NeRoLi herb主宰/植物療法士の菅原あゆみさんに聞く、美しさとすこやかさを整えるハーブの力

NeRoLi herb主宰/植物療法士の菅原あゆみさんに聞く、美しさとすこやかさを整えるハーブの力

COLUMN

Mar 03, 2025

「なんとなく不調を感じる」という日はありませんか?さまざまな要因でゆらぎやすい女性の体は、常に何らかの不調との闘い、と言っても過言ではないかもしれません。 そこで役立てたいのが、美や健康など、さまざまな植物の持つ力を手軽に摂ることができるハーブティー。古代から西洋では薬草として用いられ、現代でもそのナチュラルさや、すこやかな生活のサポートに注目されています。 今回は、オリジナルブレンドハーブティー専門店「NeRoLi herb」を主宰する植物療法士・菅原あゆみさんに、ハーブの魅力と女性がイキイキと過ごすためのハーブの活かし方について伺いました。

目次

  1. ハーブが持つ魅力とその効果とは
    1. ハーブとの出会いは生まれた時から
    2. ハーブを用いた植物療法の力
    3. ハーブティーを習慣化させて効果的に
  2. 女性の“なんとなく不調”にうれしい注目のハーブ
    1. ホルモンバランスをサポートする“女性の味方”ハーブとは
    2. 今注目のハーブ「ヤチヤナギ」
    3. 「ヤチヤナギ」をふんだんにブレンドしたハーブティー
  3. 菅原さん直伝!より効果的なハーブティーの飲み方
    1. 花が開くまで待ち、冷まして飲む
    2. たっぷり作って水の代わりに
  4. 飲むだけじゃない!ハーブティーの楽しみ方
  5. 「植物は裏切らない」ハーブ生活で「今日より明るい日に」

ハーブが持つ魅力とその効果とは

ハーブとは、健康や美容にアプローチする植物のこと。ハーブティーは、ハーブを乾燥させて煮だしたものを指します。

菅原さんにとって、ハーブの存在やその魅力はどんなところにあるのでしょうか。

ハーブとの出会いは生まれた時から

生まれた時からハーブは身近な存在だった、と言う菅原さん。
「祖母の代からお付き合いのあったイギリスのお宅へ、幼い頃からよく行く機会がありました。そのお宅には植物療法士の方がいて、その方の影響で私も自然と植物を取り入れた生活をするようになったのです」

ハーブを用いた植物療法の力

ハーブは薬のようなイメージですが、ヨーロッパでの植物療法とは「ハーブは人間を治すもので、病気を治すものではない」と考えられ、人が本来持っている順応力を引き出すとされています。

「ハーブのすごいところは、正常な状態へと整えてくれること。例えば血圧で考えると、高い人と低い人がいますよね。ハーブは1種類でどちらの方にもアプローチして、心地よい体調まで整えてくれます。

また、今何かの病気になっていなくても、このままの生活を続けていくと病気になってしまうかもしれないという『未病』の状態にもハーブは役立ちます。植物だから優しく体に働きかけ、未来の自分を綺麗に、笑顔にしてくれるのです」

さらに、虫よけや防腐効果などもあるそう。「お弁当にローズマリーを置くだけでもちが良くなり、香りづけにもおすすめです」

ハーブティーを習慣化させて効果的に

ハーブを効果的に取り入れるには、習慣化させることが大切、と菅原さんは言います。

「食べ物や飲み物は、習慣になりやすいんです。特に飲み物は吸収が早いので、習慣づいたものがどんどん体に取り込まれます。だからこそ、カフェオレやエナジードリンクではなく、ハーブティーを習慣化させてほしい。

私にとってハーブティーは嗜好品ではなく、体を整える飲み物。ハーブティーを水の代わりに飲むことで、そのハーブが持つ効果を常に体に吸収しているんです。だからこそ、継続することが大切ですね」

