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監修者:NPO法人日本メディカルハーブ協会認定(JAMHA):ハーブ&ライフコーディネーター、メディカルハーブコーディネーター 薬剤師 徳永景子
レモングラスは古くから食用や薬用として使われてきた植物で、柑橘系の爽やかな香りが特徴です。レモングラスのハーブは料理の香り付けに使われることが多く、精油は心と体にさまざまな効能効果があるとして日常のいろいろなシーンで活用されています。本記事では、レモングラスのアロマの効能効果やおすすめの使い方などを紹介します。
目次
監修者:NPO法人日本メディカルハーブ協会認定(JAMHA):ハーブ&ライフコーディネーター、メディカルハーブコーディネーター 薬剤師 徳永景子
レモングラスは、中国やインドネシアなど、主に熱帯地域に分布しているイネ科の多年草です。トムヤムクンを始めとするエスニック料理に、香り付けのハーブとして使われるなど、レモングラスは肉や魚の臭み消しとしても活躍。その他、ハーブティーとして飲まれることもあります。
レモングラスの葉は爽やかな香りが特徴的です。レモングラス精油は、水蒸気蒸留法で葉から抽出されます。精油にはレモンと同じ「シトラール」という成分が含まれるため、レモンのような爽やかな香りが感じられます。
昔から薬用として用いられてきたレモングラスには、さまざまな効能や効果が期待できます。ここでは、レモングラスの持つ効能効果について紹介します。
レモングラスのアロマには、心を落ち着かせる効果があるとされています。さらにストレス解消や、緊張感や不安感をやわらげ心をほぐしてくれるとも。つまり、リラックス効果とリフレッシュ効果のどちらも得られると考えられています。
また精神面からくる体の不調にも、効果を発揮してくれるようです。ハーブティーにして飲むと、気分をリフレッシュできるでしょう。
レモングラスの爽やかな香りは、脳を活性化すると言われています。集中力と記憶力を高める働きがあるため、仕事や勉強の前はもちろん、車の運転時やスポーツの前などにも役立ちます。ある研究によれば、レモングラスの香りを嗅ぐと認知症の改善効果が見られたという結果もあるそうです。
※参照:https://www.sc-engei.co.jp/gardeningbeginner/aroma_therapy/lemongrass_effect.html
(住友化学園芸:レモングラスと認知症対策)
抗菌効果や抗カビ、抗ウイルス効果が高いと言われるレモングラスは、雑菌からくるニオイ対策にも有効です。レモングラスが含まれたアロマスプレーは、お部屋はもちろん、キッチン、トイレ、車内など、ニオイの気になる場所の消臭に役立ちます。
先述したように、レモングラス精油は虫の嫌がる「シトラール」という成分を多く含んでいます。そのため、蚊やハエ、ダニ、ノミなどの虫除けとしても使えます。市販の虫除けにも、レモングラスを含んでいるものも多いです。
代謝と血行を促進する作用があり、リンパ系、血液、体液の循環をスムーズにしてくれるとも言われるレモングラス。運動後の疲労回復や肩こり改善、冷えやむくみ解消に効果があるとされています。レモングラスの精油を希釈したマッサージオイルを使って、気になる部分をマッサージしてみてはいかがでしょうか。
レモングラスにはハーブと精油があり、それぞれ使い方が異なります。まずは、レモングラスのハーブの使い方を見ていきましょう。
レモングラスのハーブを使ったお茶は、とてもポピュラーです。レモングラスの爽やかな香りを楽しめて、気分をリフレッシュできます。さらに消化促進効果もあるので、食べすぎや胸やけにも効果的と言われています。
【作り方】
ポイントは、沸かしたての熱湯を使うこと。熱湯を使うことで、レモングラスの香りが華やかに立ちます。
生のレモングラスは、茎の内側のやわらかい部分をみじん切りにしたり、すりおろしたり、ペーストにしたりして、料理の香り付けや臭い消しに使えます。それ以外にも、肉や魚を茹でる時にレモングラスの香りのついたお湯を使うと、臭みが隠せます。
また、レモングラスは料理に入れてそのまま食べることも可能です。乾燥レモングラスハーブなら、手に入りやすく使いやすいでしょう。
レモングラスのハーブには防虫効果があるため、クローゼットに入れて防虫剤としても使えます。特にダニ、ノミ、蚊に効果が高いと言われています。
