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監修者:NPO法人日本メディカルハーブ協会認定(JAMHA):ハーブ&ライフコーディネーター、メディカルハーブコーディネーター 薬剤師 徳永景子
古くから「長寿のハーブ」として親しまれてきたレモンバームは、心身にさまざまな効能効果を与えてくれます。この記事ではレモンバームの特徴や香り、効能効果を始め、おすすめの使い方、保存方法、注意点を紹介します。レモンバームはお茶や入浴剤など、さまざまな方法で楽しめるので、ぜひ生活に取り入れてみてくださいね。
目次
監修者:NPO法人日本メディカルハーブ協会認定(JAMHA):ハーブ&ライフコーディネーター、メディカルハーブコーディネーター 薬剤師 徳永景子
古くからメディカルハーブとして親しまれてきたレモンバーム。現在でも、心身にさまざまな効能効果があることで知られています。まずはレモンバームの特徴や歴史、香りと味について紹介します。
レモンバームの原産地は南ヨーロッパです。シソ科コウスイハッカ属の多年草で、別名「メリッサ」とも呼ばれています。30~90センチの高さまで育ち、夏の終わりに白い小さな花を咲かせるのが特徴です。綿毛で覆われたハート形の葉からは精油が抽出されます。
レモンバームは古くからメディカルハーブとして使われており、不老不死の万能薬と呼ばれて親しまれてきました。一説によると、レモンバームは葉の形がハート形のため、心臓病に効果があると信じられていたようです。古代ギリシャやローマ時代では、ワインにレモンバームを漬け込んだものを服用・塗布した記録が残っています。現在は、南ヨーロッパやドイツ、アジアなど多くの地域で栽培されています。
レモンバームは、ミントとレモンが混ざったような爽やかな香りが特徴です。ハーブは乾燥すると香りが失われやすいですが、生の葉は料理やお菓子にレモンの香りづけをする時に使われています。味はレモンと違い酸味がなく、ほんのりと甘くまろやかな味わいです。
レモンバームは心を落ち着かせたり、消化器系の不調を改善したりと、心身にさまざまな効能効果をもたらしてくれます。ここでは、レモンバームの主な効能効果を4つ紹介します。
レモンバームは神経系に働きかけて気分を落ち着かせる作用があるため、神経の緊張からくる不安や不眠、パニック、ヒステリーを抑える効果が期待できます。抑うつ状態を改善する作用があるため、気分が落ち込んだ時や意欲が低下した時などにもおすすめです。
神経系に作用するレモンバームは、神経性胃炎や食欲不振など、神経からくる消化器系の機能改善にも有効とされています。また、胃腸の調子を整える作用もあるため、胃腸の不調を感じた時にレモンバームティーを飲むと、消化不良や胃の不快感、膨満感などが改善されるでしょう。
シソ科のハーブに含まれるポリフェノールには、花粉症の症状を和らげる効果があると言われています。レモンバームには、ロスマリン酸というポリフェノールの一種が含まれています。ロスマリン酸にはアレルギー症状を引き起こすヒスタミンの過剰分泌を抑える働きがあるため、花粉症による鼻づまりなどの不快な症状の緩和に期待できるでしょう。
レモンバームには、女性ホルモンのプロゲステロンと似ている作用があるため、ホルモンバランスを整えて、生理不順や生理痛を改善する効果が期待できます。また、気持ちを落ち着かせる作用もあるので、PMSでイライラしやすい人にもおすすめです。
レモンバームはハーブティーとして飲むのはもちろん、ハーブソルトやハーブバスなど、さまざまな使い方で楽しめます。ここでは、自宅で気軽に楽しめるレモンバームの使い方を紹介します。
レモンバームティーは、まろやかな口当たりで飲みやすいのが特徴です。緊張を落ち着けたい時は冷たくして、冷え性の改善には温かくと、状況に合わせて飲むのがおすすめです。
■レモンバームティーの入れ方
【ドライハーブ:1人分】
【フレッシュハーブ:1人分】
