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監修者:公益社団法人 日本アロマ環境協会認定環境カオリスタ、アロマテラピー検定1級 藤巻慧子
ペパーミント精油には、心・健康・生活へと幅広く役立つ効能効果があります。ペパーミントの香りは清涼感があるので、気分をリフレッシュしたい時におすすめです。この記事では、ペパーミント精油の効能効果やおすすめの使い方、使用時の注意点、相性の良い香りを紹介します。アロマテラピーで取り入れると、きっと心地よい時間を過ごせるはずです。
目次
監修者:公益社団法人 日本アロマ環境協会認定環境カオリスタ、アロマテラピー検定1級 藤巻慧子
ミントにはさまざまな種類があります。ペパーミントは、その中でも代表的な品種。まずは植物としての特徴と、ペパーミント精油の特徴や香りを紹介します。
シソ科ハッカ属のペパーミントは、ミントの代表的な品種の一つです。西洋薄荷(セイヨウハッカ)、胡椒薄荷(コショウハッカ)とも呼ばれています。スペアミントとウォーターミントが交配した品種で、葉が濃い緑をしていて尖っているのが大きな特徴です。
ペパーミントは香りが強く、コショウのような刺激も感じられることから、この名前が付いたとも言われていています。古くは薬として、現代ではハーブティーや料理などの飲食物だけではなく、リップや歯磨き粉などの香料としても用いられている植物です。
ペパーミント精油は水蒸気で蒸留した葉から抽出され、香りの系統はハーバルノートに分類されます。成分にメントールが含まれているため、清涼感のある爽やかな香りを楽しめます。
また爽やかさの中に、ほのかな甘さを感じられるのもペパーミント精油の特徴です。香りの強さは中~強程度で、持続力は最初に強く引き立つ、トップ~ミドルノートです。
ペパーミントの清涼感は気分のリフレッシュだけではなく、鼻詰まり解消や消化器の不調改善、虫除け・消臭効果など、精神・健康・生活に幅広く役立ちます。ここからは、ペパーミント精油の効能効果をチェックしていきましょう。
ペパーミント精油が持つ爽快感のあるすっきりとした香りは、リフレッシュ効果に優れています。リップやハンドクリームなどの多くのアイテムにペパーミント精油が用いられているのは、気分を切り替えやすい香りであるからと考えられるでしょう。
また、イライラを落ち着けて、緊張を和らげる効果が期待できます。気分転換をしたい時にもおすすめです。脳を活性化させて思考をクリアにするため、仕事や勉強など、集中力を必要とする時に香りの力を借りてみるのも良いかもしれません。
<鼻詰まりの緩和>
鼻詰まりの緩和には、ペパーミント精油に含まれるメントールの清涼感が役立つと言われています。花粉症や鼻風邪、鼻炎などの緩和に期待できるでしょう。
<消化器の不調改善>
メントールには消化促進作用もあります。消化不良や胃もたれが気になった時は、ペパーミント精油を取り入れてみてはいかがでしょうか。
<鎮痛作用>
ペパーミント精油には鎮痛作用もあるので、歯痛や頭痛、筋肉痛などの痛み緩和に期待できます。
<冷感作用>
AEAJ(公益社団法人 日本アロマ環境協会)によると、ペパーミント精油の香りを嗅ぐと体感温度を4℃下げられるそうです。気温が高い日にペパーミント精油を活用すると、暑さからくる不快感を軽減できるかもしれません。
※出典:AEAJ「アロマでクールダウン」
<消臭効果>
ペパーミント精油は、菌の増殖を抑える抗菌作用を持ちます。ニオイの元となる菌が増えにくくなることで消臭効果に期待ができます。ペパーミント精油入りのアロマスプレーを作って、トイレの消臭剤代わりとして活用するのもおすすめです。
<虫除け効果>
蚊やゴキブリなどの害虫は、ペパーミントの香りを好みません。ペパーミント精油を忌避剤として活用すると、空間を良い香りで満たしつつ虫除けができます。
ペパーミントはアロマテラピーにも多く取り入れられています。また、消臭や虫除け効果を活かした使い方も人気。手軽に取り入れられる使い方を紹介するので、ぜひ試してみてください。
花粉症や風邪の症状として多く見られる鼻詰まりや鼻水、喉の不快感を解消させたい時は、芳香浴や吸入法がおすすめです。
<芳香浴>
ティッシュペーパーやハンカチに精油を数滴垂らし、香りを嗅ぐ方法です。精油の種類によっては色が付いている場合があるため、ハンカチを使用する際は色移りに注意しましょう。
<吸入法>
お湯を張った容器に精油を1~3滴垂らして、立ち上る湯気と一緒に香りを吸い込む方法です。タオルを頭から被ると蒸気が逃げるのを防げます。ただし、精油成分が粘膜を刺激する場合もあるため、長時間の吸入は避けてください。
