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監修者:Bella Beauty CLINIC理事長 石川 佳奈先生
ぽつぽつと繰り返しできる大人ニキビに悩んでいる人は多いもの。過剰な皮脂が原因となる思春期ニキビとは違い、大人ニキビの原因はさまざまですが、いずれも改善するためには高保湿成分配合の化粧水でケアすることが大切です。今回は大人のニキビケアに適した化粧水の選び方やしっかり保湿するためのスキンケア方法を紹介します。
目次
大人ニキビの原因は皮脂だけでなく、潤い不足や角質層が厚くなっているなど、さまざまな要因が考えられます。同じ場所に繰り返しできやすい大人ニキビの原因を紹介します。
肌の一番外側にある角層は水分を蓄えて外的刺激から肌を守る「バリア」の働きをしていますが、乾燥や紫外線、摩擦の他、年齢とともに肌の保水力も低下するため、角層が水分不足となり肌のバリア機能が低下。肌は外的刺激から守るために自ら角層を厚くしてしまうため大人ニキビの原因となります。
正常な肌は、周期的に古い角質がはがれおち、新しい肌へと生まれ変わるターンオーバーを繰り返し、潤った肌を保っています。ですが、睡眠不足や過度なストレス、栄養が偏った食事などは肌のターンオーバーを乱す原因に。ターンオーバーが乱れると古い角質がはがれおちずそのまま残り、毛穴を詰まらせてニキビの原因となります。
ニキビはホルモンバランスが乱れることによって、ダーンオーバーを正常に行うことが難しくなる可能性があります。忙しい毎日を過ごす中での過労やストレス、生活リズムの乱れなどはホルモンバランスにも影響を与えるので注意しましょう。
また、女性の場合は生理もホルモンバランスが乱れる原因です。特に生理前は、プロゲステロンの分泌が増えるため皮脂の分泌が増え、大人ニキビの悪化やニキビができやすい肌となります。
「ニキビは皮脂が原因」と、皮脂を落とすためのゴシゴシ洗いやすすぎ過ぎは、肌に必要な皮脂を奪うだけでなく、摩擦が角質層にダメージを与えてしまいます。さらに「油分を控えるため」と、乳液を使わず化粧水だけで済ませてしまうと、水分の蒸発を早め肌が乾燥する原因となるのです。このような誤ったスキンケアも大人ニキビの原因となります。
糖質や脂質の摂り過ぎ、ビタミン、タンパク質の不足など、偏った食生活もニキビができやすい肌になる原因のひとつです。糖質や脂質は皮脂の栄養となりやすいため、甘い物や油物の摂り過ぎは皮脂の分泌を促します。また、食物繊維が不足すると便秘になりやすくなり、腸内環境が悪化してニキビのできやすい肌となります。
ニキビケアに適した化粧水といっても種類が多いため、何を基準に選んで良いのか迷ってしまいます。大人ニキビをケアする化粧水選びのポイントを紹介していきます。
人によって肌質は違います。毎日ケアを続けていても、肌質に合っていない化粧水では効果を実感するのは難しいものです。肌質には普通肌、乾燥肌、脂性肌、混合肌、敏感肌があり、肌の状態や必要なケアは違います。
洗顔10分後の肌をチェックしてみましょう。肌がつっぱるなら乾燥肌、皮脂を感じたら脂性肌のサインかもしれません。まずは自分の肌質を知って、肌に合った化粧水を選ぶことが大切です。
化粧水はそれぞれ特化している部分が異なります。保湿と同時に肌を引き締める収れん、不要になった角質や皮脂、汚れを落としながら保湿もできる拭き取りなど、肌の状態や自分のスキンケア方法に合った化粧水を選ぶのも大切です。
年齢によって肌の悩みも違ってきます。特に大人ニキビはさまざまな要因が重なり合ってできる場合もあるため、ニキビ以外の肌トラブルも一緒にケアできる成分が配合された化粧水を選ぶのも良いでしょう。
