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吉岡 容子 先生
生理前になると気になるニキビなどの肌荒れ。その原因は女性ホルモンにあるかもしれません。女性の体は生理周期によって、ホルモンバランスが変化します。周期に合わせた肌のケアを行うことで、生理前のニキビを予防しましょう。この記事では、生理前のニキビや肌荒れの原因と予防法、正しいスキンケア方法、おすすめスキンケアアイテムまで詳しく紹介します。
目次
女性の肌とホルモンには密接な関係があり、生理周期によってホルモンバランスは変化をします。生理前にニキビができる仕組みや、いつから肌が敏感になりやすくなるかを知っておくと、ケアがしやすくなるでしょう。まずは、生理周期によって肌がどのように変化するのかを解説します。
女性ホルモンには、代謝を上げたり、肌のうるおいや水分量を整える卵胞ホルモン(エストロゲン)と、体内に水分をため込みやすくしたり、食欲増進、皮脂の分泌を促す黄体ホルモン(プロゲステロン)の2種類があり、生理周期に合わせてそれぞれの分泌量が変化をします。
排卵後から生理前にかけては、黄体ホルモンの分泌量が増加することで毛穴に皮脂が詰まりやすくなり、ニキビなどの肌トラブルを引き起こします。
<生理期間の1週間> ★A★
黄体ホルモンの分泌量が落ち着き、生理前の荒れた肌が徐々に回復する時期。しかしながら、血液循環が悪くなるため、貧血気味になったり、生理痛が起こったりする他、精神的な不安定さが続きやすい時期でもあります。
<排卵前の1週間> ★B★ 肌のコンディションGOOD!
卵胞ホルモンの分泌量が増える時期。肌にツヤやハリが出て、不安定だった精神状態が落ち着きます。便秘になりづらく、心身のコンディションも良くなりやすいです。
<排卵後の1週間> ★C★
黄体ホルモンの分泌量が増加していくのに伴い、皮脂の分泌が増え、肌トラブルを引き起こしやすい時期。むくみや便秘が気になる他、イライラしたりだるさを感じるなど精神的な不調が出始めることもあります。この状態が続くことで、先に記載した生理前の1週間に起こりやすい肌トラブル(ニキビや吹き出物など)につながります。
<生理前の1週間> ★D★
黄体ホルモンの分泌量が多く、ニキビや吹き出物、肌荒れなどの肌トラブルの他に、イライラするなど精神的にも不安定になる時期。むくみや頭痛、だるさなどのPMS症状が出る人もいます。
健康な肌は、約28日周期で古い角質が剥がれ落ち、新しい肌へと生まれ変わるターンオーバーを繰り返します。しかし、生理前はストレスによりホルモンバランスが乱れ、肌のターンオーバーが上手く行われないことも。そうなると古い角質が残り、毛穴が詰まり、ニキビができやすくなります。
皮脂の分泌が過剰になりやすい生理前の時期は、あごにニキビができやすくなります。
あごの周辺は汗を分泌する汗腺が少ないため、乾燥しやすい部分です。一方で皮脂腺は多いため、乾燥すると水分を補うために皮脂を過剰に分泌します。その皮脂が毛穴に詰まることでニキビが発生します。
さらに、あごは炎症が悪化すると治りづらく、再発しやすい場所と言われています。
生理前のニキビ予防や、できてしまったニキビを早く治すには、体の外側と内側の両方からアプローチすることが大切。まずは食事や漢方、ストレスケアなど、体の内側から予防する生活習慣のポイントを紹介します。
肌荒れやニキビを予防するためには、バランスのとれた食事を心がけましょう。以下の栄養素を積極的に摂取するのが理想です。
タンパク質 | ・肌を作る材料となる |
ビタミンB群 | ・肌の代謝を高める
・皮脂量をコントロールする
|
ビタミンC | ・メラニン色素の沈着を防ぐ
・肌にハリを与える
|
ビタミンE | ・血行促進や肌荒れ予防に役立つ |