沐浴法とは、お湯を張った浴槽に無水エタノールと精油を入れて、入浴や足湯を楽しむ方法です。仕事や外出で足が疲れた時はフットバスをするのもおすすめです。
<精油の使用量の目安>
無水エタノールの使用量は5mL程度が目安です。ペパーミント精油は皮膚刺激を感じることがあるため、入れすぎないようにしましょう。
消臭や虫除け対策をしたい時は、ペパーミント精油を使ってアロマスプレーを手作りしてみてはいかがでしょうか。
【材料】※20mLのアロマスプレーを作る場合
【用意するもの】
【作り方】
アロマスプレーを作ったら、キッチンや玄関などのニオイが気になる場所に吹きかけてみましょう。網戸や扉に吹きかけておくと、虫除け効果が期待できます。
精油には禁忌と呼ばれるものがあります。性質や成分は種類ごとに異なるため、使い方や人によっては毒となってしまう場合も。ペパーミント精油を使用する際は、以下の注意点を守りましょう。
精油には経口毒性があり、副作用として胸焼け、悪心、腹痛、アレルギー反応などが起こる恐れがあります。精油を用いた歯磨き粉や飲食物は存在しますが、それらは安全性を確認した上で販売されたものです。自分で精油を扱う際は、たとえ希釈したものであっても飲んではいけません。他の食品と一緒に摂取したり、うがいに使ったりするのも同様です。
なお、誤って精油を飲んでしまった場合、口の中に精油が残っている時はすぐに大量の水ですすいでください。
精油の原液は刺激が強いので、直接肌に付けることは避けます。特に、ペパーミント精油は皮膚刺激を伴う場合があり、発疹や炎症が起こる恐れもあるため、敏感肌の人は特に注意が必要です。
万が一、精油の原液が皮膚に付いてしまった場合は、清潔な大量の流水ですぐに洗い流してください。赤みや刺激、発疹など、皮膚に異常が現れた場合は、早めに医師の診察を受けましょう。
ペパーミント精油には血行促進作用があるため、高血圧の人は使用を避けてください。
また、乳幼児はメントールの刺激を強く感じやすいので、小さな子どもがいる場合も使用しない方が安全です。3歳以上の子どもであっても、精油の使用は成人の使用量の10分の1程度から始め、多くても2分の1程度に留めます。使用する際は、子どもの誤飲や精油への接触がないよう十分に注意しましょう。
ペパーミントを他の精油とブレンドするのもおすすめです。相性の良い精油を紹介します。
ペパーミントと柑橘系の組み合わせは、気持ちが前向きになるような香り。みずみずしくフレッシュな酸味と甘さを併せ持つ柑橘系の香りは、ペパーミントと同様に気分をリフレッシュしてくれます。柑橘系の精油の中で特におすすめなのは、レモンやオレンジスイート、ベルガモットです。
ペパーミントとフローラル系を組み合わせると、気分をリフレッシュしつつリラックスできる香りに。ラベンダー精油と合わせると、ペパーミントの清涼感ある香りにラベンダーの優しさがプラスされます。
一日の疲れを癒すお休みタイムに、ペパーミント×ラベンダーの香りを感じると気分が落ち着くでしょう。アロマスプレーにして寝具に一吹きしたり、ハンカチに精油を垂らして枕元に置いてみたりと、お好きな方法で取り入れてみてください。
清涼感を感じられるユーカリも、ペパーミントと相性が良い香りです。ユーカリ精油は葉から抽出されるため、緑の香りも感じられます。ペパーミントと組み合わせると清涼感がアップ。クールダウンしたい時に向いています。ユーカリとペパーミントは抗菌・消臭といった共通点があるので、アロマスプレーを作る時にブレンドするのもおすすめです。
ペパーミントの爽やかな香りを楽しめるメゾンレクシアのリップトリートメント。優しい使い心地なので、刺激が強いのは苦手という人にもおすすめです。
ローズヒップ油やクロフサスグリ種子油などの植物オイルを贅沢に配合した、スティックタイプの唇用美容液です。みずみずしく、色ツヤの美しいふっくらとした唇に整えます。
香りは濃厚なバニラをベースとし、ベルガモットとペパーミントのすっきり感が爽やかなアクセントに。なめらかな付け心地で、口紅の下地としても使える優れものです。
ペパーミントの爽やかな香りは、花粉症で鼻詰まりがひどい時や体感温度を下げたい時、気持ちを切り替えたい時など、さまざまなシーンで活躍してくれるでしょう。精油の効能効果を活かした使い方をすれば、リフレッシュできて気持ちが少し軽くなるかもしれません。日常生活にペパーミントの香りを活用してみてはいかがでしょうか。
WEBメディアディレクター。コンテンツSEOに特化したライターの育成も行う。自分自身の心身の健康のため、精油を学ぶ。心地よさを重視した、感覚ファーストな香り選びが得意。好きな精油TOP3はネロリ、コリアンダー、イランイラン。