う。 現在は錦糸町皮膚科内科クリニックを開院し院長として活躍中。