食物繊維 | ・便秘を解消してくれる |
食事で栄養バランスを取るのが難しい場合には、サプリメントで栄養補給を行うのも良いでしょう。
ニキビ予防に漢方を取り入れるのも一つの方法です。女性ホルモンが乱れると、血の巡りも悪くなります。それにより、ニキビだけではなく、冷え性や生理痛などの症状に悩まされる人も多いようです。
さまざまな生薬が配合されている漢方は、血の巡りを整え、生理前のニキビだけではなく、冷えなどの不快な症状の緩和も期待できます。生理前のホルモンバランスの乱れによるニキビ対策に漢方を取り入れたい時には、「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」「加味逍遥散(かみしょうようさん)」「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」、女性ホルモンに類似した働きをする、「十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)」などを検討してみると良いでしょう。
睡眠不足や疲れなどによりストレスが溜まると、ホルモンバランスが崩れ、肌トラブルを引き起こしやすくなります。ニキビ予防のためにも、ストレスケアを心がけることが大切です。規則正しい生活や、質の良い睡眠でストレスを解消すると良いでしょう。
生理前のニキビは、体の内側からと同時に外側からのケアも大切です。ここからは、スキンケアとメイクアイテムを選ぶ際のポイント、生理周期に合わせたスキンケアを紹介します。
生理前のニキビ悪化に備え、ノンコメドなどニキビのもとになりにくい処方のスキンケア用品を用意しておくのがおすすめ。また、ニキビの炎症を抑える抗炎症作用や、殺菌成分などが配合されたものも効果的です。
クレンジング剤も刺激が少ないものや、添加物が配合されていないものなど、肌に優しいタイプを選びましょう。具体的には、油分の少ないミルクタイプやジェルタイプ、ニキビ肌向けに作られたものが適しています。
ニキビが気になる時期は、スキンケアだけではなくメイクにも気をつけたいもの。特に長時間肌と密着しているベースメイクは、肌の負担にならないタイプのアイテムで仕上げてください。
皮脂の分泌量が多くなる生理前は、軽い質感のパウダリーファンデーションが良いでしょう。また、薬用ファンデーションや低刺激な敏感肌用ファンデーションなどを選ぶのも一つの方法です。
ニキビがひどい時や肌荒れが起こっている時は、厚塗りのファンデーションで隠したくなりますが、薄づきでカバー力のあるタイプの方が肌への負担を軽減できます。
先ほど紹介したように、生理周期によって肌の状態は変化します。変化に応じたスキンケアを行うことで、ニキビなどの肌トラブルを回避しやすくなるでしょう。
<生理期間>
肌が敏感になり、乾燥しやすいためピーリングなどの角質ケアはなるべく避けるようにします。低刺激で保湿効果の高いスキンケアアイテムを選んでみてください。シートパックを利用するのも効果的です。また、美容オイルを取り入れて肌に栄養を与えながら保湿をするのもおすすめです。
<排卵前>
排卵日前の1週間は、肌の状態が最も良くなる時期。肌の状態が良いと感じたら、ピーリングなどの少し刺激のあるケアを取り入れても良いでしょう。また、新しいスキンケアアイテムやメイクアイテムを試しても良い時期です。
<排卵後~生理前>
排卵日後になると、皮脂の分泌量が増え始めます。特に脂性肌の人はニキビができやすくなるため、注意が必要。肌を清潔に保つことを心がけ、化粧水と乳液・クリームで水分と油分のバランスを整えましょう。
ニキビ予防は肌を清潔に保つことが重要です。ただし洗浄力の強いアイテムの使用や、洗いすぎには注意。必要な皮脂まで落とし、肌の乾燥やバリア機能の低下を引き起こす恐れがあります。生理前のニキビを防ぐ正しいスキンケアの手順を紹介します。