【作り方】
布の袋を作って入れればサシェになるので、部屋の消臭剤としても活用できます。
続いては、レモングラス精油の使い方を解説します。レモングラス精油は精神的にも肉体的にもいろいろな効能効果をもたらすと言われています。生活の中に上手に取り入れてみましょう。
レモングラスの精油と手に入りやすい材料で、夏のお出かけの必需品である虫除けアロマスプレーを作れます。
【作り方】
虫除けアロマスプレーは良く振ってから使用します。このスプレーには消臭効果もあるため、気になる汗のニオイ対策としても使えます。ただしレモングラスは皮膚への刺激が強いため、使用量は少なめにすることを心がけてください。小さな子どもにも使えますが、皮膚に直接使わず、服やタオルなどにスプレーして使うと良いでしょう。
爽やかでリフレッシュ効果とリラックス効果のあるレモングラス精油は、芳香浴にも使えます。集中力を高めたい時にも効果的ですので、仕事や勉強に取り組む前におすすめです。
【手順】
もう少し手軽に楽しむ方法として、ハンカチやティッシュに精油を1~2滴たらして、デスクや枕元に置くやり方もありますので、ぜひお好みで試してみてくださいね。
レモングラスには、血行を促進して疲労の原因物質の排出を促す効果があると言われています。歩き疲れた日などは、レモングラス精油を使ってマッサージしてみてはいかがでしょうか。
【作り方】
お風呂上りや寝る前に、リンパの流れに沿うようマッサージしてみてくださいね。
レモングラスは柑橘系に分類されるアロマで、ハーブ系やフローラル系と相性が良いと言われています。精油をブレンドする時のポイントと、レモングラスと相性の良いアロマとのおすすめブレンドを紹介します。
精油は柑橘系やフローラル系など、大きく分けて7つの香りの系統があります。一般的に同じ系統の香り同士は、相性が良いと言われています。精油をブレンドする時は、まず同じタイプの香りを組み合わせるのが無難です。レモングラスなら、同じ柑橘系とブレンドしてみましょう。
また、精油には香りの強弱があります。精油をブレンドする時はそれぞれの香りの強弱を知って、バランスの良い香りに仕上げることが大切です。レモングラスの香りは比較的強いため、入れすぎないように注意してください。
マンダリンは、レモングラスと同じ柑橘系の香りです。同じ柑橘系同士であるため、相性は抜群。冷静になりたい時におすすめの香りです。
【分量】
レモングラスにローズマリーとバジルの精油をブレンドすると、頭をすっきりクリアにして集中力を高める香りになります。ローズマリーもバジルもハーブ系のアロマで、清涼感やリラックス効果があると言われています。
【分量】
さまざまな効能や効果を期待できるレモングラスですが、使用する時にはいくつかの注意点もあります。最後にレモングラスを使う時の注意点を紹介します。
レモングラスには子宮収縮作用があるため、妊娠中や授乳中の女性が使用する際は注意したいハーブです。ハーブにはさまざまな作用が考えられること、そして妊娠中の身体の状態は人により異なるため、ハーブティーなどとして飲食する場合は医師に相談した方が安心です。
レモングラス精油は妊娠中の女性が使用してはいけない分類には入っていませんが、ニオイに敏感な時期でもあるため避けた方が良いでしょう。
レモングラスはイネ科の植物です。イネ科アレルギーのある人は、レモングラスを摂取することでアレルギーを起こす恐れもあります。ハーブとして摂取するのはもちろん、精油として使用する場合も注意してくださいね。
レモンのような爽やかな香りが、心のもやもや感をすっきりさせてくれるレモングラス。ハーブとして料理に活用したり、精油でアロマを楽しんだりと、さまざまな使い方ができます。好き嫌いが分かれにくい香りですので、生活の中に取り入れやすいでしょう。レモングラスの香りを生活に取り入れて、心と体のエネルギーをチャージしてくださいね。
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WEBメディアディレクター。妊娠・出産中に感じた心身の変化をきっかけに、ハーブに興味を持ち、学ぶ。ハーブティーや料理、フレグランスなど、手軽に取り入れられる『ハーブのある暮らし』を送る2児の母。時々薬剤師として働きながら、企業のWEBメディア作成に携わる。