ハーブティーにする場合は、レモンバームをできるだけ細かくちぎったり、ハサミで切ったりするとお湯に触れる面積が増えるため、ハーブの成分や香りを効率よく抽出できます。また、レモングラスやレモンピールとブレンドすると、レモンの香りがより一層引き立ちますよ。
乾燥したレモンバームと塩を混ぜれば、サラダや肉料理などで活躍するハーブソルトが作れます。乾燥したスライスニンニクを砕いたものや粗びきコショウを混ぜる、または塩にこだわってオリジナリティを出すのもおすすめです。瓶で保存すれば調味料として使いやすくなります。
【材料】
【作り方】
使用する塩は炒ったものでも構いません。もっと手軽に、そしてすぐに使用するために作りたい場合は、生のレモンバームを電子レンジ600Wで40秒前後を目安に温め、水分を飛ばしてから使用する方法もあります。
レモンバームを育てている人は、収穫したものを入浴剤の代わりに使ってハーブバスを楽しむ方法もあります。やり方は、生のレモンバームを束ねたものや、木綿の袋に入れたものを、そのまま浴槽に浮かべるだけです。お湯につかりながら葉をすり潰せば、レモンバームのエキスがお湯に広がります。
その他にも、鍋でレモンバームを煮出してからエキスを湯船に入れる方法もおすすめです。レモンバームの香りで気分をリフレッシュできるだけでなく、なめらかな美肌へのサポート効果も期待できます。
レモンバームの香りを部屋で楽しみたい時は、ポプリにする方法がおすすめです。
【作り方】
自然乾燥が難しい場合は、キッチンペーパーを敷いた耐熱皿にレモンバームを並べ、電子レンジの600Wで1~2分温めると簡単に乾燥ハーブが作れます。また、他のハーブとブレンドして自分好みの香りを作るのもおすすめです。
美肌を目指す人におすすめなのが、ハーブを利用したフェイシャルスチームです。レモンバームの爽やかな香りでリラックスしながら、血行促進作用で美肌効果が期待できますよ。
【やり方】
■抽出液の作り方
【材料】
【作り方】
フェイシャルスチームは湯気がなくなるまでできますが、1回5分程度で週2回が目安です。頭からタオルなどを被り、湯気を逃さないようにするとより効果的です。ただし、肌荒れや異変を感じた場合はすぐに中止してください。
さまざまな効能効果があり、生活に取り入れやすいレモンバームですが、注意しなければならない点もあります。ここでは、レモンバームの保存方法と注意点について紹介します。
レモンバームは香りが飛びやすいため、使う量だけを購入するのがおすすめです。残った場合は濡らしたキッチンペーパーに包んでから冷蔵庫で保存し、3日以内に使い切るようにしてください。
その他、ドライハーブにして保存する方法もあります。水気を切ったレモンバームを小さい束にして、風通しが良い日陰に1週間ほど吊るし、完全に乾燥したら完成です。今すぐドライハーブにしたい場合は、電子レンジを活用しましょう。キッチンペーパーを敷いた耐熱皿にレモンバームを並べ、電子レンジの600Wで1~2分温めると簡単にドライハーブが作れます。
レモンバームは副作用の心配がなく誰でも楽しめるハーブですが、妊娠中は注意が必要です。レモンバームには、つわりを和らげる作用がありますが、摂取量によっては妊娠状態に影響を与える可能性があるため、使用する時は医師に相談しましょう。
また、レモンバームに含まれるシトラールという香り成分は、敏感肌など肌が弱い人だと肌荒れする可能性があります。そのため、フェイシャルスチーム中などに肌荒れや異変を感じたらすぐに中止してください。
爽やかな香りのレモンバームは、落ち込んだ気分を吹き飛ばしてくれるだけでなく、消化器系の不調や花粉症などの緩和に期待ができます。ハーブティーやハーブソルト、フェイシャルスチームなど、自分に合う方法でレモンバームを毎日の生活に取り入れてはいかがでしょうか。
夏におすすめのハーバルなケア
WEBメディアディレクター。妊娠・出産中に感じた心身の変化をきっかけに、ハーブに興味を持ち、学ぶ。ハーブティーや料理、フレグランスなど、手軽に取り入れられる『ハーブのある暮らし』を送る2児の母。時々薬剤師として働きながら、企業のWEBメディア作成に携わる。