メイクの洗い残しは、ニキビを悪化させる原因となるため、必ず洗顔の前にきちんと落とすことが重要です。
また、皮脂の分泌量が多い生理前の1週間は、毛穴詰まりがあると皮脂分泌が上手くいかずにニキビの原因となります。そのため、クレンジング・洗顔で毛穴の汚れをしっかりと落とすことが大切です。商品に記載されている使用量を守り、肌に負担がかからないように優しくなじませましょう。最後は肌に残らないように、ぬるま湯で流します。
クレンジング時のポイントは、肌をこすらないこと。ニキビが既にできている場合は、潰さないように注意してください。
生理前は、皮脂の分泌量が増えているため、朝晩きちんと洗顔料を使って洗顔をしましょう。力を入れて洗うと肌に負担をかけるので注意してください。
洗顔後の肌は乾燥しやすいため、できるだけ早めに化粧水やクリームを使って保湿をしましょう。しっかりと保湿をすることで、過剰な皮脂の分泌が抑えられます。
皮脂の分泌量が多い時には、乳液やクリームを軽いテクスチャーのアイテムにするなど、肌の状態に合わせたアイテム選びがポイントです。
紫外線は、ニキビを悪化させる原因となる場合も。また日焼けにより、ニキビ跡がシミになる恐れもあります。肌を守るためにも、日中は日焼け止めを使用し、紫外線対策をしっかりと行ってください。
ただし、日焼け止めによっては、ニキビの悪化や肌荒れなどのトラブルとなるものもあります。ニキビが気になる時期は、紫外線吸収剤フリーやノンケミカルなもの、洗顔料や石けんで洗い流せる低刺激なタイプを選ぶと良いでしょう。
メゾンレクシアのスキンケアアイテムは、肌なじみの良い成分を厳選しているため、生理前などの肌の状態が不安定な時にもおすすめ。ここでは、荒れた肌を落ち着かせる人気のアイテムを紹介します。
※新しい化粧品を試すのは、生理前後など肌がゆらぎやすい時や肌が炎症を起こしている時は避け、肌のコンディションが良いタイミングがおすすめです。
厳選した27種の植物成分を贅沢に配合した、まるで美容液のようなミルククレンジング。保湿力の高いニンジン根エキスやタイソウエキス、クロフサスグリ葉エキスなどを含んでいるため、洗い上がりはしっとり。キメや乱れを整え、透明感のある肌へと導きます。
肌荒れを防ぐハマメリス水、肌をなめらかにするトウキンセンカエキスなどの植物成分を贅沢に配合したミスト化粧水。粒子の細かなミストが肌を引き締め、すこやかに保ちます。肌の乾燥を感じた時などに、サッと吹きかけられる手軽さも魅力です。
肌にうるおいを与えることを重視した「アルケミー」。日々変化する肌の奥深く※まで染みわたり、うるおいに満ちた肌へと導きます。
独自開発の酵母発酵エキス[ベガル®]*が全アイテムに高配合されており、植物と発酵の力の相乗効果で、トラブルでゆらぎがちな肌をすこやかに保ちます。
※角質まで *整肌保湿成分
アルケミーのラインナップは「メイク落とし」「洗顔料」「化粧水」「美容液」「ナイトクリーム」「デイクリーム」の6つです。これらをフルラインでお試しできる「アルケミー トライアルセット※」も展開しています。トライアルセットは朝夜の使用で、約7日間分です。
※ご購入は、初めての方限定です。
多くの女性が悩んでいる生理前のニキビや肌荒れ。生理周期のホルモンバランスが関係しているため、スキンケアと併せて、食事や漢方など体の内側からのアプローチも大切です。生理周期に合わせたスキンケアと生活習慣できれいな肌をキープし、毎日を気持ちよく過ごしましょう。
東京医科大学医学部医学科を卒業後、麻酔科学講座入局。 麻酔科退局後、明治通りクリニック皮膚科・美容皮膚科勤務。 院長を務め、平成24年より医療法人容紘会高梨医院皮膚科・ 美容皮膚科を開設。院長として勤務しています。