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コッツフォード良枝先生
ふくらはぎなどの下半身が冷えている、指先が冷たいなど、いわゆる「冷え性」は、身体にさまざまな悪影響を与えます。冷え性には、主に4つのタイプがあります。自分の冷えタイプを知り、適切な対策をすることが冷え性改善への近道です。この記事では、冷えが体に与える影響や冷えのタイプと改善方法を解説。併せて、下半身の冷えが気になる時のマッサージにおすすめのボディオイルも紹介します。
目次
下半身や手や足などの末端、お腹、全身まで、あらゆる部位に冷えを感じやすい冷え性。冷えは、女性の体にさまざまなデメリットを与えます。まずは、冷え性が及ぼす悪影響から見ていきましょう。
体の冷えは血管を収縮させるので、血液の流れが悪くなります。そのため、手や足など体の末端まで温かい血液が届かず、冷えが慢性化しやすい状態に。
また、血流が悪くなることで、手足や肌など、見た目の血色も悪くなります。血行不良によって老廃物が溜まりやすくなると、肩こりや頭痛、腰痛などの症状が出やすくなるなど、冷えは万病のもとと言われるように、身体のさまざまな部分に影響が出てきます。
冷えによる血行不良は、痩せにくい体を作る原因の一つです。血行不良になると基礎代謝の低下にもつながるため、消費カロリーが減少してしまいます。
さらに体の巡りが悪くなるため、老廃物や余分な水分が体内に溜まり、むくみやセルライト、太る原因に。冷えはダイエットの大敵と言えるでしょう。
冷えによる体温の低下は、免疫力の低下も引き起こすので、疲れやすくなったり風邪をひきやすくなったりします。さらに、生活習慣病やアレルギーなどにつながる可能性も。美容だけではなく健康な体を維持するためにも、冷えを改善することが大切です。
冷えによって血液の流れが悪くなると、体だけではなく、肌にも影響が現れます。血液の流れが悪くなると、肌の細胞まで栄養が届かず新陳代謝が滞ります。その結果、肌のターンオーバーが乱れ、シミやシワ、たるみの原因となるのです。
手足など末端が冷えやすい、下半身が冷えやすいなど、人によって冷えを感じやすい場所は異なります。冷え性は大きく4つのタイプに分けられ、その原因もさまざま。まずは自分がどのタイプなのかを知ることが、冷え性改善への近道です。
<四肢末端型の特徴>
四肢末端型は、手や足など心臓から遠い体の末端が冷えるタイプで、10~20代の若い女性に多く見られます。冷え性の初期段階で、自覚症状もあるため気がつきやすいのが特徴です。原因は、不規則な生活習慣や偏った食生活、過度なダイエットによる食事制限などが挙げられます。
<下半身型の特徴>
30代以降の女性や男性に多く見られる下半身型の冷え性。下半身の冷えは足のむくみにもつながります。主な原因は、下半身の血の巡りが悪くなることです。お尻を圧迫、足を組んだ状態が続く長時間のデスクワーク、運動不足による下半身の筋肉の衰えなどは、血液の流れを悪くするので注意しましょう。
また、最近ではリモートワークの普及によって、オフィスに出社する時よりも立ち上がることが少なくなったり、運動不足を実感したりと、下半身の冷えにつながる行動が増えてきているので注意が必要です。
<内臓型の特徴>
30代以降の女性に多く、隠れ冷え性とも言われる内臓型。主な原因は自律神経の乱れで、手や足、体などの表面は温かいため自覚しにくいのが特徴です。対策をせずに放置してしまうと、内臓機能が悪化する恐れがあります。
<全身型の特徴>
全身型は若者や高齢者に多く、季節に関係なく一年中体温が低いのが特徴です。原因は、ストレスや生活習慣の乱れによる基礎代謝の低下。常に寒さを感じやすいため、自分が冷え性であるという自覚症状がない場合も多いようです。
まれに甲状腺の病気が潜んでいることもあり、気づかずに放置していると全身機能の低下にもつながるので注意しましょう。
冷えのタイプによって、優先してケアすべき改善方法も異なります。冷えを根本的に、効率的に解決するには、自分の冷えタイプに合った改善方法を知っておくことが大切です。ここでは、前述した4つの冷えタイプ別に改善方法を紹介します。
四肢末端型は、栄養不足のため体の中から熱を生み出すことが難しく、外側から温めても一時的にしか冷えを改善できません。体の中から熱を生み出せるように、食生活の見直しが必要です。
持病などで食事制限がない限り、熱を生み出してくれるタンパク質を積極的に摂るようにしましょう。加えて、プルーンやクコの実などのドライフルーツ、ひじきや黒ゴマといった黒い食材もおすすめです。
また、足の指のつけ根にある八風(はちふう)というツボを刺激するのも効果的です。椅子に座って片方の足を太ももにのせ、足の甲を持って内側に曲げるように伸ばしてからツボを刺激します。
下半身の冷え性は、お尻周りの筋肉が硬直している可能性が高いため、ストレッチで筋肉をほぐして血流を改善しましょう。足湯や半身浴などで下半身を温めるのも効果的です。