女性の“なんとなく不調”にうれしい注目のハーブ

仕事や家庭など、毎日忙しい女性の生活では、日常的に疲れや不調を感じやすいもの。女性特有のバイオリズムによるゆらぎもあり、元気でいられない時もあります。

そんな女性を元気にする、おすすめのハーブについて菅原さんに伺いました。

ホルモンバランスをサポートする“女性の味方”ハーブとは

女性の体に良い働きをするハーブはたくさんある、と菅原さんは言います。

「ローズ、レディースマントル、ラズベリーリーフなどは、“女性の味方”といえるハーブだと思います。

ローズは体の中のモヤモヤを抑えてくれます。今は見えていない不調も、病気になる前に防ぐ効果が期待できます。特に、“第二の思春期”とも言える更年期に、バランスを整えてくれる。その時期特有の心と体のだるさや疲れに役立つので、大人の女性の元気をサポートしてくれます。

また、私が大好きなレディースマントルも女性にぴったりのハーブ。月経不順や生理痛などの不調に対してバランスを整えてくれるので、気持ちにも良い影響があります。何らかのトラブルを感じている方に特におすすめです。

それから、ラズベリーリーフも女性の味方。アルバニアに自生しているハーブでよもぎのような形をしています。ビタミンや鉄分が豊富で、若々しさをアップしてくれて、子宮の周りなど下腹部のめぐりを整えてくれます」

その他、レッドクローバーやホップといったハーブにも、女性にうれしい働きがあるそうです。

今注目のハーブ「ヤチヤナギ」

そんな中、菅原さんが特に注目しているのが「ヤチヤナギ」というハーブ。女性の美容とすこやかさに役立ててほしい、と言います。

「ヤチヤナギは、中世のヨーロッパでお肉の臭みを取ったり傷まないようにしたりするために使っていたというほど、強い抗酸化作用があります。その力を活かし、お肌の調子や若々しさを整えたり、更年期の気持ちのモヤモヤをやわらげたりと、女性の不調をケアしてくれます」

「ヤチヤナギ」をふんだんにブレンドしたハーブティー

メゾンレクシアから、そんな女性の強い味方である「ヤチヤナギ」をたっぷりと取り入れたハーブティー『ヤチヤナギティー フォー ウィメン』が誕生。「ホルモンバランスをサポートし、女性を楽にする」をコンセプトに、菅原さんに監修いただき、ゆらぎやすい女性のためのスペシャルブレンドが叶いました。

「私がメゾンレクシアさんのヤチヤナギプロジェクトに携わったのは、自社の畑で女性の強い味方である『ヤチヤナギ』を栽培している化粧品会社さん、ということにとても興味を引かれたから。
ヤチヤナギは日本ではわずかにしか自生しておらず、絶滅危惧種に指定されている稀少なもので、国内で育てていること自体がとても珍しいんです。そのヤチヤナギに20年以上も前から注目していて、長い期間をかけて栽培していることに驚きました。

私は植物が大好きで、いつも感謝して生きています。だから、ヤチヤナギの可能性を理解し、きちんと保護して育てて、女性の綺麗に対して真面目に取り組んでいる姿に、ぜひ一緒に取り組みたいと思ったんです。内側と外側の両方から良いものを取り入れる、という意味でも、化粧品メーカーで作るハーブティーに意義を感じますよね」

『ヤチヤナギティー フォー ウィメン』の特徴は、貴重なヤチヤナギをふんだんに使っていること。さらに、女性に良い働きをするさまざまなハーブも、贅沢にブレンドしています。

「ヤチヤナギは女性に素晴らしい働きがありますが、少し苦みが強いんです。緩和するためにローズやカモミールを配合し、できるだけヤチヤナギをたっぷり取り入れながら、女性の体に役立つハーブを中心に、全体の味と香りのバランスを整えました。また、同じ植物でも栽培する地域によって違いが出るため、配合するハーブは原産地のものにこだわりました。女性の幸せのため、最高のブレンドにしたいと思ってあらゆる調整をしました」

菅原さんが「NeRoLi herb」を立ち上げたのも「みんなが笑顔になるように」という思いがあったから。愛するハーブを通じて、手に取った方の幸せを第一に考えてハーブ選びやブレンドをしている、と言います。

「40代以上になると、毎日が忙しく、ついつい生活が乱れがち。更年期に入ると笑顔の瞬間も減り、今の自分を見て『あの頃こうしていれば』と後悔することもあると思います。でも、ハーブを取ることで少しずつ綺麗と元気の栄養を取り入れていけば、まだまだ間に合います。常々、私は『植物は裏切らない』と思っています。ベストな60代を目指して、ぜひハーブティーを生活に取り入れてほしいと思っています」