ニキビに悩んでいるのであれば、現状の肌を改善し、今後再発しないようはたらきかけてくれる化粧水を選ぶ必要があります。
ニキビの原因が乾燥にあると考える場合は潤いをしっかりと与えられるようなもの、皮脂の過剰分泌が原因と考える場合は分泌量を抑える成分が配合されているものがおすすめです。自分のニキビがどのタイプかを分析して、適切な商品を選びましょう。
ニキビ肌には、毎日のスキンケアで肌環境を整え、ニキビのできにくい肌環境を作ることが大切です。ニキビ・ニキビ跡を改善するためにできるケア方法について紹介します。
毎日ケアしていてもニキビやニキビ跡が気になる時は、洗顔から見直してみましょう。洗浄力のやさしいクレンジングや泡洗顔がポイントです。
・クレンジングはオイル系をさける
アクネ菌のエサになりやすいオイル系はさけて、ミルクやジェルタイプを使いましょう。肌に刺激を与えないようにやさしく、しっかりメイク汚れが落ちるまで丁寧になじませます。
・洗いすぎに注意
洗浄力が強すぎる洗顔料は必要な皮脂も落としてしまう可能性があるため、ニキビ改善や保湿に特化した洗顔料などを選びましょう。泡立てネットなどでしっかり泡立て、キメの細かな弾力のある泡でやさしく洗います。ゴシゴシ洗いはせず、手が直接ふれないように泡で汚れを落とすイメージで洗ってください。
・すすぎはぬるま湯で
熱すぎると皮脂を落とし過ぎてしまうだけでなく、肌の乾燥を早める可能性もあります。35℃前後のぬるま湯ですすぎましょう。
洗顔後は乾燥をさけるためにすばやく保湿してあげることが大切です。
・保湿用化粧水の使い方
パッティングや肌をこするつけ方は刺激を与えてニキビを悪化させてしまうことがあるので、適量の半量を手のひらにとり、軽く温めてから顔の中心から外側に向かってやさしく抑えるようになじませてください。残りの半量は、目元や口元など乾燥が気になる場所に重ねつけしましょう。
・拭き取り用化粧水の使い方
ザラつきが気になる部分を中心にやさしくなでるように滑らせて拭き取ってください。肌が敏感になっている部分や、刺激を受けやすい口元、目元はさけた方が良いです。最後に保湿用化粧水をなじませるのを忘れずに。
ニキビ跡のケアには、跡の状態に合った化粧水を使うのがおすすめです。赤みタイプには抗炎症作用、色素沈着タイプには美白成分が配合された化粧水でケアをします。
日中は日焼け止めクリームを湿布することで、ニキビの発生、悪化を防いだり、ニキビの炎症後色素沈着を防ぐことができます。屋外用の強いタイプの日焼け止めはニキビを悪化させることもありますので、 SPFやPA値が高くない肌に優しいものやニキビ用のものを使用することがおすすめです。
ニキビやニキビ跡のレベルによっては、毎日のスキンケアだけでは改善できない場合もあります。何をしても治らない頑固なニキビ、消すことが難しいクレータータイプのニキビ跡に悩んだら皮膚科に相談しましょう。
大人ニキビは皮脂だけでなく、ストレスやホルモンバランスの乱れ、食生活などさまざまな原因があります。ニキビができる原因への対策をとりながら、化粧水などを使ったケアでしっかり保湿をしてみてください。根気よくケアをして、ニキビのできにくいツヤ肌を手に入れましょう。
日本美容外科学会、日本美容皮膚科学会、日本化粧品学会所属 藤田保健衛生大学卒業。市民病院にて勤務後、大手美容クリニックにて美容外科、美容皮膚科の経験を積む。 現在はBella Beauty CLINIC理事長兼心斎橋院の院長として美容医療に携わる傍ら、美容医療に関する記事の監修も多数行っています。