左右のお尻のそれぞれ真ん中にある臀中(でんちゅう)というツボを刺激すると、お尻周りの血流が良くなり下半身の冷え改善が期待できます。
また、ふくらはぎから下の冷えが気になる時には、ボディオイルで足のマッサージを行うのも良いでしょう。下半身型の冷えタイプの人は、血行促進を意識してケアをすることが大切です。
ストレスや生活習慣の乱れなどにより、交感神経と副交感神経の切り替えが上手くできないため、体温調整が難しい内臓型。冷たい飲み物や食べ物を避け、体を冷やしすぎないようにしましょう。
毎日の食事に取り入れたいのは、ショウガや唐辛子など、代謝をアップさせる食材です。また、内臓を温めて、血流を改善してくれる白湯を飲む習慣をつけるのもおすすめ。1L程度の沸騰させたお湯を40~50℃ほどに冷まし、保温ポットに入れておけば一日中白湯が飲めて便利です。
その他、お腹のツボとして知られる「中条流子孕(ちゅうじょうりゅうこばらみ)」を手やカイロ、腹巻などで温めて、自立神経のバランスを整えるのも効果的です。
全身型の人は代謝の低下によって、食欲のない人が多い傾向にあります。このタイプの人は、きちんと食事をして熱を生み出す体を作ることが大切です。ショウガ、ネギなどの体を温める性質を持つ食材は積極的に取り入れましょう。代謝の低下には生活習慣も関わっているので、夜型の生活になっている人は改善して、十分な睡眠時間を確保してください。
また、体の内側と外側の両方から冷えているため、食事や適度な運動で体の中から温めつつ、寒い季節には、重ね着やカイロなどを使って熱を逃がさないように保温することが大切です。
どの冷え性タイプであっても、冷え性の改善には生活習慣の見直しが欠かせません。ここでは、上述したタイプ別の改善方法にプラスして、毎日の生活に取り入れたい基本の生活習慣を紹介します。
冷え性の人は体温調整が苦手。そのため、寝つきが悪く眠りも浅くなり、睡眠不足になりやすい状態です。睡眠不足が続くと疲れが取れず、気力も低下するという悪循環に陥ってしまいます。
<改善方法>
ついついシャワーで済ませてしまいがちですが、湯船に浸かって体を温めるのも冷え性を改善する方法の一つです。
<冷えを改善する入浴方法>
適度に湯船に浸かることで全身がしっかりと温まり、冷えの改善が期待できます。汗をかく長時間の入浴や半身浴などは、逆に体が冷えてしまうため避けましょう。
ウォーキングなどの全身運動は、血流の改善や基礎体温を上げる効果が期待できます。一日30分程度のウォーキングを週4~5日行うのが理想です。まとまった時間を作るのが難しい場合は、通勤や買い物などの外出時に歩くことを習慣にしてみてください。
<効果を高める歩き方>
食べ物には「陽性・陰性・中性」の3種類があります。陽性は体を温める食べ物、陰性は体を冷やす食べ物、そのどちらもないのが中性です。冷え性を改善したい時は、陽性の食べ物を取り入れると血液循環の良化に期待できます。ただし、陽性の食べ物に偏らず、バランスよく摂取しましょう。
<陽性の食べ物>
冷え性の改善方法としては、下半身のマッサージが効果的です。下半身は重力と心臓から離れていることが原因で、血行不良になりやすい場所の一つ。第二の心臓と言われているふくらはぎをマッサージすると、滞っていた血液が循環して冷えの改善につながります。
その他、マッサージは疲労回復やむくみ解消にも期待できます。なお、マッサージのベストタイミングは、お風呂から出た後です。
冷え性改善にはさまざまな方法がありますが、なかでもマッサージは血行促進に効果的です。マッサージを行うときには、摩擦刺激を抑え、肌をしっとりケアできるボディオイルを使用しましょう。最後に、下半身のむくみ解消に効果的なマッサージにおすすめのボディオイルを紹介します。
国産オーガニックブランド「メゾンレクシア」が、自社抽出の植物エキスやオイルから処方した、エモリエント効果の高いボディオイル。ヒマワリ種子油やヤチヤナギエキス、メドウフォーム油、マカデミアナッツ油を厳選配合し、オイルとは思えないほど、軽やかでべたつかない使用感です。マッサージをすることで血行を促し、肌にしなやかなハリをもたらします。
香りは、華やかで上品なスウィートローズ香る「グランブーケ」と、ジャスミンとミュゲがみずみずしく調和した「クリアアコード」の2種類です。
下半身や指先の冷えといった自分で分かりやすい冷え性や、内臓型のように隠れ冷え性の可能性まで、冷え性にはさまざまなタイプがあります。まずは、自分の冷えタイプや原因を知り、自分に合った改善方法を取り入れてみてください。生活習慣や食生活を見直し、体を内外から温める生活を根気強く続けましょう。
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山梨大学医学部卒業後、日本医科大大学付属病院麻酔科学講座入局ののち、大手美容外科、野本真由美クリニック東京院の院長を経て、銀座禅クリニックの院長に就任。TVやWEB、雑誌などメディア出演も多数。