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鈴木稚子先生
目元は刺激に弱く、乾燥しやすいデリケートなパーツ。しかし、普段のメイクやスキンケア、生活習慣を意識することで乾燥は予防できます。乾燥による小ジワなどが気になる時は適切なスキンケアを行い、目元にうるおいを与えることが大切です。本記事では目元の乾燥原因や予防方法、乾燥を感じた時に行いたいスキンケア、おすすめのアイテムを紹介します。
目次
目元は顔の中でも特に皮膚が薄く、皮脂腺が少ないため乾燥しやすいデリケートなパーツです。まずは、目元が乾燥する主な原因を紹介します。
肌の水分量は、年齢とともに減少すると言われています。肌の水分を保つ皮脂やセラミド、アミノ酸などの天然保湿因子の分泌が減少することで、肌のバリア機能が低下。バリア機能は肌の内側に蓄えられた水分の蒸発を防ぐ役割があるため、この機能が低下すると肌が乾燥しやすくなります。
また、スキンケア時にサッと保湿をするだけだと、化粧水が目元の部分に塗れていないことがあります。保湿が行き届かず、目元の水分量が補えないままになっていると、慢性的な乾燥が起こってしまうかもしれません。
他のパーツと比べると、まぶたの皮膚はとても薄いです。メイクの際は、薄くて刺激に敏感なまぶたに触れる機会も多くなりがち。アイラインやマスカラ・アイシャドウなどのアイメイクに含まれた成分やクレンジング時の摩擦による肌への負担は、バリア機能の低下を招き、乾燥を引き起こす原因になり得ます。
紫外線の影響で肌のバリア機能が低下し、乾燥が起こるケースもあります。また、上述したように、肌のバリア機能の低下は紫外線だけではなく、摩擦によっても引き起こされます。目がかゆい時にゴシゴシと擦ったり、目元を強くマッサージしたりすると摩擦が起こりやすいので注意が必要です。
血行不良も肌が乾燥する原因の一つです。冷えはもちろんのこと、スマートフォンの使用による目の酷使にも注意が必要です。目元が血行不良になって肌の細胞に栄養が行き届かず、ターンオーバーが乱れてしまいます。
肌のターンオーバーが乱れると、古くなった角質細胞がいつまでもはがれずに表皮に残ったり、角質層の細胞の間を埋めている細胞間脂質などの保湿成分が生成されにくい状態となり、肌の乾燥が起こります。
目元の乾燥を放置していると、ヒリヒリとした痛みを感じたり、皮むけしたりなど、肌荒れにつながる恐れがあります。また、乾燥により目元の小ジワが目立つ場合も。目元の乾燥が気になったら、早めにスキンケア・メイクを見直して乾燥から目元を守りましょう。ここでは、目元が乾燥している時に取り入れたいスキンケア方法を紹介します。
目元は皮脂腺が少ないため、過度なクレンジングや洗顔で必要な皮脂を落としてしまうと、乾燥が進行しやすくなります。クレンジング剤はミルクタイプのような肌になじみやすいものや、洗浄力の強すぎないものがおすすめです。加えて、目元の乾燥が気になる時には、クレンジング剤・洗顔料ともに、うるおいを保ってくれるアイテムを選びましょう。
なお、クレンジング時には、目元と手の摩擦刺激を最小限に抑えることも大事なポイントです。目元専用のリムーバーやクレンジング剤を浸したコットンをアイメイクになじませると、擦らずにオフしやすいでしょう。
洗顔は、皮脂量の多いTゾーンや頬から行います。こちらも目元と手の摩擦刺激を軽減するために、洗顔料を良く泡立ててから洗いましょう。最後に皮脂量の少ない目元を優しく洗ったら、ぬるま湯ですすいでください。
目元が乾燥している時には、セラミドやヒアルロン酸、コラーゲンなどの保湿効果の高い成分が配合されたスキンケアアイテムを選ぶと良いでしょう。
化粧水や乳液・クリームで目元の保湿を行う際には、指の腹を使って優しく塗ります。塗り残しがないように丁寧に塗り広げてみてくださいね。
化粧水や乳液などの基本的なスキンケアに、アイクリームや目元用美容液をプラスするのもおすすめ。乾燥しやすい目元のケアに特化したアイテムを取り入れると、高い効果が期待できます。
アイクリームは油分が多く含まれていて、うるおいを閉じ込める力に優れています。目元用美容液は乾燥やシミ※1、シワ※2など、悩みに応じた美容成分が配合されているのが特徴です。
※1 紫外線による ※2 乾燥による
<アイクリーム・目元用美容液の塗り方>
【STEP.1】 パッケージに記載されている使用量を取り、薬指の腹で少しずつ目元になじませる。
【STEP.2】 上まぶたは目頭から目尻の方向へ軽くすべらせる。反対の手でこめかみを軽く押さえると、なじませやすい。
