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矢加部 文 先生
肌のハリは加齢や紫外線、水分不足などによって低下します。しかし、生活習慣やスキンケアによってケアは可能です。肌のハリが失われる原因や取り戻すためにできる対策、スキンケアのポイント、おすすめのアイテムを紹介します。
目次
肌のハリとは、若々しく美しい肌を印象づける要素の一つです。ハリのある肌にはうるおいがあり、触れると押し返すような弾力が感じられます。たるみやシワ、キメの乱れ、毛穴などが目立ちにくいのも特徴です。
肌にハリをもたらすのは、肌の土台となる「真皮」に存在する、ヒアルロン酸やコラーゲン、エラスチンなどの成分。コラーゲンやエラスチンは弾性のある線維状のタンパク質で、肌に弾力を与えます。さらにヒアルロン酸が大量の水分を蓄えることで、ハリのある肌がはぐくまれます。
肌のハリが失われるのは、コラーゲンなどの肌に必要な成分の減少が関係しています。また、紫外線などの外的刺激や乾燥などが一因となることも。ここでは、肌のハリが不足する原因を紹介します。
先述した通り、肌のハリを支えるのはヒアルロン酸やコラーゲン、エラスチンなどの保湿成分です。これらの成分は真皮中に存在する線維芽細胞(せんいがさいぼう)から生まれます。
しかし、加齢とともに線維芽細胞の働きが衰えると、ヒアルロン酸やコラーゲン、エラスチンの生成も減少してしまいます。すると、肌の弾力や水分量を保つことが難しくなり、肌のハリが失われてしまうのです。
肌が乾燥すると肌表面の「角層」の水分が減少するため、肌のハリが低下します。肌の乾燥は、乾燥した部屋で過ごす、誤ったスキンケア、1日に摂取する水分量が少ない、などによる水分不足が原因となって引き起こされます。肌が乾燥すると目元や口元のシワの原因にもなるため、スキンケアでしっかり保湿して乾燥を防ぎましょう。
紫外線を長時間浴びると体内に活性酸素が発生し、肌のハリを支えるコラーゲンやエラスチンにダメージを与えます。それによって肌を支える力が弱くなり、ハリが失われる原因に。
肌老化の原因の8割は、長期的な紫外線が影響すると言われています。ハリ不足に加えてシミ、シワ、たるみなどの肌トラブルも招くため気をつけましょう。
糖化は、老化原因の一つとして注目される化学反応。食事などで摂取した余分な糖質が、体内のタンパク質などと結びつき「AGE」という終末糖化産物が生成されることを指します。
肌のハリや弾力を保つ働きのコラーゲンとエラスチンは、この糖化に弱い特性を持っています。そのため糖化が進みAGEが増えると、肌の弾力性が失われたるみが起こります。
紫外線や乾燥などの外的刺激によって受けた肌ダメージは、ターンオーバー(肌の生まれ変わり)によって修復されます。しかし、ターンオーバーのサイクルが乱れると、すこやかな肌細胞が生まれにくくなり、肌のうるおいを十分に保つことができません。
この状態が慢性化すると、肌表面にうるおいのない角質が蓄積し、なめらかさが失われてハリ不足へとつながります。
表情筋は表皮や真皮、皮下組織(脂肪層)よりもさらに奥にあり、皮膚を支えています。顔の表情を作るだけではなく、肌を内側から押し出す働きも。そのため表情筋が衰えると、肌のたるみやハリ不足につながります。
マスクの使用やリモートワークが増えると、表情筋を動かす回数が減少しがちになり、表情筋の衰えにつながることがあります。
肌のハリが失われるのは加齢の他、日々の悪い習慣の積み重ねが原因となっている場合もあります。普段の生活習慣やスキンケアなどを見直してみましょう。ここでは、肌のハリを取り戻す方法を5つ紹介します。
肌が乾燥すると角層の水分が減少し、ハリ不足につながるため、保湿は欠かせません。保湿効果の高い化粧水を使用しましょう。特に乾燥しやすい目元や口元には、クリームや美容液などのアイテムを取り入れて、しっかりと保湿することが大切です。
また、美容液をたっぷりしみこませたシートマスクも保湿対策におすすめ。シートマスクは顔に密着するので、頬や額だけではなく、小鼻や口元など凹凸のある部分までしっかり保湿できるのがメリットです。保湿成分を顔のすみずみまで行き渡らせることができます。
さらに、保湿は外側からだけではなく内側から行うのも重要です。しっかり水分をとれば肌の水分を保てるだけではなく、血行が良くなり肌細胞にきちんと酸素や栄養も届けられるため、肌荒れを防げます。
紫外線による肌ダメージの蓄積を防ぐために、紫外線対策は徹底して行いましょう。紫外線対策には日焼け止めを使う、日傘や帽子を使う、日差しの強い時間帯の外出は避けるなど、いろいろな方法があります。
日焼け止めを選ぶ時には、SPFとPAに注目を。これは日焼け止めの効果を示す数字ですが、効果が高いものは肌の負担になることもあるため、TPOに応じて選ぶのがおすすめです。
