花粉で肌荒れに…!?その原因と対策&予防法を皮膚科医が解説

花粉で肌荒れに…!?その原因と対策&予防法を皮膚科医が解説

HEALTH

Jan 24, 2022

日差しに少し暖かさを感じられるようになると、なぜか肌荒れを起こしやすくなる…そんな経験をされたことのある方は多いはず。春先の肌荒れは一体どうして起こるのでしょうか? 今回は皮膚科医、医学博士の鈴木稚子先生に、その原因から対策までを徹底解説していただきます。

目次

  1. 花粉による肌荒れとは?どんな症状?
  2. 花粉シーズンに肌荒れが起こるのはなぜ?
    1. 1.肌のうるおいバリア機能の低下
    2. 2.元々の体質やストレスにも関係が
  3. 春先の肌荒れを防ぐ対策やスキンケア
    1. 1.花粉から肌を守る
    2. 2.花粉に直接触れない、家に入れない工夫をする
    3. 3.肌への刺激を最小限に
    4. 4.たっぷり保湿を徹底
    5. 5.基本の生活習慣を見直し、内側からもケアを
  4. 花粉による皮膚炎かも…と思ったら
    1. まずは早めに皮膚科へ
    2. 正しい治療を受ける
  5. 正しい予防と対策で花粉シーズンを乗り切って
  6. Her ELEGANCE-メゾンレクシアのおすすめスキンケアアイテム
    1. おすすめアイテム①
    2. おすすめアイテム②

PROFILE

鈴木稚子 先生

1994年東京慈恵会医科大学医学部卒業。同大学皮膚科学教室国立大蔵病院皮膚科臨床研究部を経て、2000年用賀ヒルサイドクリニック院長。2017年六本木スキンクリニックを開院。美肌の予防医療を専門とし、現代女性たちの肌悩みを解消するアドバイス・指導などを行う。

鈴木稚子 先生

花粉による肌荒れとは?どんな症状?

春めいた気候を感じる季節になると、そろそろスギ花粉が飛散し始める時期。「花粉症」と呼ばれる症状の代表的なものといえば、くしゃみや鼻水、鼻づまり、目のかゆみ。しかし、花粉の影響は目や鼻だけでなく皮膚にも及ぶことも多く、首や顔など肌を露出している部分に花粉が付着することで肌トラブルが起こり「花粉皮膚炎」の症状が出ることも。実際に花粉が飛ぶ季節になると、肌荒れに悩むという方も多いのではないでしょうか。

この花粉皮膚炎の症状としては、皮膚のかゆみ、赤み、かさつきや肌の痛み、熱っぽさなどが現れるのが一般的。このような症状が春になると現れやすいという方は、花粉による皮膚炎の可能性が考えられます。ただ、鼻や目には特に花粉症の症状がなく、皮膚だけに出る方は、原因が花粉にあるとは気付きにくいことも。そのため皮膚科で検査をして初めて、花粉による肌荒れだったと判明するケースも少なくありません。

花粉皮膚炎の場合、症状がひどければメイク自体ができなくなったり、肌の痛みで基礎化粧品すら付けることが困難になることもあります。

花粉シーズンに肌荒れが起こるのはなぜ?

1.肌のうるおいバリア機能の低下

私たちの皮膚の一番外側にある角層部分に備わっているのが、バリア機能。このバリア機能は、肌内部の水分の蒸発を防ぐ、外的刺激から肌を守るという2つの役割があります。

バリア機能がしっかり働いているときは、アレルゲンである花粉がもし皮膚に付いたとしても大きな刺激にはなりません。しかし、冬の寒さや乾燥によって肌の水分が奪われると、角層の細胞間にすきまができ、肌のうるおいバリア機能が低下します。そのため、冬が終わった春の時期は、肌が乾燥や紫外線といった外からの刺激に弱くなり、肌トラブルが起こりやすい状態になってしまうのです。

外部からの刺激に弱くなるということは、花粉が肌に侵入しやすく、アレルギー反応が起こりやすい状態。特にスギ花粉が多い2月から4月は、空気が乾燥して皮膚のバリア機能が低下しやすい時期と重なりますから、注意が必要です。

2.元々の体質やストレスにも関係が

元々アトピー性皮膚炎だったり、湿疹が出やすい体質の人は、花粉によるアレルギー症状が皮膚に現れやすいことがあります。また、春は環境の変化でストレスを感じる方も多いと思います。生活が変われば、それ自体がストレスや刺激になり、肌のターンオーバーのリズムが崩れがちに。ストレスが肌に出やすい体質の方は、特にこの時期はデリケート肌になりやすく、花粉による肌荒れの症状を悪化させてしまうこともあるので対策が必要です。