【STEP.3】 下まぶたは目尻から目頭の方向へ、トントンと軽く押さえるようになじませる。強く引っ張ったり、強く刺激して、目元に負担をかけないように注意。
【STEP.4】 乾燥が気になるところに重ねづけをする。
いつものスキンケアに加えて、ブースター(導入美容液)や、美容オイルを目元のケアに取り入れるのも効果的です。ブースター(導入美容液)は化粧水の浸透力※を高めてくれるため、乾燥が気になる時におすすめ。美容オイルは、化粧水や目元用美容液と混ぜて使用すると、美容成分の浸透※を高められます。
また、美容オイルを目元に付ける際に優しくマッサージをしてみるのも良いでしょう。マッサージは、指の腹で優しく目元を押さえるように行うのがポイントです。
※角層まで
目元はデリケートな部分だからこそ、乾燥が顕在化する前から適切なケアを行い、乾燥予防をすることが大切です。ここでは、目元の乾燥を予防するためのスキンケア・メイク方法を紹介します。
目元の乾燥を防ぐには保湿が欠かせません。正しいスキンケアを行い、アイクリームや美容液なども使って入念に保湿をしましょう。また、目元は刺激に弱いパーツでもあるので、低刺激のスキンケアアイテムを選ぶのも効果的です。
紫外線によるダメージは乾燥も引き起こすため、目元に紫外線が降り注がないような対策を行うことも大切です。外出時は日焼け止めや日傘などを使って、目元に紫外線が降り注ぐのを防ぎましょう。
また、紫外線対策は夏だけではなく1年を通して行うことが重要です。日焼け止めは外出先でもこまめに塗り直すと良いでしょう。メイクの上から使える、スプレータイプの日焼け止めを使うのもおすすめです。
メイクの方法によっても目元の乾燥を予防できます。エモリエント成分のような美容成分が配合されたリキッド・クリームファンデーションを使ったり、クリームタイプのアイシャドウを選んだりすると良いでしょう。肌にフィットしやすく、しっとりとした仕上がりのものを選ぶのがポイントです。
また、目元の乾燥を防ぎたい時には、目元用の化粧下地を使うのもおすすめ。その他、メイクの上から使えるバームを常用して、外出中に乾燥が気になった時に保湿ケアを行うことも効果的です。
目元の乾燥を予防したい時には、メイクによる負担も抑えましょう。メイクアイテムは、パラベンやアルコール、鉱物油などが入っていない低刺激のものを使うのがおすすめです。また、ウォータープルーフのマスカラ・アイライン等は肌への負担がかかりやすく、またクレンジング時に強い洗浄力を必要とする場合も。そのため、目元の乾燥が気になる場合には、できるだけ避けるのが無難です。もし、使用する場合には、お湯でオフできるアイテムなど、落としやすさを重視して選んでみましょう。
目元の乾燥はスキンケアとメイクだけではなく、生活習慣を見直すことでも予防できます。すこやかな肌を保ち、目元の乾燥を防ぐためにも、以下のことを意識してみましょう。
<目元の乾燥予防につながる生活習慣>
メゾンレクシアには、デリケートな目元の乾燥ケアにおすすめのアイテムも揃っています。目元周りの粉吹きや乾燥による小ジワ※が気になりだす前に、ぜひ取り入れてみてください。
※乾燥による
敏感な目元のための植物成分が、乾燥やキメの乱れにまっすぐ働きかける目元専用美容液。うるおいを保つ植物オイルを組み合わせることで、目元にいきいきとしたハリをもたらします。細かな部分まで塗り広げやすい、なめらかなテクスチャーも魅力。夜だけではなく、朝の使用もおすすめです。
独自のインフューズドオイルを贅沢に配合した美容オイル。肌にしっかりと浸透※して、乾燥やごわつきを予防します。保湿前のブースターとしてはもちろん、目元用美容液と混ぜて使うと、美容成分の浸透力※が高まります。また、目元周りのマッサージの時に使うのもおすすめです。
※角層まで
目元の乾燥は、メイク・クレンジングによる負担や紫外線などの外部刺激、目元の水分量低下が主な原因です。目元の乾燥を感じた時には、保湿を重視するとともに、負担をかけないスキンケア・メイクを行うと、うるおいを取り戻せるはず。適切なケアを行い、若々しい印象の目元を維持しましょう。
※スキンケアなどの対策をしても目元の乾燥が改善しない、皮むけや赤み、かゆいなどの症状がひどい場合は、皮膚科などの病院の受診をおすすめします。
※アレルギーなどの可能性もあるので、放置せず専門医に診てもらい、アドバイスを受けるようにしましょう。
1994年東京慈恵会医科大学医学部卒業。同大学皮膚科学教室国立大蔵病院皮膚科臨床研究部を経て、2000年用賀ヒルサイドクリニック院長。2017年六本木スキンクリニックを開院。美肌の予防医療を専門とし、現代女性たちの肌悩みを解消するアドバイス・指導などを行う。