『ヤチヤナギティー フォー ウィメン』も、そんな思いを込めて作られた、特別なハーブティーなのです。

菅原さん直伝!より効果的なハーブティーの飲み方

ハーブティーの飲み方にも、より成分を取り込める、効果的な飲み方がある、と言う菅原さん。小さなコツを取り入れるだけで、無駄なくハーブを活かすことができます。

花が開くまで待ち、冷まして飲む

「1杯分のポットの場合は、カレースプーン1~2杯のハーブティーを入れ、熱湯を注ぎます。そしてすぐに飲まず、最低でも10分ほどは蒸らしてください。草花が完全に開ききることで、成分をきちんと取り入れることができます」

飲み頃の目安は、花が開き、細かい茶葉がポットの底に沈んだあたり。温度は「喉のためにも熱々の状態ではなく、ぬるいと感じるくらいがベスト」と菅原さん。体に良い状態で取り入れるのがより効果的な飲み方なのだそうです。

たっぷり作って水の代わりに

「前にも言ったように、私にとってハーブティーは紅茶やコーヒーのような嗜好品ではありません。美味しく飲むことも大事ですが、まずは体に良い状態で飲み、さらに続けることがとても大切です。そのために、私は1杯ずつ入れるよりも、大きなポットにたっぷり作り、1日の間に3回に分けて飲むことをおすすめしています」

茶こしの付いた、750mlほどの大きめのポットがベターだそう。熱湯を入れるため、ガラス製などの耐熱性のあるものを選びましょう。出かける時は持ち歩き用のタンブラーに入れ替え、水の代わりにハーブティーを飲むのがおすすめです。

「ハーブティーを淹れたら、絶対に最後の一滴まで飲んでください。紅茶で言うところの『ゴールデンドロップ』と同じで、最後の一滴こそ成分が凝縮されて濃くなっています。必ずしっかり最後までカップに注いでくださいね」

飲むだけじゃない!ハーブティーの楽しみ方

一般的に、お茶などは飲んだらそれで終わり、というイメージですが、ハーブティーにはさらに体のために活かせる楽しみ方がある、と菅原さんは言います。

「私は、一度お湯を入れて出した後に残ったハーブを捨てずに、保存バッグに入れて冷凍しておくんです。冷凍のハーブがたまったら、お風呂に入れてハーバルバスにします。体が温まるのでデトックス効果もあり、おすすめです。また、ハーブティーは頭皮のケアにも役立つので、飲み残したものがあった時は、ヘッドスパのように頭にかけることもありますよ」

ハーブは肌のケアに取り入れることもでき、さらに鼻からも香りを楽しめます。二日酔いや咳が止まらないなど、日常的な不調の時にもおすすめです。植物の力を余すところなく活用することで、より毎日の美容とすこやかさに役立てるのです。

「植物は裏切らない」ハーブ生活で「今日より明るい日に」

毎日、女性特有の“なんとなく不調”や更年期などのモヤモヤに悩む女性に、菅原さんは「このハーブティーを生活に取り入れることで、より若々しく、穏やかに過ごせるようになりますよ!」と太鼓判を押します。

「『明日』という字は、今日より明るい日、と書きますよね。ハーブティーを飲んで正しいお手入れをしていただければ、明日は今日より明るい日になると思うんです。植物は裏切りません。目に見えないけれど、伝えにくい不調こそ、植物の出番。ハーブの可能性を信じて、まずはハーブティーの習慣を始めてほしいです」

PROFILE

菅原あゆみ/「NeRoLi herb」主宰・植物療法士

2015年より「大切な人や、家族のための植物療法」をコンセプトに、「NeRoLi herb」を主宰。英国式植物療法、漢方、和漢などを基本としたオリジナルメソッドを確立し、産地や製法などを厳選した本物の植物の力を広めている。女優、モデル、ヘア&メイクアップアーティスト等、美のプロフェッショナルたちからの信頼も厚い。近著に『幸せになるためのハーブレシピ』(世界文化社)。

菅原あゆみ/「NeRoLi herb」主宰・植物療法士