例えば通勤などの普段使いなら「SPF20、PA++」程度で十分でしょう。海やプールなどのレジャーや、長時間外にいる場合には「SPF30~50、PA++++」など日焼け止め効果の高いものを選びます。また、日焼け止めはこまめに塗り直すことが大切です。
糖質の摂りすぎが肌のたるみにつながるように、食事のバランスや睡眠、運動不足など生活習慣の乱れも肌トラブルの原因になります。睡眠時間は、肌が受けたダメージを回復する大切な時間です。質の良い睡眠を確保することを心がけましょう。
肌のハリを保つために必要なコラーゲンやヒアルロン酸、エラスチンの生成には、線維芽細胞の働きが重要です。適度な運動を行うことで線維芽細胞が活性化され、肌のハリ対策になります。食事や睡眠時間などの見直しと適度な運動をすることも、肌のたるみを改善してハリのある肌を取り戻す習慣と言えるでしょう。
肌のハリは表情筋の衰えが原因でも失われるため、表情筋を鍛えるとハリのある肌を取り戻せる可能性があります。顔のストレッチやマッサージを行って、筋肉を動かしましょう。美容液やクリームを使って、ハリケアマッサージを行うのもおすすめです。
ただし、強い力で行うと肌を擦る原因になるため、薬指の腹を中心に使ってやさしく行ってください。肌のたるみ解消に効果的なツボ押しも取り入れてみると良いでしょう。
肌のハリを取り戻すためには、ビタミンCやE、βカロチンなど、抗酸化作用のある栄養素を摂るのがおすすめです。これらの栄養素には、コラーゲンやエラスチンを変性させる活性酸素を抑える働きもあります。
忙しくてバランスの良い食事がとれない人は、サプリメントを活用して栄養素を補うのも一つの方法です。ただし、サプリメントは医薬品ではなく栄養補助食品であるため、即効性はありません。過剰摂取にならないように、食べ物から栄養素を摂りながら、補助的に活用するのが理想です。
肌のハリを取り戻すには、たるみ対策の一環としてスキンケアも重要です。ここからは、肌のハリを取り戻すために意識したいスキンケアのポイントを紹介します。毎日のスキンケアに取り入れて、ハリのある肌を取り戻しましょう。
毎日のスキンケアに、ハリ対策に効果的な成分が配合されているアイテムを取り入れるのも良い方法です。以下の成分が配合されたアイテムを選ぶのがおすすめです。
ビタミンAと表示されるレチノールは、シミ対策にも役立つ成分です。ナイアシンには肌の新陳代謝や血行を促進する効果、美白効果があります。ビタミンC誘導体には肌のハリを取り戻すだけではなく、皮脂を正常に保つ効果も期待できます。
毎日のスキンケアは、正しい順番で行わなければ効果が半減してしまいます。スキンケアアイテムの効果を発揮するためにも、正しい順番で行いましょう。
<正しいスキンケアの順番>
スキンケアの際に力を入れてしまうと、肌への摩擦となるため気をつけましょう。クレンジングや洗顔の際に力を入れて洗ったり、タオルでゴシゴシ拭いたり、化粧水やクリームをつける際に力を入れたりしないようにしてください。
肌への摩擦は刺激となり、角層のバリア機能を低下させる原因となります。バリア機能が低下すると肌が乾燥するため、ハリの低下につながります。スキンケアは、力を入れずにやさしく行うのがポイントです。
最後に、メゾンレクシアからハリのケアにおすすめのスキンケアアイテムを紹介します。肌にうるおいを与え、ハリ不足にアプローチする美容液を見ていきましょう。
エイジングケア※1を叶える美容成分・バクチオール※2を贅沢に配合し、角層のすみずみまでうるおいを届ける美容液です。バクチオールは「次世代レチノール」として注目されている美容成分。肌にやさしい植物成分のため、敏感肌の人でも安心して使えます※3。
普段のお手入れにプラスするだけで、美肌力がグンとアップします。
※1年齢に応じたお手入れ
※2整肌成分
※3すべての方に皮膚刺激が起こらないわけではありません。お肌の弱い方は、ひじの内側などで刺激の有無を確認の上、お顔にご使用ください。
トウキンセンカエキスやシラカバエキスを始めとする、14種類の植物成分を贅沢に配合した美容液。肌をみずみずしくなめらかに整えながら、ピンと持ち上がるようなハリ感を与えます。エレガントなローズの香りが、スキンケアタイムを至福のひと時に。
年齢サインの現れやすい、目元のハリケアにおすすめの目元用美容液。アイブライトエキスや、セイヨウニワトコ花エキスを始めとする、敏感な目元のために厳選された植物成分がエイジングサイン※に働きかけ、年齢を感じさせないハリのある目元へと導きます。
※キメの乱れやハリ不足のこと
年齢とともに気になり始める肌のハリ。ハリが衰える原因を知ってしっかり対策を施せば、みずみずしく弾力のある肌がよみがえるでしょう。正しいスキンケアと肌に合ったアイテムでケアをして、若々しくハリのある肌を目指してくださいね。
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長崎大学医学部卒業後、長崎大学形成外科入局。福岡大学形成外科レーザー外来・美容医療担当の経験などを経て、2016年に形成外科・美容皮膚科みやびクリニックを開院し、院長を務める。