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監修者:NPO法人日本メディカルハーブ協会認定(JAMHA):ハーブ&ライフコーディネーター、メディカルハーブコーディネーター 薬剤師 徳永景子
ラベンダーはハーブの女王とも呼ばれ、古くから人々に重宝されてきた植物です。香りが良く、高いリラックス効果や鎮痛作用があるため、心を落ち着けたい時などに活躍してくれます。ラベンダーの特徴や効能・効果、家庭でも簡単に実践できる取り入れ方を紹介します。
目次
監修者:NPO法人日本メディカルハーブ協会認定(JAMHA):ハーブ&ライフコーディネーター、メディカルハーブコーディネーター 薬剤師 徳永景子
ラベンダーは数あるハーブの中でも特に知名度が高く、香りが良いため古くから人々に親しまれてきました。まずは、ラベンダーの特徴や歴史を解説していきます。
ラベンダーはシソ科に属する常緑低木の植物で、主な原産地は地中海沿岸。高温多湿が苦手なため、乾燥した土地で良く育つのが特徴です。国内では、北海道富良野のラベンダー畑が有名なように、暑さよりも寒さに強い植物ですが、耐暑性や耐寒性は品種によって異なります。
ラベンダーの開花シーズンは5~7月頃。青紫色の花が有名ですが、ピンクや白の花を咲かせる品種もあります。小さく香りが良い花と、葉に細かな毛が生えているのが特徴的です。ラベンダーには、「沈黙」と「清潔」といった花言葉があります。
ラベンダーにはさまざまな種類があります。最も有名なのがイングリッシュラベンダーで、コモンラベンダーとも呼ばれる、寒冷地で栽培される品種です。北海道富良野でも多く栽培されていて、香りが強く立つため、ラベンダー精油の原料となっています。
耐暑性があり、温かい地位で栽培しやすいのがフレンチラベンダーです。先端にウサギの耳のような形状の花穂をつけるのが特徴的で、イングリッシュラベンダーよりも若干香りが弱い傾向にあるようです。
その他にも、レースラベンダーやフリンジドラベンダーなどの種類があり、同じラベンダーに属していながら多様な個性を持っているため、品種による違いを見つけてみるのも面白いかもしれません。
ラベンダーは、西暦1世紀の書物には既に記述があるなど、非常に歴史の長い植物です。古代ローマ時代には、香りが優れている点からラベンダーは高額で取引されていました。
その他、古代アラブでは髪の艶を出すために、古代エジプトではミイラ作りのためにラベンダーの油を利用するなど、人々からさまざまな用いられ方をした歴史を持っています。
ラベンダーは香りが強い植物です。ハーブに分類されますが、花のようなフローラルな香りを楽しめるのが大きな魅力と言えるでしょう。落ち着きと清潔感があり、ハーブ特有の土のような香りも感じられます。長きにわたり愛されてきた香りは、現在も変わらず人を心地良い気分にさせてくれます。
ラベンダー精油は、ラベンダーの花と葉から水蒸気蒸留法で抽出されます。ハーブでありながら、フレッシュなフローラル調の香りが特徴的です。アロマテラピーによく使われるため、別名「万能精油」とも呼ばれています。
ラベンダーの匂いに期待できる効能効果は、ストレスを軽減するリラックス効果、神経痛や生理痛をやわらげる鎮痛効果、皮膚細胞を活性化して美肌に導く効果など、多岐にわたります。精油とハーブそれぞれの効能・効果をチェックしていきましょう。
<リラックス効果>
ラベンダーの香りには、副交感神経を優位にする効果があると考えられているため、体と心の緊張を和らげてリラックスした状態にしてくれます。ストレスが溜まっている時や精神的に憂鬱な時は、心や体が緊張している状態です。ラベンダーの香りが自律神経と心を安定させ、穏やかな状態にしてくれるでしょう。
<鎮痛作用>
ラベンダーの香りの成分には、酢酸リナリルというものが含まれています。この酢酸リナリルの効果は鎮痛作用。香りを嗅ぐことで心を落ち着かせるセロトニンが分泌されるので、キズや胃の痛み、生理痛などを和らげる効果が期待できるでしょう。
<殺菌・抗菌・抗ウイルス作用>
ラベンダーには、殺菌・抗菌作用があるため、古代ローマ時代から、既に入浴剤として重宝されていたと伝えられてきました。また、抗ウイルス作用や虫よけ効果も期待できます。
ラベンダーのハーブは皮膚への刺激も少ないため、スキンケアや美容にも使用可能です。ハーブ自体をスキンケアに用いる場合は、ハーブティーのようにお湯に抽出してから冷やし、コットンなどに含ませて使いましょう。さらに、グリセリンなどを混ぜると保湿効果も期待できますよ。
ラベンダーは、ハーブやアロマ初心者の方でも取り入れやすい植物です。日常にラベンダーの香りを取り入れて、リラックスできる空間を作ってみてはいかがでしょうか。ここでは、ラベンダーの香りを取り入れる方法を紹介します。
ラベンダーをハーブティーにして、味と香りを満喫する取り入れ方です。用意するのは、ラベンダーのハーブとお湯のみ。ハーブの量はお湯300ccに対して、ティースプーンに2杯程度が適量です。他のハーブや紅茶とブレンドしても飲めるので、気分に合わせた飲み方を楽しんでみてください。