春先の肌荒れを防ぐ対策やスキンケア

春先ならではのこうした花粉による肌荒れは、あらかじめ対策を行うことで症状を軽くすることができます。以下の点を心がけて事前の予防を心がけて。

1.花粉から肌を守る

花粉によるアレルギー反応を起こしてしまう場合、まずはできるだけ接触しないよう日常生活の中で工夫することが大切です。肌に花粉が付いてしまうと、花粉の影響を受けやすくなりますから、露出している顔や首などには花粉が付かないようにする工夫が大事。天気予報をこまめにチェックし、花粉が多く飛んでいる日やエリアなどへの外出を避ける、外に出るときはマスクやメガネ、帽子などで花粉の付着を防ぐなど、まずは基本的な対策を取りましょう。

またニットやコットン素材の服は花粉が付きやすいので、表面がツルツルした化学繊維の服を着るのもおすすめ。花粉がつきにくい日焼け止めやファンデーションもありますから、そういったアイテムもうまく活用してみてください。

2.花粉に直接触れない、家に入れない工夫をする

花粉の量が多い時期には外出しないのが一番良いですが、さまざまな理由で外出せざるを得ないと思います。外から帰宅したら家に入る前に服の花粉を払い、洗面所で顔や手を洗うことを習慣にするのが効果的です。シャワーを浴びたり髪を洗うことまでできればベストですが、そこまでせずともなるべく早く花粉を洗い流して、花粉が皮膚に直接触れないようにすることが重要なのです。

3.肌への刺激を最小限に

春の肌はとてもデリケートなため、刺激を与えないよう注意が必要です。洗顔の際も、ごしごしと力を入れる洗い方は、肌への刺激になり炎症を悪化させてしまうためNG。まずは洗顔料をたっぷり泡立ててやさしく洗い、花粉など肌に付着した汚れをきちんと落としてから、すみやかに化粧水や乳液で保湿をしましょう。

洗顔後のタオルドライや、化粧品をつける際もやさしくハンドプレスするようになじませ、肌を摩擦しないよう注意を払って。毎日使う基礎化粧品も、低刺激処方のものを選ぶと◎。

4.たっぷり保湿を徹底

冬の間に乾燥が進み、肌のうるおいバリア機能が低下しているときは、表皮の一番外側にある角層をみずみずしい状態に保つことが大切。乾燥は皮膚炎の大敵ですから、加湿器の使用や日々のスキンケアでしっかり保湿をしましょう。

皮膚のバリア機能を保つためには、いつも以上に保湿ケアの気遣いをすることが大切になってきます。スキンケアアイテム選びのポイントは、特に花粉の影響で肌が敏感になっている時は、低刺激でうるおい力が高く、高保湿とされる成分が入っているアイテムを選ぶのがベスト。肌に必要な水分と油分をしっかり補給することで、バリア機能をしっかりサポートできるんです。

5.基本の生活習慣を見直し、内側からもケアを

バリア機能の低下によりデリケートになっている肌は、外側だけでなく内側からもケアを。暴飲暴食は避け、栄養バランスの良い食事、肌の生まれ変わりを促すための、規則正しい睡眠をとることも基本です。リラックス効果や質の高い睡眠をとるためしっかり湯船に浸かることも大事。ただし熱すぎる湯は肌の乾燥を招きますので、ぬるめのお湯にゆっくり浸かるようにして。

花粉による皮膚炎かも…と思ったら

まずは早めに皮膚科へ

春に近づくと、目や鼻の周りだけ赤くなる、肌がかゆくなったりヒリヒリする、極度に乾燥するなど、花粉皮膚炎の疑いがある場合は、早めに皮膚科を受診するのが一番です。そのまま放っておくと色素沈着を起こしてしまい、その期間が長ければ長いほど、元に戻るまでに長期間掛かることも。

また受診の際に、アレルギー検査も一緒に行えば、ご自身の肌の状態や正しいケア方法もわかりますから、状況を悪化させることなく改善をしていくことができます。

正しい治療を受ける

皮膚科での治療は、塗り薬やアレルギーを抑える薬を処方するのが一般的。飲み薬か塗り薬かは状態によって違い、必ず診察で症状を診てから行うものです。「赤みがあるから塗り薬を塗っておこう」など、ご自身で勝手に判断して治療をすると悪化する可能性もありますので注意を。

正しい予防と対策で花粉シーズンを乗り切って

花粉シーズンの肌荒れは、その原因となる花粉が肌に触れないよう心掛け、肌の保湿やスキンケアを念入りに行うことが予防の基本。特に保湿ケアをしっかり行っていくことで、花粉による肌荒れの多くは防ぐことができます。日常からしっかり対策を行い、この時期を乗り切っていきましょう!
(鈴木稚子 先生)

Her ELEGANCE-メゾンレクシアのおすすめスキンケアアイテム

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北海道にある自社ファーム・エキス工房で化粧品原料となる植物から栽培・エキスを抽出し、徹底した品質志向を追求。
厳選した植物成分を惜しみなく配合することで、肌本来の美しさを引き出します。

おすすめアイテム①

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おすすめアイテム②

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さまざまな保湿成分の相乗効果で、みずみずしく満たされた肌を守り、うるおいを閉じ込める美容液。素早くなじむ、アクアリッチなテクスチャーが心地よく、春の気候にもぴったり。さらりと仕上がりつつも、しっとりとした肌へ整えてくれます。
(※)整肌保湿成分