また、ハーブティーは、水溶性の成分を抽出するため、6時間ほどで尿として体外へ排出されてしまいます。そのためハーブの効果を得たい場合は、1日3~4回に分けて飲むと良いでしょう。
ラベンダーはドライフラワーにしても香りが強く残るので、ポプリやサシェとして利用するのもおすすめ。ドライフラワーはラベンダーを1週間ほど吊るして乾燥させれば、簡単に完成します。茎から花を取って、瓶や袋に詰めておくだけで香りを楽しめる手軽な取り入れ方です。
ハーバルバスとは、ハーブの成分が溶け出したお湯に浸かることで、有効成分を肌から吸収できる入浴方法です。特にぬるめのお湯で行う半身浴は、体への負担が少なくハーブの香りとエキスの効果をしっかりと堪能できます。やり方は、ドライハーブを1回分5~20gを目安に小袋やパックに詰め湯船に入れるだけです。
また、ハーブティーを入れるようにポットに入れ、10~15分置いて抽出したエキスを入浴剤の代わりに使う方法もあります。抽出後の袋やパックも湯船に入れましょう。
スキンケアや美容にも良い効果のあるラベンダーの精油。ここでは、毎日の生活に精油を取り入れる方法を紹介します。
ラベンダーの手作り化粧水を使うと、香りに癒されながら、髪や肌など全身をしっとりとうるおせます。また、皮脂の分泌を調整する作用があるため、くすみ※の改善やテカリを抑える効果で肌を整えてくれますよ。
※乾燥による
<手作りの仕方>
手作り化粧水は防腐剤を使用しないため、冷蔵庫で保存して1週間以内を目安に使い切りましょう。
キャリアオイルとミツロウ、ラベンダーの精油で作るハンドクリームは、手荒れによる湿疹やかゆみを抑えてくれます。さらにラベンダーには虫よけ作用もあるため、市販の虫除けが苦手な人や化学成分が心配な人にもおすすめです。
また、ラベンダーには抗炎症作用やかゆみを止める作用もあるので、刺された後のケアにも使えます。虫よけハンドクリームの作り方は以下の記事で紹介しているので参考にしてくださいね。
ラベンダーの香りには、ゆったりとした気持ちにしてくれるリラックス効果があるため、就寝前にアロマテラピーを行うと心地良い眠りへと導いてくれます。
簡単にアロマテラピーを楽しみたいなら、精油をハンカチに数滴垂らす方法がおすすめです。ラベンダー精油を1~2滴ほど垂らしたハンカチを枕元におくだけで、ラベンダーの香りを感じられて心身ともにリラックスできます。
就寝前のアロマ活用法についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
ラベンダーの精油を他のものとブレンドして、自分だけの香りを楽しんでみてはいかがでしょうか。ここでは、多種多様な精油の中でもラベンダーと特に相性の良い香りを紹介していきます。
ラベンダーはハーブの1種ですから、他のハーブ類とも基本的に相性が良い傾向にあります。ハーブ系の中でもおすすめしたいのは、ペパーミントです。ラベンダーの力強く優しい香りに、ペパーミントが清涼感をプラスしてくれます。リラックスはもちろん、リフレッシュして気持ちを切り替えたい時にも最適な香りです。
みずみずしい果実の香りを楽しめるレモンやベルガモットなどの柑橘系も、ラベンダーと好相性です。花のようなラベンダーの芳香に、フレッシュな爽やかさが加わりスッキリとした香りになります。
柑橘系は、アロマやフレグランスにおいて男女を問わず人気の高い香りです。こちらの記事で柑橘系の香りについて詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
メゾンレクシアには、ラベンダーの心地良い香りを楽しめるアイテムも揃っています。心身をリフレッシュさせてくれるスキンケアアイテムを、1日の終わりに導入してみてはいかがでしょうか。
植物成分をたっぷりと配合した、美容液のような贅沢なクレンジングミルク。肌を労りながらメイクをオフしてくれるので、クレンジング時の肌への負担が気になる人も安心です。ラベンダーとローズ、柑橘系をミックスした爽やかでフローラルな香りは、メイクオフを癒しの時間へと格上げしてくれます。
天然クレイと植物のエモリエント成分が、毛穴の細かい汚れを吸着してくれるパックです。肌をやわらかく、なめらかにしてくれるので、紫外線を浴びた日や、肌のごわつきが気になる時におすすめ。ラベンダーやユーカリを使用したハーブらしい香りが、肌だけではなく気持ちもリフレッシュさせてくれます。
ラベンダーはリラックス効果や鎮痛作用が特徴的。ストレスを感じた時や安眠したい時にラベンダーの香りに包まれると、気持ちが落ち着きますよ。取り入れ方もさまざまなので、ぜひ自分に合った方法でラベンダーの香りを日常に加えてみてください。
香りを楽しみたい方におすすめ、繊細で魅力的なフレグランスの楽しみ方もご紹介
WEBメディアディレクター。妊娠・出産中に感じた心身の変化をきっかけに、ハーブに興味を持ち、学ぶ。ハーブティーや料理、フレグランスなど、手軽に取り入れられる『ハーブのある暮らし』を送る2児の母。時々薬剤師として働きながら、企業のWEBメディア作成に携わる。